Theater of Hate “Westworld”

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久々に引っ張り出してみました。Theater of Hate (以下HoTと表記)のファースト・スタジオ・アルバム”Westworld”です。発売当時は、何故か触手が動かず、後に中古レコード屋で見つけて買ったものの、そんなに聴いてはいませんでしたので、今回、ガッツリ聴いてみようと思いました。なお、ToHのバイオグラフィーについては、前回書きましたので、そちらをご参照下さい。ちょっとだけ復習しますと、1978年にKirk Brandonらによって結成されたThe Packと言うストリート・パンクバンドが、1980年に解散して出来たのが、ToHで、メンバーは、Brandon (Vo, G)に、Luke Rendle (Drs), Steve Guthrie (G), John Lennard (Sax)と、Warner Brothers Recordsと契約していたThe Strapsに在籍していたStan Stammers (B)を引き込んで結成されています。彼等はライブ中心に活動していたこともあって、1981年に、ライブ・アルバム”He Who Dares Wins (Live at the Warehouse Leeds)”を、自身のレーベルBurning Rome Recordsから出しますが、このアルバムのリリース直前にGuthrieが脱退し、4人組として活動を続けます。そうして、本作品でもある最初で最後のスタジオ・アルバム”Westworld”を、The ClashのMick Jonesのプロデュースで制作し、1982年に自身のレーベルからリリースしています。その時のメンバーは、Kirk Brandon (Vo, G), John ‘Boy’ Lennard (Sax, Clarinet), Stan Stammers (B), Luke Rendle (Drs)でした。その後、同年にToHは解散し、その後、Spear Of Destinyと言うバンドとして活動していきます。ただ、1992年には、ToHとしてツアーを行ったり、2000年代には、ほぼオリジナル・メンバーでリユニオンしています。何にせよ、BrandonとStammersがオリジナル・コア・メンバーとして、リユニオンとかには関わっています。
 以上がToHの略歴ですが、リユニオン前では、本作品が唯一のスタジオ・アルバムと言うことです。1993年にスタジオアルバム”Ten Years After”を録音していますが、リリースはしていませんし、1996年にリリースした作品”Retribution”が実質的にセカンド・スタジオ・アルバムとなります。多分、彼等は自身等をライブバンドと考えていたので、スタジオ・アルバムを余り作製せずにライブアルバムをバンバン出していたのだと推測します。内容的には、両面共5曲ずつ収録されています。それでは各曲について、ご紹介していきましょう。

★A1 “Do You Believe In The West World” (5:18)は、土俗的なリズム隊に、Brandonの切実なVoとGのカッティングから成る曲で、間奏のSaxはカッコ良い。Drsは重ねているみたいです。最後のギミックも最高!
★A2 “Judgement Hymn” (5:27)は、哀愁のSaxとシンバルから、タムを多用したDrsに、伸び伸びと歌い上げるVoと出しゃばらないGが良くマッチしており、途中で雰囲気が変わりますが、曲構成は良く練られています。
★A3 “63” (2:51)では、切迫感ある出だしから、BそしてDrsとGが押し寄せ、サビでのSaxも良い味を出しています。
★A4 “Love Is A Ghost” (3:35)は、ワウを効かしたGとブルージーなSaxをリズム隊が支え、Voも伸び伸びと歌っています。時にピアノの音も聴こえてきます。
★A5 “The Wake” (4:19)は、怪しげなBのリフから始まり、DrsとG、更にSaxも入ってきて、伸びやかなVoも加わり、サビで大盛り上がりします。この曲ではBが効いてますね。
★B1 “Conquistador” (3:04)では、珍しくコーラスワークをバックにVoが歌い上げ、Drsもマーチングを多用し、Saxもキモですが、曲もアレンジも素晴らしい!
★B2 “The New Trail Of Tears” (2:50)は、コーラスワークとカスタネットに、ナレーション調の女性Voが淡々と入ってくる曲で、ちょっとした実験かな?
★B3 “Freaks” (3:48)は、シンセのようなGのメロディと力強いリズム隊とVoから成る曲で、間奏のSaxは何かのパロディかな?コーラスも抜群!
★B4 “Anniversary” (5:25)では、スローなリズムに簡素なBと叙情味たっぷりのSaxとシンプルなGを中心に進んでいきますが、Voは女性(誰かな?)ですね。BとSaxで盛り上げていきます。
★B5 “The Klan” (6:52)は、テープ操作で始まり、ピアノとリズム隊が続き、そこにBrandonのVoが入り込み、やがてPercと女性Voのパートへ。更にBlandonのVoやSaxも混じってきます。やがてBlandonを中心に大盛り上がりに。

 私のToHって、もっとパンクな音で、Voも投げやりな感じだったんですが、何度聴いても、そんなことはなくで、音は完全にポストパンクだし、Voも語尾を伸ばすように歌い上げるタイプだし、ただそこら辺の齟齬は単に私の先入観なので、致し方ないです。それから、本作品は、The ClashのMick Jonesのプロデュースもあると思うのですが、いつものライブ・アルバムと違って、曲のアレンジやギミックが多用されていて、結構、楽しめますね。それに曲自体も良いですし。後はBlandonのVoが好きかどうかと言うところでしよう。でも私は好きですよ!

[BBC session 1981]
https://youtu.be/xBkQINz6GGk?si=FLDTSn-lqH9O7q0_

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLEkZkhUVFYUJIC64f7vOdXf12LxTWQuro&si=dm4Ror_sL9_lgVqI

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