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The World “First World Record”
The Worldと言っても、グラインドコアのVVorld (最近、New Worldと改名したらしい)とは違いますよ。The Worldは、米国CAのOaklandのポスト・パンク・バンドのことです。私も、全然、知らずに購入しましたので、調べようと思ったのですが、中々、良いソースが無くて、正体は不明でした。最初の作品が2016年に出ていますので、恐らくその前に結成されたのだろうと思います。メンバーは、Andy Jordan (G, Whistle, Harmonica), Alexa Pantalone (Sax, Bongos), Stanley Martinez (Sax, Wood Block), Amber Sermeno (B, Vo), Elyse Schrock (Drs, Vo)の5人組で、今回は、ゲストにBrett Eastman (Perc)も参加しています。その後、2018年にセカンド・アルバム”Reddish”を出して、2020年1月に解散しています。Pantaloneは、2008年にソロ作品を出していますし、SermeñoとJordanはThe World以前にはNaked Roommateにも参加しているようで、特に、Jordanは1999年にはThe Cutsのメンバーとして作品も出しています。Schrockは、The Worldの前には、2015年にFleeceに参加しています。Sermenoは、2017年まではRaysに参加しています。The Worldについては、これ位しか分かりませんでした(すまん!)。と言う訳で、本作品についてご紹介しましょう。メンバー及びゲストは前述の通りで、内容は両面とも6曲ずつ収録されています。では、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Hot Shopper” (1:58)は、ちょっとコミカルでちょっとシリアスな焦燥感溢れるポストパンクな曲ですが、Saxがポイントかな? ★A2 “Itch” (1:57)も、バタバタしたリズム隊に変なリフのGとSaxのアンサンブルで、Voもちょっとヌケたような惚けた感じの曲です。タイトルが「痒み」って? ★A3 “Some Like It Hot” (4:00)は、割と正統派のSax入りのポストパンクな曲で、先ず思い浮かべるのは、X-Ray Spex辺りの曲調なんですが、女性Voには、精気とか覇気が無いですね。 ★A4 “Loser” (2:04)も、ちょいとLo-Fiな録音で、この曲では、Voは頑張ってます。SaxとGも良い塩梅です。 ★A5 “Chet Baker” (0:56)は、ツービートなアップテンポで走るパンキッシュな短い曲で、疾走感が心地よい。 ★A6 “Ghost Town” (2:41)は、ドタバタしたリズム隊に、GのリフとSaxのメロディが上手くハマっています。Voの覇気の無さは無関心さの裏返しなのかな? ★B1 “Namaste” (2:09)では、ズンドコビートに、SaxとGのカッティングが少しコミカルに支えて、それにやややる気のないVoで歌っています。 ★B2 “La La Coach” (2:22)では、Saxに導かれて、直線的ビートを叩き出すリズム隊と不可思議なGとVoが一味違います。 ★B3 “Cool” (1:40)も、アップテンポな曲で、全体のアンサンブルはバッチリです。でも、何となく、ちょっとコミカルな所がアメリカンですね。 ★B4 “New Pearls” (1:47)も、ややアップテンポですが、アレンジが特異です。ひょっとしてわざとそうしてる? 間奏のSaxはフリーキーで、カッコ良い! ★B5 “Gary Panter” (1:08)もツービートで疾走する曲ですが、間奏のBがゴリゴリしていてカッコ良いです。 ★B6 “I Fell In Love With A Slumlord” (2:42)も、ズンドコ・ビートの曲で、ユーモアな要素も聴取出来きます。 総じて、このThe Worldは、X-Ray Spex系譜のポストパンクな曲を奏でていますが、録音自体がややLo-Fiっぽくて、また何処となくコミカルな要素も持ち合わせていて、そこら辺が、英国X-Ray Spexの辛辣さと違って、アメリカンなんだなあと思います。しかも、The Worldは西海岸だし、、、。そこら辺のさじ加減が持ち味或いは滲み出る個性だと思います。Lo-Fiさはガレージからの影響もあるのかな?と。そう考えると、解散してしまったのは、ちょっと残念ですね。もう少し、このバンドでの作品を聴いてみたかったです。皆さんもそうでしょ? B1 “Namaste” (2:09) https://youtu.be/w0puQOnBiTw?si=EgrJBcjROw7jAruo [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ls7ZmKp6wJg5WoY1_8YlBD9rBp_OD7qBs&si=a32Nzvh3d4H3S2N3 #TheWorld #FirstWorldRecord #Upset!TheRhythm #FirstAlbum #2010年代 #ClearVinyl #USUnderground #PostPunk #Garage #Sax #FemaleVocal #AndyJordan #AlexaPantalone #StanleyMartinez #AmberSermeno #ElyseSchrock #Guest #BrettEastman
Post Punk Upset! The Rhythm 580円Dr K2
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Silverbacks “FAD”
これは謎物件!購入した覚えがないのに、某ディ◎クユニ◎ンから届きました。同一梱包されていたものには覚えもあるので、多分、頼んだんでしよう。と言う訳で、アイルランドの5人組Silverbacksのファースト・アルバム”FAD”を選びました。それで、このSilverbacksについて調べてみましたが、余り有力な情報がありませんでした。Silverbacksは、DanielとKilianのO’Kelly兄弟を中心に結成されたアイルランドさDublinの5人組ロック・バンドで、2018年6月15日に自身のレーベルPK Miami Recordsからシングル”Dunkirk”でデビューしています。彼等の音楽は、1970年代後半のパンクとTom VerlaineらのNYC No Waveの影響下にあり、複雑な3本のギターのハーモニーが最大の特徴のインディーバンドであるとのこと。今回、プロデュースはGilla Band (a.k.a. Girl Band)のDaniel Foxがやっており、凝ったスタジオワークよりもライブ感を出した仕上がりになっています。とまあ、調べましたが、O’Kelly兄弟2人以外のメンバーや担当楽器についてはどこにも明記されていませんでした(すまん!)。 それでは、今回のアルバム”FAD”について紹介していきましょう。A面6曲/B面7曲が収録されていますので、各曲を紹介したいきます。 ★A1 “Dunkirk”は、タイトなDrsに、ダルなVoで始まり、少しだけSonic Youthを思わせる所もありますが、特にトリプルGの絡みが面白いです。 ★A2 “Pink Tide”も、タイトなビートの上に乗る3本のGと若々しいVoも、時に激しくなったりと興味深いです。確かにTelevision的かもしれませんね。 ★A3 “Drink It Down”は、簡素なコードの曲かもしれませんが、アレンジや曲の構成が絶妙過ぎますね。Voも活き活きしていてカッコ良いです。 ★A4 “Fad 95”も、ウィスパーなVoとクリアトーンのGの絡みが簡素なビートの上に乗っていて、ちょっと異色な曲です。また、コーラスワークも冴えています。 ★A5 “Dud”は、ループなような音からなる小曲です。 ★A6 “Klub Silberrucken”は、初っ端、女性Voが始まり、1990年代の軽めのラウンジ風ロックだなあと思ったら、男性Voと激しいパートも始まり、起伏に富んでいる曲でした。 ★B1 “Travel Lodge Punk”は、不安を掻き立てるようなフィードバック音から成る小曲です。 ★B2 “Just In The Band” は、突如始まるノリノリなビートが効いた曲で、1990年代のUSオルタナっぽい感じもします。 ★B3 “Grinning At The Lid”は、丁度良い塩梅なオルタナっぽい曲で、コーラスとGでのサビの盛り上がりがグッときます。曲の構成も良く練ってあります。 ★B4 “Muted Gold”は、男性Voと女性コーラスで、軽快に駆ける曲ですが、サビでは中々凝った構成にしてあり、時に聴こえるエレピも効果的! ★B5 “Up The Nurses”は、イントロ無しで、女性Voから始まり、アレンジ力も構成も展開も素晴らしいです。 ★B6 “Madra Uisce”は、まるでTelevisionのようなGのアンサンブルがガラス細工のように美しいインスト曲です。 ★B7 “Last Orders”は、やや重めのビートで押していく曲で、Voも元気一杯ですし、Gも良く絡んでいますが、最後はいきなり、しっとりと締めます。 確かに、TelevisionやSonic Youth的な要素もここかしこに感じますが、曲自体の構成もアレンジも凝っていて、それを何無く弾きこなしている技量も凄いです。多分、トリプルGの絡み方なんかが大きな魅力となり得るオルタナなロックなのだと思います。このような音楽が2010年代のアイルランドから飛び出てきたのも驚きですね。なので、ロックの進化形なのかな?と期待大ですね。Let’s Listen❗️ A4 “Fad 95” https://youtu.be/4BvZ7_s8E2g?si=sFtc-XTCuX9lyhv6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n6dvxrHQyd5T4O-4Kiktaf02Y2Wi5w-bc&si=-xhxonyV5epWCu3I [BandcampのURLも貼っておきます] https://silverbacks.bandcamp.com/album/fad #Sliverbacks #FAD #CentralTones #FirstAlbum #Ireland #PostPunk #IndieRock #DanielO’Kelly #KilianO’Kelly #FemaleMember #FivePiecesBand
Post Punk Central Tones 2200円Dr K2
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The Fall “I Am Kurious Oranj”
