雨のニューオリンズ

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 原題はThis Property Is Condemned、「財産没収」と訳すそうで、おそらく法律用語なのでしょう。映画の邦題からだけですと何かロマンティックな雰囲気も漂いそうですが、原題からも連想できるように、不況時代のアメリカの地方都市の閉塞感を描いた作品となっています。スタッフ、キャストともにビッグネームが揃っているのですが、これは後年になってそのように見えるだけで、製作・公開当時の触れ込みは「テネシー・ウィリアムズ原作、ナタリー・ウッド主演」という感じだったのかな。そのスタッフ・キャスト間の人間関係で目立ったところを述べると、レッドフォードとナタリー・ウッドは『サンセット物語』に続いて2度目の共演、後に『候補者ビル・マッケイ』でも少しだけ共演、レッドフォードとシドニー・ポラック監督は本作も含めて実に7作品でコンビを組み、レッドフォードと脚本フランシス・フォード・コッポラは後に『華麗なるギャツビー』でも共に仕事をしています。
 作品自体は、前述したようにテネシー・ウィリアムズの戯曲の映画化ですが、非常に味わい深い内容で、そこはコッポラの脚色の冴えわたりを感じさせますが、その反面、演出は地味でそのあたりはポラック監督の未熟さが出たような気がします。ただ、レッドフォードも含め、後の彼らの映画人としての成功を予感させる作品であったと言えるでしょう。また、本アイテムですが、テレビ放映時の吹替が収録されており、レッドフォードが広川太一郎氏、ブロンソンが大塚周夫氏というのは嬉しい配役でした。
 最後に蛇足ですが、私がこの作品を最初に観たのは深夜のテレビ放映で、ナタリー・ウッドが裸で水の中に飛び込むシーンには目が覚めましたね。それで、本当に全裸だったかどうかを確認すべく、本アイテムでそのシーンをスローで再生してみたのですが、実際には肌色の全身タイツのようなものを身に着けていたのがわかり、そりゃ、そうだろう、などと思ったものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=5JX84nAZDX4&list=PL_nVQLBTf7153LUMd_tVDUZTwTkZVuznQ&index=2
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