ビッグ・パレード

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 1925年製作。本展示アイテム収録作には『大進軍』という別名もあるのですが、同じ邦題の1957年製作のイタリア・スイス合作イタリア史劇の映画も存在するということで、原題をそのままカタカナ表記した『ビッグ・パレード』を採用した方が混同を避ける意味でも適当なのでしょうね。
 さて、1979年夏に日本中の女子供と一部の男の涙腺を大いに刺激したフランコ・ゼフィレッリ監督作品『チャンプ』が公開されましたが、映画雑誌の紹介記事の中に「この作品は1931年に製作されたキング・ヴィダー監督の同名の作品のリメイクである」という旨の記載があり、この時初め、キング・ヴィダーの名前と存在を認識しました。とは言うものの、当時はろくなフィルモグラフィが手元にはなかったので、キング・ヴィダーがどのような作品を残したかについては無知のままで、その後1987年にオードリー・ヘップバーン主演の『戦争と平和』がリバイバル公開された際に制作されたパンフレットの記載やリバイバル公開に関する映画雑誌の関連記事などで、この監督のことをある程度は知ることができました。そして、その10数年後に本展示アイテムや同フロアに展示予定の『ハレルヤ』のDVDを入手して『戦争と平和』以外のキング・ヴィダー監督作品を観ることができたのですが、この少ない本数からでもこの監督の非凡さ、意欲の高さは手に取るように伝わり、のちに巨匠として名を残したのも、宜なるかなと思われました。
 それで本作ですが、第一次世界大戦を背景に引き裂かれる男女、行軍・戦闘シーンなどその後の戦争映画のテーマのエッセンスを、すでにこの時代に確立していたことを認識させられ、個々のシーンの映像表現とも相まって感動させられましたね。
https://www.youtube.com/watch?v=P_-BvxzdOr4
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