今回は、The Fallの11枚目のスタジオ・アルバム”I Am Kurious Oranj”を紹介します。因みに、Discogsとか見ると、シングルやアルバムなんかを全部合わせると250枚位出しており、この作品は、中期から後期に掛けての作品と思います。メンバーは、Mark E. Smith (Lead-Vo), Craig Scanlon (A-G, Rhythm-G), Steve Hanley (B), Simon Wolstencroft (Drs), Marcia Schofield (Kbd), Brix Smith (Lead-G, Vo)で、ほぼほぼ鉄壁の布陣ですね。Steve Hanleyが居ることは、音楽的にかなり大きいですね! ここら辺に来ると、The Fallらしい「タイトなリズム」と「反復」のスタイルが確立しています。一方で、A2 “Overture From 'I Am Curious Orange'”でのアコギの使用なんかは新鮮ですね。A3 “Dog Is Life / Jerusalem”の前半の”Dog Is Life”はMark E. Smithのスポークン・ワードをラジカセ録りしたもので、ちょっとだけ実験的です。B1 “Win Fall C.D. 2080”のコーラスの使い方も面白いです。B4 “Bad News Girl”は前半のバラード調のスローな部分からのアップテンポへの変換がカッコ良いです。そらで、どうもこのアルバムは、英国の有名バレエ団Michael Clark & Companyの作品”I Am Curious Orange”の劇伴として作製されたらしく、ジャケの内側にそのバレエ団の写真が掲載されています。実際には、2000年に開催されたエジンバラのバレエ・パフォーマンス・フェスで、”I Am as Pure as Oranj”と言う演目で、ライブ形態でコラボ上演されています。殆どの曲は、Steve HanleyとBrix Smithによって書かれています。因みに、本作品のタイトルは、スウェーデンの映画監督Vilgot Sjömanの作品”I Am Curious Orange”を文字ったとのこと。The Fall (或いはMark E. Smith)のカリスマ性を感じさせる作品であり、英国での不動の立ち位置を思い知らされる逸話だと思います。ただ、この頃、Mark E. Smithは酒とドラッグに溺れており、妻でもあるBrix Smithとの破局へと向かって行った時期でもあったそうです。本作品からは、"Jerusalem/Big New Prinz"と"Cab It Up"がシングル・カットされています。Mark E. Smithの破滅的生き様とバレエ音楽と言う特異な要素が絡み合ったアルバムですが、個人的には、傑作の一つだと確信していますので、是非とも聴いてみて下さい‼️スタジオ・アルバムで、ちゃんとしたエンジニアも付いての録音ですので、初期のようなペナペナな音ではないので、ご安心を❗️ A1 “New Big Prinz” A2 “Overture From 'I Am Curious Orange'” A3 “Dog Is Life / Jerusalem” A4 “Kurious Oranj” A5 “Wrong Place, Wright Time” B1 “Win Fall C.D. 2080” B2 “Yes, O Yes” B3 “Van Plague?” B4 “Bad News Girl” B5 “Cab It Up!” A3 “Dog Is Life / Jerusalem” https://youtu.be/56op4fd7ezY [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mOOwpnawcgmkwtqXLlsS6SfngTg_BgY4Q&si=DCD8rzMEBgiRduf1 #TheFall #IAmKuriousOranj #BeggarsBanquet #StudioAlbum #PostPunk #IndieRock #MusicForBallet #MichaelClark&Company #MarkESmith #CraigScanlon #SteveHanley #SimonWolstencroft #MarciaSchofield #BrixSmith
Post Punk Beggars Banquet 2650円Dr K2
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The Fall & Mark E. Smith “Best Of”
今回も、The Fallのベスト盤の一つ”Best Of”を紹介します。The Fall自体、セルフ・コンピやベスト盤を山のように出していますが、本作品は、元々は、2002年9月22日に英国BlackburnのKing George's Hallでのライブ音源で、2014年にCreative DistortionからCDでリリースされていた作品のVinylでの再発盤となります。しかも、A1 “Telephone Thing”, A3 “Free Range”, B2 “The Chiselers”, B3 “Big New Prinz”の4曲はヴァイナルとしては、初めて発表された曲となっています。その他の曲は、Secret Records Limitedからアルバム”Yarbles”としてリリースされています。The Fallのバイオグラフィーは以前に紹介していますが、この時期のThe Fallは、Mark E. Smith (Vo), James Watts (B), Dave Milner (Drs), Ben Pritchard (G), Eleni Poulou (Kbd), Ruth Daniel (Kbd), Al Goldson (Back-Vo), Ed Blaney (Back-Vo), Steve Murphy (Back-Vo)と言うメンバーになっています。 それでは、各曲について簡単に紹介していきます。 A1 “Telephone Thing”は珍しく、ワウを掛けたギターのカッティングで、ファンキーな曲になっています(全英58位)。A2 “ Hey! Luciani”はThe Fallらしい反復するベースラインが聴取できます(全英59位)。ただ、ベースの音がショボいのがちょっと残念。A3 “Free Range”は、ノリの良い疾走感のある爽快な曲(全英40位)。キーボードが良い味を出しています。A4 “Behind The Counter”は、めっちゃカッコ良いベースラインとギリギリしたギターが絡むThe Fallらしい曲(全英75位)。始めと途中のブレイクが更にカッコ良いです。A5 “Mr Pharmacist”もモロThe Fall風ロックンロールな曲で、途中のテンポ・チェンジもイカしています(全英75位)。 B1 “There's A Ghost In My House”はThe Fall節をたっぷりと堪能出来る良曲(全英30位)。また途中のブレイクがカッコ良いんだわぁ。B2 “The Chiselers”は、ここに来て、ゴリゴリのベースが聴けて堪らんし、またギターのアレンジも良い(全英60位)。反復するパターンもイカしたインスト曲です。B3 “Big New Prinz”は、自身の初期の名曲”Hip Priest”に対するThe Fallなりのアンサーソング(全英59位)。またタイトな反復から成るThe Fallらしい曲。B4 “Victoria”もThe Fallらしい名曲で、出だしのベースとキーボードの絡みが秀逸(全英35位)。B5 “White Lightnin'”は、またまた疾走感で突っ張るノリの良いThe Fall流ロックンロール(全英56位)。B6 “Hit The North”は最後に来て、再びThe Fall節全開のカッコ良い名曲です(全英57位)。 こんな風に、The FallとMark E. Smithの名曲をたんまり楽しめますし、ライブ録音と言っても、音質的にはそんなに悪くないので、The Fall初心者の方にもお勧めのライブ盤です‼️ 裏ジャケには何故か、チャートの順位が各曲に記載されていますので、ここでも載せましたが、はっきり言ってどれも名曲揃いですよ❗️ A1 “Telephone Thing” A2 “Hey! Luciani” A3 “Free Range” A4 “Behind The Counter” A5 “Mr Pharmacist” B1 “There's A Ghost In My House” B2 “The Chiselers” B3 “Big New Prinz” B4 “Victoria” B5 “White Lightnin'” B6 “Hit The North” A5 “Mr Pharmacist” https://youtu.be/Cl34oJEoO7s?si=_R7bxR6Ui_FPB-yJ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lj2RASLdkEDiodG4CXxpwWeM1YTpszysc&si=0Ye5P_2wdYgpmWPI #TheFall #MarkESmith #BestOf #SecretRecords #SelfCompilationAlbum #PostPunk #IndieRock #LiveTracks #TheYarbles #Reissue #Vinyl #CreativeDistortion #JamesWatts #DaveMilner #BenPritchard #EleniPoulou #RuthDaniel #AlGoldson #EdBlaney #SteveMurphy
Post Punk Secret Records 不明Dr K2
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V.A. “Rough Trade Shops: Post Punk 01” ist
Rough Tradeと聞いて、ナツいと思う方は多分45歳代より上かと思います(苦笑)。そんな熱い1980年前後に思いを馳せたような、懐かしい音源をジャンル別に紹介していくのが、Mute Recordsの”Rough Trade Shops”シリーズです。その中で、この”Post Punk 01”は、元々、2枚組CDとしてリリースされていますが、本アルバムはその2枚組CDのサンプラー的立ち位置にある訳です。なので、収録されているのは厳選された4組で、Gang Of Four, The Futureheads, World Domination Enterprises (以下WDEと表記), Bush Tetrasです。Gang Of FourやBush Tetrasは既に紹介していますので、The FutureheadsとWDEについて少し紹介しておきます。 それで、The Futureheadsですが、2000年に英国Sunderlandで結成されたポスト・パンク・バンドで、メンバーは、Ross Millard (Vo, G), David "Jaff" Craig (Vo, B), Barry Hyde (Vo, G), Dave Hyde (Drs)で後者の2人は兄弟です。彼等は、2002年にEP”Nul Book Standard”を、2003年にEP”1-2-3-Nul!”をその後にファースト・シングル"First Day"をリリースしています。そして、2004年9月にセルフ・タイトルのファースト・アルバムを679 Recordingsからリリースしていますが、その内、5曲をGang Of FourのAndy Gillがプロデュースしています。