Lene Lovich “Stateless”

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皆さんは覚えていらっしゃいますか? Lene Lovich (リーナ・ラヴィチのことを❗️私、この方のことを、当時、東欧から亡命してきたと思っていたんですよ。それで、ちょっと調べてみました。Lena Lovich、本名Lili-Marlene Premilovichは、米国ミシガン州Detroitの出身で、英国人の母親とセルビア系米国人の父親との間に生まれましたが、13歳の時に、英国東ヨークシャー州Hullに移住しています。その時に、Les Chappell (G/Songwriter)と出会い、長い間、彼女の公私に渡る協力者/パートナーとなります。1968年に、彼女は、アートスクールに通う為、Londonに移ります。その時に髪の毛をドレッド(?)にして、以降、彼女のトレードマークになります。そこから、彼女は、アートスクールに通いながら、地下鉄で大道芸をしたり、キャバレーで東欧系ダンサーをしたり、また、スペインに行ってSalvador Daliに会っていたりもしています。この頃、彼女はフォーク・ロックを演奏しており、Royal Albert HallでQuintessenceと呼ばれるショーで合唱団に参加したり、Arthur Brownのショーで兵士を演奏したり、Radio One Roadshowでゴーゴー・ダンサーとして働いたりしています。また西インドのソウルバンドでイタリアにツアーしたり、Bob Flag's Balloon & Banana BandやガールズバンドThe SensationsでSax を吹いたり、ホラー映画での叫び声や仏のディスコ・スターCerroneに仏語の歌詞を書いたり、その他にも色々な劇団とも仕事をしています。1975年には、彼女はThe Diversionsに参加して、3枚のシングルと1枚のアルバムもPolydor Recordsから出しています。翌年1976年に、彼女はLene Lovichの名前で、3曲入りシングルを英国で出していますが、これはクリスマス向けの音楽でした。1977年には、彼女は、エンジニアAlain Wisniakの意見に沿って、仏人打楽器奏者/ディスコ・パフォーマーCerroneが書いた曲”Supernature”に歌詞を付けています。そして、1978年には、ラジオDJ/ 作家Charlie Gillettが、Lovichが録音した"I Think We're Alone Now"のカバー曲に注目して、Stiff RecordsのボスDave Robinsonに進言、すぐさま、シングルを出すことになり、LovichとChappellは曲を書いて、録音します。このシングルが彼女の出世作”Lucky Number”だった訳で、英国シングルチャートでトップ3になります。そうして、Robinsonの誘いを受けて、1978年のBe Stiff Route 78 Tourに参加しています。そして、直ぐに、彼女なりのパンクとかニューウェーブとかの解釈が詰め込まれた、本作品でもあるファースト・アルバム”Stateless”を作り上げます。その後数年で、彼女は、2枚のアルバム”Flex”と”No-Nan’s-Land”及びEP “New Toy”を制作しており、後者は、ツアー・メンバーでもあったThomas Dolbyによる曲です。また彼女は、The Residentsの”Picnic Boy”にVoで参加していたりもします。Lovichは、ChappellとChris Judge Smithと共に曲を書き、1982年10-11月に、LondonのLyric Hammersmithで、”Mata Hari”と言うミュージカルを行いますが、この頃に、Stiff Recordsとは離れ、米国のEpicと契約しています。その時に、Lovichは、映画”Cha Cha”でサントラを一緒に作ったNina Hagenと一緒にシングル"Don't Kill the Animals”をリリースしています。そうして、家族が出来たことで、暫く休業していましたが、1989年に、アルバム”March”をPathfinder Recordsよりリリース。このアルバムでは、Chappellと共に、エレクトロ・デュオTanz Waffenも参加して制作されており、1991年には、彼女は、オペラ”The Fall of the House of Usher”にも曲提供をしていますが、ここで、一旦、Lovichの音楽活動は、理由は不明ですが、停止しています。次にLovichが姿を現すのは2005年で、Hawkwindのアルバム”Take Me To Your Leader”と彼女の新作アルバム”Shadows And Dust”となりますが、今回は、ここまでとします。なお、彼女は今も現役で活動しているようです。
