バガー・ヴァンスの伝説 ―特別編―

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 レッドフォードの監督6作目。第一次大戦での悲痛な体験がもとでゴルフも恋人も捨てて隠遁生活を送っていた若き天才ゴルファーが、バガー・ヴァンスと名乗る不思議な男の助力により自分を取り戻し、再びゴルフと恋人を取り戻す、という割と単純で結末のわかっているストーリーですので、作品の出来はその過程をいかに飽きさせずに観客を引き付けられ続けられるかに委ねられるということになります。まあ、レッドフォードも上記のように監督6作目ですからその辺りは卒なくこなした、という感じでしたかね。そのための手法は様々にあるのですが、一つはキャスティング、ウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリズ・セロン、そしてジャック・レモンが目立つところですが、それ以外にマット・デイモンとゴルフで対決するブルース・マッギルとジョエル・グレッチも上手く脇を固めていました。そしてもう一つが、ジャック・レモン扮するハーディ翁が子供の頃に体験したことを語りながら物語が進行するという形式を取ったことです。
 この映画でウィル・スミスが演じるバガー・ヴァンスが会話した相手は、殆どハーディ少年とラナルフ・ジュナ(マット・デイモン)の二人だけです。そして、バガー・ヴァンスは忽然として現れ、また目的を果たすと忽然として去ります。つまり、このバガー・ヴァンスという存在はまるで妖精のようであり、あるいはハーディの想像の産物なのでは、とも思われます。こうすることで、この物語はファンタジーの要素を持つことになり、いわゆるスポコンものとは異なる印象の作品となりました。ラストで、奥の海岸で手を振るバガー・ヴァンスと手前のゴルフ場のグリーンの上を歩くハーディ翁が同じ画面にいるように見せたのも、その手段だったのでしょう。
 そのファンタジーの要素を大いに引き立ててサポートしたのがレイチェル・ポートマンの音楽でしたが、これについては別の機会に述べることにします。
 あと、本展示アイテムには映像特典として「R.レッドフォードが語る『バガー・ヴァンスの伝説』」や「メイキング」なども収録されていますし、本編には吹替も収録されていますが、まあいいでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=lpsF4MfeGlQ
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