彼等は順調に活動していましたが、2013年に活動中止。その後、2019年に再結成して、現在も活動しています。 次に、WDEですが、1980年代後期に、ロンドンのLadbrokeで結成されたノイズ・ロック・トリオで、メンバーはDigger Metters (Drs), Keith Dobson (G), Steve Jameson (B ?)ですが、Donsonは、元々、Kif Kif Le Batteurと言う偽名を名乗って、スペース・サイケ・バンドHere & Nowでドラマーとして活動をしていましたし、Jamesonも、1976年には、Charmdale Recordsで音楽ビジネスに関わっており、後にRough Tradeの店員になり、更にはAlternative TVやThe Fallのライブ要員にもなっていましたが、2019初頭に他界しています。 それでは各曲の紹介をしていきたいと思います。 A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare”は、彼等のファースト・アルバム”Entertainment!”のB1にも収録されている名曲で、Andy Gillのギターのカッティングがシャープかつソリッドで、ダンサブルな曲です。因みにメンバーは、Jon King (Vo), Andy Gill (G), Dave Allen (B), Hugo Burnham (Drs)で、ファンクとパンクとダブが融合した音楽をやっていました。 A2 The Futureheads “Robot”は、彼等のセルフ・タイトルのファースト・アルバム及び彼等のファーストEPにも収録されている曲で、ドラムに焦点を当てているところは今風ですが、コーラスワークがイカした曲です。Kraftwerkの”Robots”とは全然違いますね。 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps”は、彼等のファースト・シングルの曲で、元The Contortionsのスライド・ギターだったPat Placeを中心に出来たバンドで、この中では唯一の米国のバンドです。ファンキーて歪なダンス・ミュージックで、この曲も代表曲です。メンバーは、Cynthia Sley (Vo), Pat Place (G), Laura Kennedy (B), Dee Pop (Drs)です。 B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos”は、地を這うようなベースと重いドラムに、かなりフリーキーなギターが暴れると言うドゥームな曲で、この中ではやや異質です。ヴォーカルも韻を踏んでいるようで、グーです。 まあ、CD2枚分の中から、たった4曲を選ぶと言うのは無理クリだとは思いますが、中々の選曲だったのではないでしょうか?まあ、CDを聴いた方が良いと言えば良いのですが、、、。入門編としては、この作品も良いと思われますので、未体験の方は是非、体験してみて下さい❗️ A1 Gang Of Four “I Found That Essence Rare” https://youtu.be/vTcVkpa2Z0c A2 The Futureheads “Robot” https://youtu.be/OV70MTvvXc4 B1 Bush Tetras “Too Many Creeps” https://youtu.be/PERvoP9YuM4?si=AuD0Ef6V-UoVxz9u B2 World Domination Enterprises “Asbestos Lead Asbestos” https://youtu.be/OlhiSIArIkU?si=1zt4m_UQZoyZIvQJ #VariousArtists #RoughTradeShops:PostPunk01 #MuteRecords #PostPunk #GangOfFour #TheFutureheads #BushTetras #WorldDominationEnterprises
Post Punk Mute Records 2000円Dr K2
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The Fall “Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”
またまた出ました、The Fallの5枚目のアルバム”Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”を紹介します。落書きのようなジャケですが、如何にもThe Fallらしいと言えばらしいですよね。The Fallのバイオグラフィーについては、ここら辺までは書いてあると思いますので、以前の紹介をご参照下さい。この作品も何度も再発されているようですが、私の購入したSuperior Viaductの版が、一番新しい再発盤ということになります。初期のThe Fallはライブ録音をそのままレコードにすると言う荒技に繰り出していましたので、ご多分に漏れず、本作品もライブ録音或いはスタジオでのカセット録音で、音質もブートレッグ並にペナペナですが、そんなことすらも、The Fallらしいです。しっかりと初期の名曲A2 ”Rowche Rumble”も収められています。なお、この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G), Mike Leigh (Drs), Steve Hanley (B)と言う初期最強の布陣です。The Fallの一つの特徴として、A2 “Rowche Rumble”やA3 “Muzorewi's Daughter”のように、テンポ・チェンジが目立つ曲が多いとも言えるでしょう。なので、それで良くメンバーが合わせて演奏しているなぁと感心してしまいます。また、B1 “Spectre Vs. RectorでのマシンガンのようなSmithのヴォーカルも堪能できますし、B4 “New Puritan”の下手くそなギターとSmithの音程の無いヴォーカルの掛け合い(?)も聴けますよ(DD. Recordsの月本正くんようです)❗️まだ、この頃はガチャガチャした曲が多くて、B5 “No Xmas For J. Quay”やA5 “Choc-Stock”にその萌芽を嗅ぎ取ることが出来ますが、中期のようなタイトな「反復」は余り聴くことができません。それでも、The Fallにしか出来ない超B級のポスト・パンクを聴くことが出来ます。折角、再発されたのですから、この機会にThe Fallのイカした「駄目さ加減」を堪能してみては如何しようか‼️ハマるかもよー! A1 “Intro / Fiery Jack” A2 “Rowche Rumble” A3 “Muzorewi's Daughter” A4 “In My Area” A5 “Choc-Stock” B1 “Spectre Vs. Rector” B2 “Cary Grant's Wedding” B3 “That Man” B4 “New Puritan” B5 “No Xmas For J. Quay” B5 “No Xmas For John Quay” https://youtu.be/cRpbj-MPjSU?si=HGYHGPy7IG14WdmR [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kdXvuOkI-Unc9mEG53p98p-yxhjmLSj0w&si=9RVBusNyVI1nmkx9 #TheFall #Totale’sTurns(It’sNowOrNever) #SuperiorViaduct #RoughTrade #Reissue #PostPunk #LiveRecordings #Lo-Fi #CraigScanlon #MarcRiley #MarkE.Smith #MikeLeigh #SteveHanley #TempoChange
Post Punk Superior Viaduct (Rough Trade) 2800円Dr K2
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Wire “Nocturnal Koreans”
またまた、登場はWireです!今回は、前回紹介しましたセルフ・タイトルのアルバムの翌年(2016年)にリリースされましたミニ・アルバム”Nocturnal Koreans”で、両面とも4曲ずつ収録されています。一応、メンバーだけは書いておきます。Colin Newman (G, Kbd, Vo [A1-B3], Mix), Graham Lewis (B [A1-A3, B1-B4]), Robert Grey (Drs [A1-A3, B1-B4]), Matthew Simms (G)の4人です。バイオグラフィーについては以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Nocturnal Koreans”は、いきなりのアップテンポの曲で、LewisのBとGreyのDrsが効いています。NewmanのVoはソフィストケートされており、聴き易いです。 A2 “Internal Exile”はミドルテンポの曲で、跳ねるようなリズムが特徴的で、間奏のシンセやアコギっぽい音も効果的です。 A3 “Dead Weight”では、NewmanのVoは囁くような繊細な印象です。曲のコード進行は特異なのですが、アレンジはシンプルそのものなので、Voがよく映えますね。 A4 “Forward Position”は、ドラムレスな曲で、バックに曖昧糢糊とした抽象的な音と僅かにアコギの弾き語りが聴こえますが、その分、Voはしっとりと歌っています。間奏では弦楽四重奏らしき音も聴こえます。 ではB面にいきます。 B1 “Numbered”は、やや激しい曲で、NewmanのVoも荒ぶっているようですし、GreyのDrsも前面に出ていますが、後半からは重目の突進力も聴けます。 B2 “Still”でもリズム隊がヘビーですね。曲もシンプルで、途中のプレイクとその後のSimmsのGはカッコ良いです。 B3 “Pilgrim Trade”はややスローな曲ですが、重くはないです。その分、リズム隊とリズムGの演奏が冴えていますし、Voの「通り」も良いです。 B4 “Fishes Bones”は、SimmsのGから始まりますが、語りのようなVo(Lewis?)とシンプルなDrsがイカしてます。 総じて、この時期のWireはシンプルな音楽を常に追求しており、それが得も言われぬ心地良さを醸し出しているようです。個人的には、Wireの音楽って、最初から一種の「ミニマル・ミュージック」ではなかったのかと言う風に考えると、彼等が、ここに来てシンプルな構成の曲を演奏しているのが、何となく腑に落ちます。尖ったエッジは無いのですが、その分、沁みてきますね❗️そんなWireの「真夜中の韓国人」、聴いてみてはどうでしょうか?ハマるかもよー❗️ A1 “Nocturnal Koreans” (live version) https://youtu.be/ZH59SWxlUD0?si=ZusFuKKSU9JtDm2z [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ko-6kFJIep-aZNUUl9kC4F2GzD-lukkTw&si=n_5oYnmjJ37Kvfzt #Wire #NocturnalKoreans #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2016作 #Mini-Album #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms
Post Punk Pinkflag 3500円Dr K2
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Wire “s/t”
またまた、来ました!今回は、Wireのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。普通、セルフ・タイトルって、ファースト・アルバムなんかに付けることが多いのですが、そうしないで、何十枚も出してから、セルフ・タイトルを付けるのって、如何にもWireらしいと思いませんか? ここら辺までのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらの方をご参照下さい。まあ、メンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd; A-G [A1, A2, B2], Baritone-G [A1, B1, B2, B5], Mandola [A6]), Graham Lewis (B, Back-Vo [A1, A4, B3, B4], high-B [A3], B-Fx [A6], Kbd [B2]), Robert Grey (Drs, Water Tank [A6]), Matthew Simms (G, 12弦E-G [A2, A3, B3], Kbd [A1, A2, A4, A6], Modular Synth [A4, A5, A6, B2, B3, B4], Lap Steel G [A3, A6], Loops [B2], Fx [B5])とまあ、鉄壁の4人なのですが、メンバーそれぞれ(特に新入りSimmsは、G以外にも、色んな楽器担当)が様々な楽器を担当して、アルバム作製に関わっています。それでは、各曲についてご紹介していきます。 A1 “Blogging”は、アコギやバリトンギターの小君良いカッティングとNewmanの優しいVoがマッチした名曲で、Simmsのシンセも効果的です。 A2 “Shifting”もLewisのBとGreyのシンプルなDrsに支えられて、NewmanのソフトなVoがよく映えています。間奏のGがWireらしい。 A3 “Burning Bridges”も確固たるリズム隊とVoの対比が物凄く良い感じにミックスされ、Gもシンプルで邪魔になっておらず、SimmsのスチールGも良い隠し味。 A4 “In Manchester”は非の打ち所がないシンプルな音楽で、間奏のKbdがより引き立てています。 A5 “High”も同様にソフトなVoと完璧なアンサンブルで、聴いていると、雲の上で横になっているようです。 A6 “Sleep-Walking”は、3rdアルバム”145”を想起させる重いキック(実は貯水タンク?)と切羽詰まったようなアレンジが秀逸です。 それではB面にいきます。 B1 “Joust & Jostle”はアップテンポの曲で、これまたカッコ良いです。多分、曲がシンプルだからでしょう。 B2 “Swallow”は、アコギの刻みで始まり、最初はBでリズムを取っていますが、Drsが入ってきて、より活き活きした曲になります。勿論、Voはソフトタッチです。最後にシーケンス(ループ?)だけが残ります。 B3 “Split Your Ends”は、またアップテンポの曲で、コード進行も含めて、本当にこの手の曲はカッコ良いし、多分、シンプルなリズム隊によると思います。 B4 “Octopus”もアップテンポで、これもカッコ良いです。サビのコード進行とアレンジが独特で、Wireらしい。 B5 “Harpooned”は一転して、スローテンポな曲ですが、雰囲気としての「重さ」は無く、寧ろ奥行きを感じさせる曲で、Voにも悲壮感等は漂ってはいないです。この曲も名盤”154”を彷彿とさせます。本作品には珍しく歪んだGの音が新鮮です。最後、ループて終わるのも渋いですね。 総じて、思ったのは、全体的にシンプルな構造やコード進行で進む曲が多く、またNewmanのVoも極めて冷静かつソフィストケートされた声で歌っている為か、「普通」過ぎて、「普通」じゃない音楽になっていると感じました。それとGreyのシンプル極まりない禁欲的なドラミングも特筆すべきでしょう。なので、この時期のWireの音楽は形容し難いです。と言うことは、彼等は既にジャンルとかの枠を易々と飛び越えてしまったようです。私は、そんな奇跡的音楽を奏でているWireに一生付いていきます‼️ 本当に「ロックじゃなければ何でも良い」音楽となっていますので、マスト・アイテムです❗️ https://youtu.be/aIuh5ySdyKM?si=t9Lildqp_zNnR_eS #Wire #SelfTitle #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2015作 #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #Multi-Instrumentalists
Post Punk Pinkflag 2773円Dr K2
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The Fall “This Nation's Saving Grace”
やっとさ、買えました。そう!The Fallの8枚目のスタジオ・アルバム”This Nation's Saving Grace”です!The Fallのアルバム、今、結構高いんですよ。なので、購入出来たのは、リマスタリングされた再発盤です。The Fallのバイオグラフィーは初期については既に書いてありますが、前回の続きを補足したおきます。1982年3月8日に、名盤”Hex Enduction Hour”をKamera Recordsより出し、その後、同年4月19日には7枚目のシングル”Look, Know”も出しています。そして、同年9月27日には、アルバム”Room To Live”もKamera Recordsよりリリースしていますが、その年末に、Ozツアーでの殴り合いを起こしてしまったことで、Marc Rileyが解雇されています。1983年に、Rough Tradeは、The Fallの9枚目のシングル"The Man Whose Head Expanded"を、同年9月には10枚目のシングル"Kicker Conspiracy"をリリースしています。一方、Kamera Recordsは、1982年にリリース予定だったシングル"Marquis Cha Cha"をレーベル側の資金問題で、1982年末にリリースは差し戻しにしてしまいます。1982年にSmithの米国人ガールフレンド(後に結婚する)Brix SmithことLaura Elise Salengerをギタリストとして加入させます。これによって、バンド・サウンドはよりポップで、オーソドックスな方向へと向き、Brixの影響で見かけも洗練されていきます。そして、同年12月5日に、Rough Trade最後のアルバム”Perverted by Language”をリリースしますが、この作品はBrixが加入した最初のアルバムになります。また、同時に、ライブアルバム”In A Hole”をFlying Nun Recordsからもリリースしています。この頃はBrixの加入によって、The Fallの人気は高まり、R. Dean Taylorの"There's a Ghost in My House" (1987年)やThe Kinksの"Victoria" (1988年) のカバーや自分達の曲"Hey! Luciani" (1986年)や"Hit the North" (1987年)などのシングル、そして、1984年のアルバム”The Wonderful and Frightening World of The Fall”や1985年のアルバム”This Nation's Saving Grace”(本作品です)、1988年のアルバム”Bend Sinister”或いは1988年のアルバム”The Frenz Experiment”を順調にリリースしており、ファンにも評論家にも高評価を受けています。またアルバム”I Am Kurious Oranj”はSmithとダンサーのMichael Clarkによるバレエ曲でもあり、これも好評でした。この頃(1985年頃?)に、Simon RogersがKbdで加入していますが、後に、Marcia Schofieldに代わっています。Paul Hanley (Drs)はThe Fallのワールドツアーでは脱退していましたが、アルバム”This Nation’s Saving Grace”リリース後に、Karl Burnsの代わりにSimon Wolstencroft (Drs)が加入しており、バンドはダブル・ドラムではなくなり、ソロドラム体制になっています。Wolstencroftのドラムは、Burnsに比べて、呑み込みが早くかつファンキーでした。そして、2014年になって、やっとドラムがWolstencroftのアルバム”You Can Drum But You Can't Hide”がリリースされています。今回はここら辺までにしたおきます。 それで、本作品についてご紹介していきますが、先ずはこのアルバムの時のメンバーを紹介しております。この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo, Vln, G), Stephen Hanley (B), Karl Burns (Drs), Simon Rogers (Kbd, A-G, B), Brix Smith (Lead-G, Vo), Craig Scanlon (Rhythm-G)の6人組です。多分、ここら辺りのThe Fallが好きな方は多いと思いますが、本作品での目玉は、B4 “I Am Damo Suzuki”ではないでしょうか?彼等のルーツがいわゆるクラウトロック、特にCanにあることを示す証左なのかな?それでは、各曲をそれぞれ紹介していきます、 A1 “Mansion”は、怪しさ満点のRogerのKbdが冴えてるダークなインストの小曲です。 A2 “Bombast”はノリの良い曲で、HanleyのBがドライブしており、SmithのVoも冴えています。隠し味はやはりRogerのKbdですね。 A3 “Cruisers Creek”は、BrixのGのリフとSmithのVoからいきなり始まる「The Fall」的な曲ですが、無理クリなサビが挿入されています。それでもギターのリフは繰り返されていますが。 A4 “What You Need”もモロThe Fallな曲で、ユーモラスで跳ねるようなベースとScanlonのギター及びRogerのKbdのリフが延々とリフを繰り返す曲で、SmithのVoとコーラスの対比も面白いです。 A5 “Spoilt Victorian Child”は、アップテンポな曲で、少しR&B調ですが、SmithのVoで一気に「The Fall」的なサウンドになってしまいます。