候補者ビル・マッケイ

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 最初に観たのは高校生の時に名画座で、でしたが、もちろんかなりデフォルメしているにせよ、アメリカの選挙戦の側面や、そこに参加する面々のメンタリティやレッドフォード扮する主役の様子の変遷の数々により少なからず衝撃を受けたものでした。もちろん、今の年齢で初見だったら、「ああ、この時代はこんなものだったのか」という感慨しかないでしょうが…。2回目は数年後、深夜のテレビ放映で、当然吹替でしたが、野沢那智氏のビル・マッケイは、やや不満の残るものでした。そして3回目は本アイテム購入時、ということになるわけですが、意外だったのがそのパッケージのデザインで、御覧のとおり、ビル・マッケイに扮したレッドフォードがガムを膨らましている姿が大写しになっています。この写真自体は本邦公開当時にキネマ旬報の表紙などにも採用されており特に目新しいわけではないのですが、一般にはチラシやポスターなどに使用された星条旗を背景にレッドフォードの顔が配置されたものが宣伝用として流布されたので、それとの差別化を目論んだのでしょうか。
 ただ、個人的には少し違和感がありますね。要するに、選挙に出る前のビル・マッケイは普通に有能な弁護士で私生活にも特に問題がなかったのが、立候補後は選挙に勝つための勢力が彼の純粋さを次第に蝕んでいき、最終シーンのオチになだれ込んでいくわけですが、本アイテムのパッケージはそのことを暗示するものであり、どうもネタバレ感が拭えないのです。というのも、アメリカの選挙を題材にした映画というのは、概してこの選挙参謀が悪役となって勝つための手段を講じるのに対し、主人公が自分の純粋さを打ち出し、結果として主人公の精神の方が大衆に支持されるというものが常道なのですが、本作はそのルートを辿るものではないわけですから。かつて、『猿の惑星』のDVDがリリースされた際、そのパッケージに自由の女神が描かれていた程ではないにしても、このDVDにより本作を初見という人も少なからずいるでしょうから、そのあたりの配慮が欠けていたのではないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=9RTIQWXzexU
#DVD #ロバート・レッドフォード #候補者ビル・マッケイ #マイケル・リッチー #ポール・サンド #メルビン・ダグラス #ナタリー・ウッド 

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    woodstein

    2019/11/02

     映画公開時の宣伝用チラシの画像も追加しておきます。

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