DVD「キリング・フィールド」

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 本展示アイテム収録作は、米国での劇場公開が1984年11月、本邦公開が翌1985年8月31日、ちなみに私が劇場で観たのはさらに翌1986年に名画座で、だったのですが、この期間のカンボジアはすでにヘン・サムリン政権に移行後の時期でした。クメール・ルージュの秘密警察であるサンテバルの蛮行は報道などでそれとなく知らされており、ポル・ポト政権下の状況を背景としての作品には興味があるにはあったのですが、映画とはいえその一端を窺い知ることができたのは有意義だった、というのがとりあえずの率直な感想でした。
 本作の内容そのものなどについては別に語る機会もあるでしょうからここでは雑感を述べることにしていきますが、素直に面白かったです。ただ、それは作品の後半が、現地の新聞記者であり通訳でもあるカンボジア人の助手ディス・プランの国外脱出というサスペンス劇という構成であり、それが達成された時に流れるジョン・レノンの『イマジン』の叙情的効果でカタルシスが増幅された、という面白さが直接的ですかね。映画はエンターテイメントですから、このような演出を否定しませんが、本作の本質はやはり前段でも触れたとおり、ポル・ポト政権下のカンボジアの状況の描写でしょう。実際の凄惨さからは乖離があるのだろうと想像はできるものの、ディス・プランを演じたハイン・S・ニョールはカンボジア出身の医師で、実際に4年の間、クメール・ルージュの元で強制労働に就かされた経験を持つので、かなりのリアリティが伝わってきました。演技経験のまったくない素人であったにもかかわらず、この作品でアカデミー助演男優賞を受賞したのですが、その要因は経験に裏打ちされたリアリズムだったと想像できます。
 そして、この作品に関しては前段で述べたとおり、ジョン・レノンの『イマジン』が劇中歌として採用されたことが目立っているのですが、音楽について特筆すべきはマイク・オールドフィールドが担当した、ということでしょう。言わずと知れた、映画『エクソシスト』の劇中曲『チューブラー・ベルズ』を作曲した人、ということでその名前だけは憶えていましたが、『エクソシスト』の場合は本人の演奏したものではなかったこともあり、実質的には本作が本格的に映画音楽に取り組んだ作品、ということになりますか。それがどのようなものだったか、については、本作のサントラ盤CDを展示・紹介する機会に述べたいと思います。あと、本作のBlu-rayにはテレビ放映時の吹替が収録されているそうですが、私自身は観ていません。ただ、80年代の吹替収録で、キャストもそれなりと見受けられましたので、機会があれば観てみたいですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=0Um2j1iEj1k
#DVD #キリング・フィールド #デヴィッド・パットナム #ローランド・ジョフィ #マイク・オールドフィールド #サム・ウォーターストン #ハイン・S・ニョール #ジョン・マルコヴィッチ #ジュリアン・サンズ #ジョン・レノン #イマジン 

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  • Ee2cw67n

    だいちゃん

    2020/08/18

    この映画に衝撃を受けて、一人で何回も映画館に足を運びました。違う女の子と同じ映画をというのはあっても、一人でというのはこの映画だけだったと思います。やはりニョール氏の演技を超えたリアルさからだったと思います。運転手らとの何気ない会話がとてもリアルだったのと、脱出の際、顔写真をなんとか撮影し、現像する所が今でも記憶にあります。

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      woodstein

      2020/08/18

       だいちゃんさん、コメント有難うございます。「違う女の子と同じ映画をというのはあっても、」というのもなかなかですが、本作を劇場で繰り返し御覧になったというのも凄いと思います。割と重い内容ですから、私には無理ですね。
       ディス・プラン(ハイン・S・ニョール)のパスポート用の写真を用意できなかったことで起こる悲劇は、ある意味、運命的としかいいようがないのですが、その運命を切り開いたストーリー展開は感動的でした。ですが、それとは別に、共産主義が伸張しつつある世界情勢の中で、それが蔓延った場合にどのような状況に陥ってしまうのか、それを実感するためにも、今こそ再見すべき作品である、という認識もあります。

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    • Ee2cw67n

      だいちゃん

      2020/08/18

      このニョール氏はこの映画で認められ、ハリウッドに進出されましたが、事故か何かで亡くなったという記憶があります。才能があってもアジア系の人は潰されるのでしょうか。

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  • Polar bear polygon blue silhouette

    recopan

    2021/01/10 - 編集済み

    えっ、キリング・フィールドの音楽ってマイク・オールドフィールドだったんですね。公開当時、話題作だったので観に行きましたが、知りませんでした…。

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    • File

      woodstein

      2021/01/11

       recopanさん、コメント有難うございます。紹介文の中でも述べましたが、マイク・オールドフィールドが映画音楽に関わったのは、現在のところ上記の2作だけのようです。プロデューサーのデヴィッド・パットナムはこの時期、自身の製作する作品の音楽に、いわゆる映画音楽作家ではなく、他分野で活躍するミュージシャンを起用しようという意欲があったようで、前々作の『炎のランナー』ではヴァンゲリス、前作の『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』ではマーク・ノップラー、そして本作ではマイク・オールドフィールドだったわけですが、先に挙げた両氏はその後も映画音楽の制作に携わることがあったのに対し、マイク・オールドフィールドではそういった話を寡聞にして知らされていない、というのは、いささか残念ではあります。

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    • Polar bear polygon blue silhouette

      recopan

      2021/01/11

      へぇー、監督ではなくプロデューサーの選択なのですね。ちょっと実験的というか、面白い取り組みですね。炎のランナーは大成功したと思いますが…。ちなみにエクソシストのチューブラベルズの使い方は絶妙だと思います。

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