途中と最後のブレイクと言うか緩急の付け方も効果的です。 A6 “L.A.”はめちゃくちゃカッコいい曲で、HanleyのベースとRogerのシーケンスにBrixのGのメロディがバッチリです。Smithの呪文のようなVoと女性コーラスが映えています。 ではB面にいきます。 B1 “Gut Of The Quantifier”はBurnsのドラムとSmithのVoで始まり、タイトなリズム隊とScanlonとBrixのギターが上手く絡んでいます。途中からギター・ノイズが入ってきて終わります。 B2 “My New House”はRogerのアコギで始まりますが、他の楽器が入ってくると、一転して「The Fall」節になってしまうマジックな曲です。あのSmithの裏返ってしまうVoも堪能できますよ。 B3 “Paintwork”でもRogerのアコギがたっぷりと聴けますが、途中で、ちょっとした仕掛けがしてあります(これは聴いてのお楽しみ)。ベースやギターが入ってくると途端にいつもの「The Fall」節になってしまい、反復する曲で盛り上がりますが、Kbdが良い味出していますね。 B4 “I Am Damo Suzuki”は問題作ですね。しっとり始まったかと思ったら、激しいドラムが挿入、再び、落ち着いたと思ったら、またドラムが挿入され、SmithのVoは曲のタイトルを連呼しています。SmithにとってDamo鈴木は憧れだったのかな? B5 “To Nkroachment: Yarbles”は、独独のベースラインとSmithのヴァイオリンもVoも聴ける小曲です。 総じて、The Fallの一番脂に乗っていた時期のアルバムなので、ハズレはないです。まあ、結局は、Damo鈴木との関係はよく分かりませんでしたが、The Fallの「反復」と言うのは、乱暴な言い方をすれば、Canのハンマービートを楽曲に取り入れて、ほんの2パターンで曲の演奏を押し切ると言うことでは?と思いました。また、その為には、Hanleyのベース・ラインが、メリハリを付ける時に非常に重要なんだと確信しました。そこら辺が好きな方は是非聴いてみて下さい‼️損はしませんよ❗️ https://youtu.be/K-lCxdxRsF0?si=u-iUlLYOmpEi6lla #TheFall #ThisNationsSavingGrace #BeggarsBanquet #PostPunk #13ThAlbum #Repetition #MarkE.Smith #StephenHanley #KarlBurns #SimonRogers #BrixSmith #CraigScanlon #IAmDamoSuzuki #Can
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Gina Birch “I Play My Bass Loud”
Phewさんも大絶賛!The RaincoatsのベーシストGina Birchのソロアルバム”I Play My Bass Loud”を紹介します。The Raincoatsについては以前にバイオグラフィーは書いてありますので、そちらをご参照ください。Gina Birch, 英国Nottingham、1955年生まれの音楽家/ヴィジュアル・アーティスト/写真家/映像作家でもあり、一番よく知られているのは、The Raincoatsの結成メンバーであったことです。そんな彼女の初のソロは、2021年作シングル”Feminist Song”です。今回は、2023年2月にリリースされた彼女のソロデビューアルバム”I Play My Bass Loud”を紹介します。Birchの音楽的キャリアは、1977年に結成した女性パンクバンドThe Raincoatsに始まります。BirchはAna de SilvaとHornsbyアートスクールの同級生で、The Slitsを観たのがキッカケに、音楽的素養は無かったにも関わらず、バンドを組むようになりました。その数ヶ月後には、彼女達は、それぞれの楽器を持って、Londonのステージに立っていました。The Raincoatsは、当時のパンク・ロック・シーンの中にあって、大きな反響を呼びました。特に、Red Krayola, Swell Maps, Rough TradeのGeoff Travisのお気に入りになり、彼女達は、3枚のアルバムをRough Tradeからリリースしています。それらのある初は、当時だけではなく、現在でもアーティストに大きな影響を与えています。1984年に、The Raincoatsは解散しますが、その後、Birchは、Red CrayolaのMayo Thompsonと独逸での共同作業に入ります。その後、Birchは、元The RaincoatsのVicky Aspinallと共にDorothyと言うバンドを始めます。1994年にNirvanaのKurt Conainは彼等のツアーのサポート頼んでいたのですが、CobainとKim Gordonによるバンドに新しい興味が湧いたこともあって、The Raincoatsの作品は、CobainとGordon自身らのライナーで再発されます。それで、1996年に、彼女達は世界ツアーをやり、DGC Recordsより、The Raincoatsとして新作で4枚目のアルバム”Looking In The Shadows”をリリースしており、また、彼女達自身のレーベルWe Three Recordsを立ち上げています。一方、Birchは、ペインターとしても映像作家としても認められていており、同時に2人の娘の母親でありましたが、The Hangoversとしてアルバム”Slow Dirty Tears”もリリースしています。因みに、彼女は、The LibertinesやNew OrderのMVにも関わっています。その後、2021年9日に、Birchは最初のソロシングル”Feminist Song”をThird Man Recordsよりリリース、好評を得ます。そして、2023年2月には、本作品で、彼女の初のソロアルバム”I Play My Bass Loud”を、Killing JokeのYouthやSonic YouthのThurston Mooreの協力の元、リリースしました。 以上がこのGina Birchの初ソロアルバムまでの経歴です。それで、内容なのですが、先ず、参加メンバーについて記しておきます。Gina Birch (Vo, B, G, Sampler, Kbd, Oohs, Clicks)の他に、Emily Elhaj (B [A1]), Jane Perry Woodgate (B [A1]), Shane Bradley (B [A1]), Helen McCookerybook (B, Back-Vo [A1, A5, B9, B10]), Youth (B, G [A1, A3-A6, B8-B10]), David Barbenel (Cello [A6]), Debbie Smith (G [B11]), Thurston Moore (G [A3, B11]), Michael Rendall (Kbd, Synth. Organ, Drum Machine [A1-A3, A5-B11]), Ana da Silva (Monotron [B10])と豪華な面子が揃っています。因みに、ジャケの絵は、Gina Birch自身が描いたものです。それで、A面6曲、B面5曲が収められています。A1 “I Play My Bass Loud”では、ベースを4本も使っていますが、力んだところも無く、良質なポップソングに仕上げています。A2 “Then It Happened”は軽くディレイを掛けたベースの弾き語りのような曲で、Birchの語りのようなVoもグーです。A3 “Wish I Was You”は、一転して、カッコ良いノリのロックな曲で、思わず身体が動きます。BirchのVoとMooreのノイズ・ギターが冴えています。A4 “Big Mouth”も跳ねるようなリズムのダンサブルな曲で、ヴォコーダーを通したようなVoは現代風ではあります。A5 “Pussy Riot”は、あの「ロシアのバンド」のことでしょうか?電子化されたレゲエ調の曲ですが、途中からノイジーなギター(?)が入ってきます。A6 “I Am Rage”はしっとりしたポップな曲ですが、歌詞は「怒り」で、それを囁くように歌っているところに、余計に「怒り」の増幅を感じます。 B面に行きます。B7 “I Will Never Wear Stilettos”は、囁くように歌うBirchからダンサブルな曲調に変わり、1人コーラルワークやバックのギターも良い感じです。歌詞は辛辣かな? B8 “Dance Like A Demon”では、ややハスキーなBirchのVoと懐かしい感じの曲調の演奏を聴くことができます。途中のBirchが叫ぶところも良いです。B9 “Digging Down”はダブっぽい曲で、やはり英国のアーティストはレゲエ・カルチャーの影響が大きいのかなと思います。Kbdが良い味を出しています。B10 “Feminist Song”は先行シングル曲でもありますが、語りのようなBirchのVoと、サビの盛り上がりとキャッチーなメロディが良い感じです。B11 “Let's Go Crazy”は正にポストパンクな曲で、バックで鳴っている引き攣ったMooreのギターも良い隠し味になっています。 それにしても、BirchのVoが気負いや怒りを全面に押し出すこもなく、極々自然体で歌っているところに感動しました。こんな風に歳を取りたいなとも思えます。それと、電子音などを隠し味にしながらも、Gina Birchと言う等身大のポップ・ミュージックに昇華させているところも凄いです❗️正直、私はこのアルバムを買おうかどうか迷ったのですが、買って良かったです。なので、英国の女性アーティストによる音楽に触れたいと思ったら、これはお勧めです❗️ Gina Birch “I Play My Bass Loud” live動画 https://youtu.be/zbqBsutVXx0 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nLh31S6bCgFiFkBVUihv1pFvvtw126KWE #GinaBirch #IPlayMyBassLoud #ThirdManRecords #PostPunk #TheRaincoats #SoloAlbum #FirstAlbum #Bassist #Multiinstruments #EmilyElhaj #JanePerryWoodgate #ShaneBradley #HelenMcCookerybook #Youth #DavidBarbenel #DebbieSmith #ThurstonMoore #MichaelRendall #AnaDaSilva
Post Punk Third Man Records 3400円Dr K2
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The Fall “Live 1977”