 それで、ファースト・アルバム”Stateless”について紹介します。ここでは、Lene Lovich (Vo, Sax, Tuned-Perc)の他に、Les Chappell (G, EMS Synth, Synth, Perc, Vo), Ron Francois (B, Perc, Vo), Bobbi Irwin (Trap Drs, Perc, Vo), Nick Plytas (Organ, Piano), Jeff Smith (Synth, Solina), Roger Bechirian (Remix [A1-B3, B6])が参加して、A面5曲/B面6曲が収録されており、シングルカットされた”Lucky Number”や”Say When”もあります。それでは、各曲を紹介していきます。
★A1 “Home”は、シンセやオルガンが使われたニューウェーブな曲で、正直カッコ良いです。直線的なベースラインが特にカッコ良いし、LovichのVoもキュート!
★A2 “Sleeping Beauty”は、アコギも使われた「青春」な曲です。独特のしゃくり上げるLovichの唱法がよく活かされています。
★A3 “Lucky Number”は、ご存知のキャッチーでニューウェーブな曲ですね。やっぱりLovich独特のVoがキュート!
★A4 “Too Tender (To Touch)”は、リリカルなピアノに、切ないVoと言う悲しげなしっとりした良曲です。
★A5 “Say When”も、LovichのVoが存分に活かされた、アップテンポな曲で、マカロニ・ウエスタン調にアレンジされています。
★B1 “Writing On The Wall”は、一転、ジャジーな曲調で、Saxが悲しげです。語りも入っていますが、サビでは元気が出てきますね。
★B2 “Telepathy”も、ニューウェーブっぽい曲ですが、LovichのVoも元気一杯ですね。
★B3 “Momentary Breakdown”も、オルガンとシンセが程良いスパイスになった曲で、Lovichの個性と相性バッチリですね。
★B4 “I Think We're Alone Now”では、イントロのGにやられますが、オルガン等のバックの演奏とLovichのVoが上手く絡んでます。ちょい「青春」っぽい。
★B5 “One In A 1,000,000”でも、ウエスタン調のアレンジがカッコ良い曲で、こう言うアップテンポの曲にLovichのVoは映えますね。
★B6 “Tonight”も、イントロのシンセとその後に切々と歌うLovichとが良くマッチしている、ちょい悲しげな曲です。
 全体としては、Lovichの独特の唱法が良く映えるような曲作りやアレンジが為されており、彼女なりの「ニューウェーブ」を堪能出来ますね。また、ピアノやオルガンを中心としたアレンジも、1979年の当時を想起させます。いやー、今回聴き直してみて、LovichとChappellの曲の良さに改めて気が付きました❗️そんなお茶目なLovichのファースト・アルバムを一度は堪能してみて下さい‼️

A1 “Home”
A2 “Sleeping Beauty”
A3 “Lucky Number”
A4 “Too Tender (To Touch)”
A5 “Say When”
B1 “Writing On The Wall”
B2 “Telepathy”
B3 “Momentary Breakdown”
B4 “I Think We're Alone Now”
B5 “One In A 1,000,000”
B6 “Tonight”

A5 “Say When”
https://youtu.be/RqOg8fMMf8Q?si=65ubG9k-tUi18V-j

[full album (曲順が違います)]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhybTHzNx17YAzAEmkQUnms-4czGsZCJc&si=xNVGBlI-u2-_D6tC

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    4AD

    2023/11/24 - 編集済み

    私も好きでした。でも日本では騒がれませんでしたね。KATE BUSHやシーナイーストンは売れたのに残念

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      Dr K2

      2023/11/24

      そうですね、日本だとイマイチパッとしませんでしたね。Kate Bushはともかく、シーナ・イーストンとは比べられないですね。

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