我等の町

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 ウィリアム・ホールデンを最初に見た映画は、私の場合は『タワーリング・インフェルノ』でした。その後、『ネットワーク』『オーメン2/ダミアン』『悲愁』『戦場にかける橋』『慕情』『ピクニック』『麗しのサブリナ』『第十七捕虜収容所』『サンセット大通り』という順、つまり、ほぼ老年→壮年→青年と遡ってみたせいか、この映画での彼は、えらく若く見えました。
 さて、本作の邦題には「我等」という語が含まれていますが、この語を含んだ邦題の映画として有名な作品にルネ・クレール監督の1932年公開のフランス映画『自由を我等に』と、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の1937年公開のフランス映画『我等の仲間』があります。もちろん、普通の人ならばこの2作を混同するなんてありえないのでしょうが、10代の映画を観始めて様々な過去作の知識を吸収している時期から20代半ばまでは、同じフランスの戦前映画ということもあり、何かと混同してしまったことは幾度となくありました。ですので、その時期にもしこの作品の邦題に出会っていたら、もっと混同に拍車がかかっていたことは想像に難くなく、本作を知ったのが後年でよかったとしみじみ思ったものでした。
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