これは、The Fallの録音としては古いですが、リリースは新しいです。つまり、このレコードは、Record Store Dayの為にリリースされたものだと言うことみたいです。なので、赤盤なのも納得ですね。The Fallの初期についてのバイオグラフィーは、前回のをご参照下さい。この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo), Marc Riley (B), Karl Burns (Drs), Martin Bramah (G), Yvonne Pawlett (Kbd)です。それで、内容なんですが、先ず、音は悪いです(苦笑)。まあ多分、ラジカセとかで録音したものでしょう。それでもリリースするCherry Red Recordsの強気。まだ、曲は、Bramahが作っていた頃ですね。ほぼ全曲、ヘロヘロな演奏で、素晴らしいです。辛うじて、音は合っていますが、もうグダグダな演奏です。素晴らしいと思いませんか? そんな演奏でも、アルバム未収録曲もあって、また紛らわしいことに同じタイトルのCD(ジャケは違う!)があって、そこから、本作品用にセレクトされたトラックをランダムに収録しているようです。両面とも4曲ずつ収録されていますが、B面には1曲シークレット曲が追加されています。A1 “Futures And Pasts”は、まだまだパンクっぽさが抜け切れてないチューンで、元気一杯です。A2 “Frightened”では怪しげなベースラインに導かれて、執拗に反復するThe Fallらしい曲。オルガンとの絡みも良い。A3 “Repetition”は、グチャグチャの中から始まる曲ですが、聴いたことのあるギターのフレーズが出てきて、一安心。しかし、SmithのVoが殆ど聴こえない。A4 “Copped It”では、いきなり大音量のオルガンで始まるロックンロールなナンバー。しかしVoは殆ど聴こえないw ではB面にいきます。B1 “Industrial Estate”もご機嫌なナンバーで、ちょっとだけロッケンローな感じもしますが、反復し続けてます。B2 “Sten Gun Rock”はThe Fallらしい反復を繰り返す曲。漸く、SmithのVoも聞こえるようになってきました。B3 “Race Hatred”は、突進力のある力強い曲で、The Fallにしては珍しく、コーラスも決まっている。B4 “You Don't Turn Me On”は、Smithのカウントで始まるノリの良い曲で、パンクっぽい。B5 “Untitled”はどうも、即興でその場で適当に演奏したような曲(?)ですね。 偶に、やっぱり聴きたくなるんだよね、The Fallって。そんなThe Fall欲を満たしてくれる一枚でした。でも、ちゃんと録音したものも聴きたいので、それは後でまた紹介していきますね。 A1 “Futures And Pasts” https://youtu.be/26QvibWjadE A2 “Frightened” https://youtu.be/lJdOeQXmXxU A3 “Repetition” https://youtu.be/v0St4phWdGA A4 “Copped It” https://youtu.be/THdSfifeCRY B1 “Industrial Estate” https://youtu.be/y-21H5iukWU B2 “Sten Gun Rock” https://youtu.be/sti7g6Fep6E B3 “Race Hatred” https://youtu.be/rLBNfrPq2zA B4 “You Don't Turn Me On” https://youtu.be/OuohaiLW49Q #TheFall #Live1977 #CherryRedRecords #RecordStoreDay #RedVinyl #SelectedTracks #LiveAlbum #PostPunk #Repetition #MarkE.Smith #MarcRiley #KarlBurns #MartinBramah #YvonnePawlett
Post Punk Cherry Red Records 3395円Dr K2
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The Fall “The Rough Trade Singles”
割と私、デジタル配信ではThe Fallはよく聴いてた方なんですが、いざ、フィジカルとなると、あんまり持ってないんですよね。それで、他のアイテムを買う時に見つけたので、購入してみました(なので、今回、初めて聴いてみます)。これは所謂、セルフ・コンピみたいなもので、The FallがRough Trade自体にリリースしたシングル音源をコンパイルしたものです。ただし、この作品のオリジナルは、5枚の7㌅シングルから成るボックスセットでした。私の購入したのは、その再発で、シングル5枚分が、このLPにまとめられているものです。それで、先ず、The Fallのバイオグラフィーから紹介していきます。The Fallは1976年に英国マンチェスターのPrestwichで結成されたポストパンク・バンドで、メンバーチェンジが激しく、唯一、創設者でヴォーカルのMark E. Smithだけがコンスタントなメンバーです(ただ、彼も2018年1月24日に60歳の若さで他界しており、それを持ってThe Fallは解散となっています)。それで、先ず、1976年に、Mark E. Smith (Vo), Martin Bramah (G), Una Baines (プリキ缶, Kbd), Tony Friel (B)の4人は、各自が書いたものやドラッグをやる為に集まっていたことが、そもそもの始まりです。彼らの好きな音楽は、Can, Velvet Underground, Captain Beefheart, Stoogesなんかで、一方、Smithは、H.P. Lovecraft, Raymond Chandler, Malcolm Lowry等の作家もお気に入りでした。そんな中で、同年7月に、Sex Pistolsのマンチェスターでの2度目のギグを観て、ショックを受け、彼等はバンドを始めた訳です。最初はThe Outsidersと名乗っていましたが、Frielが持っていたカミューの小説から取ってThe Fall と改名しました。この時、Bainesはドラムを買うお金が無かったので、ビスケットの缶を叩いてました(後にKbdにスウィッチします)。音は酷くて、繰り返しだけでしたが、この「繰り返し」が、後々The Fallの特徴になります。1977年5月23日に最初のギグを行いますが、この時のドラムはSteve Ormrodでしたが、1回だけやって、政治的な考えの違いの為、直ぐに辞めています。そして、Nuclear Angelに居たKarl Burnsがドラムで加入。そんなThe Fallに注目したのが、BuzzcocksのマネジャーRichard Boonで、1977年11月に彼等に録音させて、The FallのデビューEP”Bingo-Master's Break-Out!”を、彼自身のレーベルNew Hormonesからリリースしようとしていましたが、結局、出せずに、マスターテープをバンドに返しています。1978年6月に、Virgin Recordsが、マンチェスターでのライブ・コンピ”Short Circuit: Live at the Electric Circus”をリリースしますが、そこで初めてThe Fallは2曲参加しています。1977-1978年に、メンバーチェンジが起こります。先ず、Bainesの友達のKay Carrollが新マネジャー兼バックVoとなりますが、Frielは彼女のやり方が合わず、1977年12月に脱退。とりあえず、Jonnie Brownが、その後に、交代にEric McGannに加入します。1978年2月13日に、Granada TV番組What’s OnにThe Fallは出演し、Smith (Vo), Bramah (G), Burns (Drs), Baines (Kbd), McGann (B)のメンツで演奏しています。しかしながら、1978年3月には、ドラッグによる神経障害で、Bainesが脱退。代わりにYvonne Pawlett (Kbd)が加入。また、McGannが、ヴァンのドライバーのSteve Davisがハワイアンシャツを着ていたことが気に食わないと言う理由で、やはり脱退。その時、Martin BramahもSmithのリーダーシップとその彼女がマネジャーをやっていることを問題視しています。それで、当時まだ16歳だったローディのMarc Rileyにベースを担当させます。それで、何とか持ち直し、1978年8月に、お蔵入りになっていたEP “Bingo-Master's Break-Out!”が、Step Forward Recordsからリリースされ、同年11月にはシングル"It's the New Thing"もリリース。更に1日で作ったとされるThe Fallのファースト・アルバム”Live at the Witch Trials”が1979年3月にリリースされます。このアルバム作製後、ドラムのBurnsは暫くして脱退し、代わりに、Rockin’ RickyのMike Leighが加入。しかし、1979年4月には、アルバムの殆どの曲を書いていたMartin Bramahが抜けます。それで、先述のRileyはベースからギターにスウィッチし、Craig Scanlon (G)とRileyのバンドメイトでもあるSteve Hanley (B)が加入します。特に、Hanleyは、そのメロディアスなベースラインで、以後約20年間に渡り、The Fallの音楽的根幹を支え、Smith自身も、彼に全服の信頼を寄せています。それで、1979年7月30日に、シングル”Rowche Rumble"をSmith (Vo), Scanlon (G), Riley (G), Hanley (B), Pawlett (Kbd), Leigh (Drs)のメンツで録音していますが、Pawlettはその直後に脱退しています。The Fallは、1979年8月に、RochdaleのCargo Studiosで、セカンド・アルバム”Dragnet”を作製、1979年10月26日にリリースしています。このアルバムはファーストと比して、よりスカスカで、より耳障りな音に仕上がっています。1980年1月13日に、4枚目のシングル"Fiery Jack"をStep Forward Recordsよりリリースしますが、同年3月に、Mike Leighが脱退してしまい、バンド活動が数週間停滞します。その間に、Smithは歌詞を書き溜めていましたが、Leighの代わりに、Steve Hanleyの弟で、当時16歳だったPaul Hanleyがドラマーとして加入します。この後に、The Fallは、Step Forwardを離れ、Rough Tradeと契約しています。それで、Rough Tradeでの最初のアルバム”Totale’s Turns”は1980年5月にリリースされていますが、2曲を除いて、1979年のライブトラックを集めたものとなっています。1980年11月には、フルアルバムとしてはサードアルバムに当たる”Grotesque (After the Gramme)”を、2枚のシングル"How I Wrote 'Elastic Man'"と"Totally Wired"をリリースしますが、アルバムは英国インディー・チャート1位まで行きます。