DVD「ギャラクシー☆クエスト」

　結論から言うと「みんな大好き、ギャラクシー・クエスト！」ということになるのですが、これだけだとそれで終わってしまうので、能書きを少しばかり垂れることにお付き合い願います。
　本展示アイテム収録作は、『スタートレック』、つまりは『宇宙大作戦』へのオマージュ満載のパロディ映画ということですが、単なるパロディではなく、実に凝った作りになっています。「宇宙探査局の活躍を描いたかつての人気SF・テレビシリーズ『ギャラクシー・クエスト』、放送終了後もその人気を維持し、主要な出演者たちは関連イベントなどに現在も出演するなどしているが、本来の俳優としてのギャップに悩むことも。そんな彼らに特別なオファーが舞い込むが、なんとドラマで演じた数々の戦闘経験を実際の異星人との交戦に生かすべく、参加・指導して欲しいとのことだった…」というあらすじで、『プロテクター号』乗組員を演じる売れない俳優、異星人、そして『ギャラクシー・クエスト』のコアなファンの三者が絡み合って何とも味わい深いストーリー展開を形成しています。
　あと、凝っていると言えば、キャスティングも同様です。目立つところはシガニー・ウィーバーやアラン・リックマンというSF映画・ファンタジー映画出演経験者ではありますが、リックマンを始め、サム・ロックウェル、トニー・シャルーブなどそもそも舞台出身という、SF（スペース・ファンタジー）とは縁遠い感じの俳優を起用しているのも、其処は彼と無いギャップとなっていて味わい深さを増す効果となっているようです。
　個人的に印象に残ったこともいくつかあります。まずは、本作に登場する、テレビドラマ『ギャラクシー・クエスト』のコアなファンの熱気ですね。もちろん『スタートレック』のファン、「トレッキー」のそれを参考にした描写なのでしょうが、私には昭和40年代のウルトラシリーズのファンが、その思いを後々まで持ち続けているのと重なります。別のフロアに展示した森次晃嗣氏の著書『ダン モロボシダンの名をかりて』の紹介文でサイン会の盛況ぶりを記しましたが、それとダブって見えた、ということですかね。あと、スペース・ファンタジー映画のパロディというと『フレッシュ・ゴードン Space Wars』や『スペースボール』などが思い浮かびますが、何か格が違いますね。アイデア次第で映画はいくらでも面白くなる、というのを前出の2作と比較するにつけ、まざまざと見せつけられました。
　最後に収録されている吹替ですが、シガニー・ウィーバーの担当が小山茉美というのは、少し声が可愛すぎる感もありますが、全体的には特に不満はなかったですね。吹替配役はタグに表示しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=B34jbC43XzA
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