若草物語

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 ルイーザ・メイ・オルコット原作のあまりにも有名な自伝的小説の映画化作品で、本作はいわゆる1933年製作版になります。おそらく映画化作品としては、1949年製作、マーヴィン・ルロイ監督、ジューン・アリソン、ピーター・ローフォード、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー出演版の方が有名で一般的ですかね。私も、本アイテム入手以前に1949年製作版の方は観ていました。そうなると、どちらの方がいいか、ということになるのかもしれませんが、結論から言うと、これは個々人の好みになってしまいますね。私個人は、次女ジョーの関してはジューン・アリソンよりもキャサリン・ヘプバーンの方が原作のイメージに近かったので、本アイテム収録版の方に軍配を挙げますかね。
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    tanupon

    2019/09/04

    若草物語は後世に残る名作ですね。
    残念ながらこのバージョンは観たことありませんが
    時代的に原作に忠実な映画化作品でしょうか。

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      woodstein

      2019/09/24

       tanuponさん、コメント有難うございました。そして返事が大変遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。さて、本アイテムに収録の作品が原作に忠実であるかどうか、というお問い合わせでしたが、どう答えるべきか考え込んでしまいました。まず結論を言ってしまえば、原作に忠実な映画なんていうのは製作しようがありません。いくら頑張っても、映像化するにあたっての物理的、金銭的あるいは時間的(製作期間、上映時間など)などの制約がありますからね。それに原作に忠実なのが果たして妥当なのかという映画作家側のこだわりも当然あるはずですから、それらのことを勘案して「原作に忠実」を厳密に行うことなど、そもそもあり得ることではありません。ただ、本当に原作に忠実であることに挑戦した作品は存在します。1960年製作のソビエト映画『小犬を連れた貴婦人』で、チェーホフの短編「犬を連れた奥さん」の映画化です。残念ながら、この作品に関して私自身は、映画は未見、原作は未読ですので何とも言えないのですが、以前何かの読み物で本作は原作にほぼ忠実であったとの記述を見ました。ただ「ほぼ」と付いていたので、やはり完全に忠実ではなかったようです。
       ということで確認作業ですが、確か小説を読んだのは小学生の時、それも角川文庫にある吉田勝江氏による本格的な訳本ではなく、子供向けのジュブナイルでしたので、本アイテムに収録の作品が原作に忠実であるかどうかを確かめるのは、少なくとも上記の訳本を読むべき、と思い、幸い私の姪が本書を所有していたので、それを借りて読み、そして改めて本アイテム収録作を観直しました。
       そもそも小説の「若草物語」ですが、これには順に「続・若草物語」「第三若草物語」「第四若草物語」という続編が存在し、全4部作構成になっているのですが、本アイテム収録作は「若草物語」及び「続・若草物語」の前半2部を原作としての映画化でした。ちなみに1949年製作の映画『若草物語』も同様です。そして、「原作に忠実」か否かですが、もちろんかなり端折ったところはあったにせよ、概ね小説の筋に沿った内容だったと思います。その他の印象ですが、原作はかなり宗教色の漂うものだったのに対し、映画はその気配を最小限に留めた、そして原作もルイーザ・メイ・オルコットをモデルとしている次女のジョーがヒロイン格でしたが、映画ではそのことがより強調されている、ということが挙げられますかね。
       あと蛇足ですが、「第三…」及び「第四…」は前2作の後日談的要素が強く、そういう意味では「若草物語」の世界観は前2作に込められており、さらにそのエッセンスは本アイテム収録作に凝縮されていると感じました。
       以上が、ご質問の私なりの回答となります。とても長くなってしまい申し訳ありませんでした。

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