ただ、このアルバムは、Rough TradeのGeoff TravisとRed KrayolaのMayo Thompsonが共同プロデュースしていますが、音作りを大胆に改善しようとした彼等の考えに、Smithは大いに不満でした。と言う事もあって、The Fallは、長過ぎず短過ぎない媒体として10インチEPを選び、それを£2.00ポッキリで発売する戦略で、1981年4月に10インチEP”Slates”をリリースしています。同年終わりに、バンドは、Rough Tradeを離れ、小さなインディーレーベルKameraと契約します。話が少し前後しますが、The Fallが、EP “Slates”の促販の為、米国ツアーに行こうとした時、Paul Hanley (Drs)が若過ぎるとの理由でビザが降りず、仕方なく、Smithは、Karl Burnsを代役としてツアーを行なっており、その時のライブ音源から、ライブアルバム”A Part of America Therein, 1981”を1982年にRough Tradeの米国部門Cottage Records よりリリースしています。ただ、英国に戻ってきても、Burnsは居座っており、バンドのセカンド・ドラムとして在籍、1981年11月に、2人のドラムで録音したシングル"Lie Dream of a Casino Soul"をRichard Mazdaのプロデュースで豪州及びNZにてリリースしています。 The Fallのバイオグラフィーを書き出すと切りがないので、今回はここまでとしておきます。 それで、Rough Trade在籍時代(主に1980年で、一部1983年)のThe Fallのシングルなどを集めたのが、本作品となる訳ですが、先ず、この時期のメンバーを再度、確認しておきます。Mark E. Smith (Vo), Steve Hanley (B), Paul Hanley (Drs), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G)ですが、1983年録音のトラックではKarl Burns (Drs)も参加していたり、或いは1983年録音のトラックではMarc Riley (G)が参加していないものもあります。とにかく、内容は最高ーッ‼️ タイトなリズムとSmithのスポークン・ワードのようなヴォーカル、それと先述のように執拗な「繰り返し」。これだけでご飯3杯食べられますね。多分、初期のThe Fallとしても、一番脂が乗り始めた時期なので、もう痺れる程、カッコ良いです。A面6曲、B面4曲で、その内、B3 “Container Drivers”とB4 “New Puritan”は、1980年9月16日のJohn Peel Session用に録音した曲です。A5 “The Man Whose Head Expanded”, A6 “Ludd Gang”, B1 “Kicker Conspiracy”, B2 “Wings”は、1983年作で、その他の曲はいずれも1980年作です。取り敢えず、このアルバムに収録されている曲は下にURLを貼っておきましたので、何も言わずに聴いてみて下さい❗️これらの曲とかヴォーカルは唯一無比ですから。あとは楽しんで下さい❗️ A1 “How I Wrote ‘Elastic Man’” & A2 “City Hobgoblins“ https://youtu.be/aBUlf8THuNg A3 “Totally Wired” https://youtu.be/sk1TP5EkLS4 A4 “Putta Block” https://youtu.be/6oF-J-5HjyU A5 “The Man Whose Head Expanded” https://youtu.be/8jo5rzGRlH4 A6 “Ludd Gang” https://youtu.be/cqTK3nuepps B1 “Kicker Conspiracy” https://youtu.be/Ehoi2-rlmdI B2 “Wings” https://youtu.be/Wb6zdxd9phQ B3 “Container Drivers” https://youtu.be/TsaPuF8eji4 B4 “New Puritan” https://youtu.be/o5dMQNROQr0 #TheFall #RoughTradeSingles #SuperiorViaduct #CastleMusic #Reissue #1981 #1983 #Singles #PostPunk #Punk #MarkE.Smith #SteveHanley #PaulHanley #CraigScanlon #MarcRiley #KarlBurns #JohnPeelSession
Post Punk Superior Viaduct (Castle Music) 不明Dr K2
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Minimal Compact “Raging Souls”
さあさあ、来ましたよー。ベルギーの優良自主制作レーベルCrammed DiscsからリリースされていたイスラエルのバンドMinimal Compactを紹介します。今回は手持ちのサード・アルバム”Raging Souls”です。その前に、先ず、Minimal Compactのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。1980年から1987年の間に、欧州のロックシーンで重要な立ち位置にあったのがこのMinimal Compactです。最初、Malka Spigel (B, Vo), Samy Birnbach (Vo, Lyrics), Berry Sakharof (G, Kbd, Vo)は、イスラエルのTel Avivで音楽を始めますが、1981年には、彼等自身の街の雰囲気(多分、殺伐としていたのかも?)から逃れるようにして、蘭Amsterdamに移住します。ただ、この3人の中で、音楽がまともに出来たのはSakharofだけで、Spigelはベースを練習中で、Birnbachは、DJ Morpheusとしてはまだ有名でしたが、作詞に漸く手を出した音楽ファンと言う感じでした。そんな彼等が家で2曲入りのデモテープを作り、ベルギーのCrammed Discsに送ります。Crammed Discにとっても最初に契約したグループの一つとなります。それで、彼等はベルギーの片田舎の小さなスタジオで、7㌅シングルの録音をやっている時に、自分達の可能性に目覚め、セルフ・タイトルのミニ・アルバムを作り上げてしまいます。このミニアルバムは、中近東的なテイストとポスト・ニューウェーブな音楽であり、非アングロ・アメリカン的なスタイルのヴォーカルが特に目立っていました。それは、異なる系統のダンスミュージックと後に熱狂させられるワールド・ミュージックの両方を兼ね備えていました。そして、1982年には、蘭のバンドMecanoのDirk PolakとCrammed DiscsのMarc Hollanderのプロデュースによって、Londonのスタジオで、セカンド・アルバム”One By One”を作製し、リリースします。その時に、Amsterdamの蘭人Mac Franken (Drs)が加わり、漸く、バンドらしくなります。つまり、ライブが出来るようになり、よりツアーを充実させるように活性化します。1984年には、Gilles MartinとTuxedomoonのPeter Principleをプロデューサーに迎え、アルバム”Deadly Weapons”を録音しますが、この作品は最も実験的なアルバムになります。この作品の”Next One Is Real”は、Guerilla labelのDick O’Dellによるリミックスで、クラブヒットとなります。更に、このアルバムからは、5人目のメンバーとして、Rami Fortis (G, Vo)が加わりますが、彼は既にイスラエルのTel Avivでは、最も革新的なポストパンク・ミュージシャンとしてアルバム”Plonter”も出している実力者です。それで、実は、Fortisは最初、Spigelと2人でコラボ・カセット”7 Codes”を宅録し、Amsterdamのインディー・ショップで売っていたそうです。英国では、NMEでの良好なレビューが載ったり、John Peel Sessionに出たりはしたものの、決して成功してはいませんでしたが、彼等は、Palermoから京都までとありとあらゆるところにツアーで回っています。1985年には、本作品であるアルバム”Raging Souls”を元WireのColin Newmanをプロデューサーに迎えて、リリースしています。なお、アートワークはRussel Millsによるものです。その結果、本作品は最もポップなアルバムに仕上がり、ライブでも良く演奏される曲が多いです。この時、Minimal CompactはベルギーBrusselsで活動しており、「国際的インディー・シーンのハブ」としても機能していました(Tuxedomoon, Bel Canto, Colin Newman, Sonoko, Gilles Martin, Benjamin Lewなどを仲を取り持ったらしい)。この後、彼等はLed Zeppelinの”Immigrants Songs “のカバーをイスラエルのUri Batakと共に12㌅EPでリリース。そして、1987年に最後のスタジオ・アルバム”The Figure One Cuts”をCocteau TwinsやDepeche Modeなどを手掛けていたJohn Fryerのプロデュースで作製します。また、Crammed Discsのインスト・アルバム"Made To Measure"シリーズにアルバム”The Lowlands Flight”で参加しています。彼等は米国での成功を望んでいましたが、結局は米国では、ビザの関係などで色々な障害があり、成功はしなかったです。それで、彼等は、1987年に、ライブ・アルバム”Minimal Compact Live”をリリースし、1988年に解散します。この後に再結成もするのですが、今回はここまでにします。 それで、本作品”Raging Souls”の内容ですが、先ず、参加メンバーを紹介します。Samy Birnbach (Vo), Malka Spigel (Vo, B, Kbd), Rami Fortis (Vo, G) Max Franken (Drs), Berry Sakharof (G, Kbd, Cello)がバンドメンバーで、それに加えて、Luc Van Lieshout (Brass, Melodica, Glockenspiel), Colin Newman (G, Kbd), Marc Hollander (Perc)もゲストで参加しています。それで、基本は骨太のビートを持ったダンサブルな音楽なのですが、そこに中近東風メロディのヴォーカルやシンセが乗ると言う音楽が何ともユニークです。特に、Birnbach が書いた曲で、A1 “The Traitor”, A3 “This World”やB3 “Sananat”(この曲はイスラエル語の歌詞?)なんかはその傾向が強いです。タイトル曲であるB1 “Raging Souls”なんかは、後の新生Wireを想起させるような良質なポップ・ミュージックになっていますし、他の曲でも、ダンサブルなベースラインがあり、そこら辺はNewmanのプロデュースの影響かなとも思います。A2 “My Will (Is Stronger Than Me)”も女性コーラスと柔らかいシンセの音が効果的なダンス・ミュージックですね。A4 “When I Go”のしっとりとしたスローなバラードも良いです。最後の曲B4 “Shouts & Kisses”はインスト曲なんですが、コーラスとかはちょっぴり中近東風ですね。また、曲自体もイスラエルの街角の情景を想起させる雑然とした仕上がりになっています。そんなMinimal Compactの魅力の詰まった作品ですので、欧州のロック/ポップ・シーンに興味のある方は聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/KzVbTWKbVDU #MinimalCompact #RagingSouls #CrammedDiscs #PostPunk #PopMusic #Hub #Israel #Amsterdam #Brussels #Middle-EastTaste #Danceable #SamyBirnbach #MalkaSpigel #RamiFortis #MaxFranken #BerrySakharof #ColinNewman
