アンナ・クリスティ

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 この作品自体は、「グレタ・ガルボ、初のトーキー作品」「Garbo talks!(ガルボが話す)」「ガルボが初めて口にした非常に有名な台詞が『ウイスキーをちょうだい、ジンジャエールを添えてね』『ケチらないでね』 (Gimme a whiskey, ginger ale on the side, and don't be stingy, baby)」などのことがよく知られていますが、それはいいでしょう。娼婦としての過去を背負う女性がどのような行く末をたどるのか、というのがこの作品のテーマの一つですが、結末はヴィヴィアン・リー主演の『哀愁』とは異なるわけで、映画によって決着の付け方は様々です。
 と、こじ付けのようにヴィヴィアン・リーの名前を引っ張り出したのには、少し理由があります。というのも、この「アンナ・クリスティ」、よく「アンナ・カレニナ」と混同しました。ガルボは、この『アンナ・カレニナ』に二度、1927年製作のサイレント、1935年製作のトーキーで主演しており、その混同の度合いが深まりましたが、さらには前出のヴィヴィアン・リー主演の同名の映画が1948年に製作されているので、さらに複雑です。ちなみに、トルストイ原作の「アンナ・カレーニナ」はこれまでに8度映画化されているそうです。
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