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Wire “Mind Hive”
今まで散々紹介してきたWireですが、実は、沢山のライブ・アルバムを含めて、これまたコンスタントに作品を、自分達のレーベルPinkflagからリリースしてきています。そんなWireの20枚目のスタジオ・アルバムが、今回紹介する”Mind Hive”です。Wireのバイオグラフィーについては今まで書いてきましたが、少しだけ補足しておきます。今回もメンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd), Graham Lewis (B, Vo, Ex, SK-1), Robert Grey (Drs, Cymbals), Matthew Simms (G, Synth, Modular Synth)の4人です。Newmanは、Wireのフロントマンでもあり、全てのWireのリリースしたものに関するミックスやポスト・プロダクション及び権利を引き受けて、バンドの新作及び旧作のリリースを行うレーベルとしてPinkflagを2000年に立ち上げました。それで、Wireの全作品が入手できるとのことです。また、Newmanと彼の妻Malka Spigelとは1990年代初期にSwimと言うレーベルも運営しており、2人で共同作業をしているようで、他のアーティストやグループのリリースを行って来ています。一方、LewisはWireのオリジナルのベーシストであり、歌詞も沢山書いています。また、バンド外でも、彼は、Bruce Gilbert, Russell Mills, C.M. von Hausswolff, John Duncan, Leif Elggren, Jean-Louis Huhta, Thomas Öberg, Andreas Karperydらとコラボを行い、また、Dome, Cupol, P'o, Duet Emmo, He Said, He Said Omala, H.A.L.Ö, Ocsid, Hox, 27#11, UUUU.と言ったユニットもやっています。更に、彼は、Michael Clark Company, Stephen Petronio Company, Su-en Butoh Companyのダンス・ミュージックやBrothers Quay, Bigert & Bergström, Gunilla Leanderの映画音楽も担当しています。Simmsは2010年からWireに関与し、2013年作”Change Becomes Us”で初めてWireの一員にクレジットされています。Simmsは普通のギタリストではなく、ユニークなアイデアを持っており、積極的にWireに関わっています。彼は、その前は、Lo-Fiノイズ・ポップ・バンドIt Hugs Backのフロントマンでした。またスーパー・インプロ・ノイズ・グループUUUU.Mにも参加しています。Grey (Gotbed)はWireのミニマルで正確なリズムを刻むドラマーですが、1991年から、英国中部の小さな農場も運営しています。そんなWireの”Mind Hive”は、彼等のスタジオアルバム20作目に当たります。上記の4人は勿論、ゲストにHarald Pettersson (Hurdy Gurdy)とSean Douglas (Organ)も参加しています。A1 “Be Like Them”では、いきなり和風のメロディ(三味線風)が出てきて、ビックリするのですが、曲自体はかっこいいです。A2 “Cactused”, A3 “Primed And Ready”は割とシンプルなロック調の曲ですが、A2なんかは、サビでのLewisのコーラスに痺れます。A4 “Off The Beach”はややライトなアップテンポの曲で、これまたポップネスを感じます。A5 “Unrepentant”では、Greyはドラムではなく、シンバルのみを演奏、Simmsはシンセだけでなく、モデュラーも演奏しており、ゆったりとした牧歌的な曲。こう言う時のNewmanのヴォーカルは冴えますね。それで、B面に移ってB1 “Shadows”もスローテンポな曲ですが、洗練された音が瑞々しいです。B2 “Oklahoma”のイントロのドローン音はHurdy Gurdy。そして掛け声と共に、やや男っぽいLewisのヴォーカルが映える曲が始まります。B3 “Hung”は、Simmsによると思われるモデュラー・シンセのパルス音に合わせて、ミドルテンポのやや重めの曲になっています。B4 “Humming”は、ドラムレスの曲ですが、DouglasのオルガンとLewisのベースでしっとりと聴かせてくれます。バラードにならないところが、Wireらしい。と言う訳でアルバムは締められています。 今回、Wireのアルバムを聴いてみて、Greyの削りまくったシンプルなドラミングと、Newmanの、これまたシンプルな曲作りとそれにマッチした柔らかいヴォーカルが印象的でしたね。これが、ロックの終わった後の「ロック(=音楽)」なんでしようか? きっとこのアルバムにもその答え(の一部)は隠されているかも❗️ B2 “Oklahoma” https://youtu.be/Accgv5SxKTo [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhFzKjgpXnVlDXK0du4R1cC2O5j-DFEyE #Wire #MindHive #Pinkflag #PostPunk #Rock #CollinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #HurdyGurdy #Organ
Post Punk Pinkflag €17.00Dr K2
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Glaxo Babies “In The Begining”
またまた戻ってきました。英国ポストパンク・バンドGlaxo Babiesのセカンド・アルバム”In The Beginning”、、、なんですが、オリジナルは、タイトルが"Put Me On The Guest List”で、かつ曲順や収録曲に若干の違いがあります。今回は日本盤の紹介をしたいと思います。Glaxo Babiesのバイオグラフィーについては以前に書きましたので、省略しますが、今回のメンバーと担当楽器だけ書いておきます。Rob Chapman (Vo), Tom Nichols (B, Vo), Geoff Alsopp (Drs), Charles Llewellyn (Drs [B5]), Dan Catsis (G, Vo), Tony Wrafters (Sax)となっております。ご存知のように、Dan Catsisは一時期、同郷ブリストンのThe Pop Groupのメンバーでもありました。それで、内容なんですが、先述のように、”Christine Keeler”が追加され、更に"Flesh"の代わりに"Nova Bossanova"が加えられていますので、本当は英国盤と比較したいところですが、そこまでの財力がありませんでしたので、ご勘弁下さい。因みに、この2曲 (A4 “Christine Keeler”とA5 ”Nova Bossanova”)は先行シングルとしてリリースされた音源です。また、日本盤は曲順が変えてあると言いましたが、どうも、4回4か所で、録音がなされており、その時間軸に沿って、並べ替えているようです。なので、一つのアルバムと言うよりも、セルフ・コンピみたいな扱いになっています。それで、今、聴くと、何ともDIYっぽい音で、ちょっと残念な感じもして、もうちょっとドラムやベースの音なんかに凝った方が良かったのでは?と思わず突っ込んでしまいそうになります。曲自体はもろポスト・パンクですが、思っていた程、ファンク色は強くはないです。しかしながら、Catsisの痙攣ギターが時々聴かれるのは嬉しいです。また、WraftersのSaxも入っていない曲もあって、もっとバリバリ入れて欲しかったとも思います。Sax入りの曲が良いので、余計にそう思ってしまいます。しかしながら、適度に聴き易くて、素朴な曲もあって、それなりに楽しめます。なので、必聴!とは言いませんが、1980年のポスト・パンクに興味がある方は一度は体験した方が良いかもしれませんね。 A1 “This Is Your Life” A2 “Police State” A3 “Because Of You” A4 “Christine Keeler” A5 “Nova Bossanova” A6 “Who Killed Bruce Lee (Version)” B1 “Stay Awake” B2 “She Went To Pieces” B3 “Avoiding The Issue” B4 “Burning Flesh” B5 “Puppet Patrol” 日本盤のYouTubeは無かったので、オリジナルの"Put Me On The Guest List”[full album]を貼っておきます。 https://youtu.be/FETnWGGFa7A?si=D4YoEbXSuekK-l9g A4 “Christine Keeler” https://youtu.be/ULQwTNb5Ze0?si=OSTZv0GYrzvOfP9P #GlaxoBabies #InTheBeginning #TrioRecords #HeartbeatRecords #CherryRedRecords #S #PostPunk #PutMeOnTheGuestList #SecondAlbum #日本盤 #SelfCompilation #RobChapman #TomNichols #GeoffAlsopp #CharlesLlewellyn #DanCatsis #TonyWrafters
Post Punk Trio Records (Heartbeat Records / Cherry Red Music) 不明Dr K2