Lochmanolenellus trapezoidalis

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ネヴァダ州のポレタ累層 (Poleta fm) で産出するこの怪物は、ロクマノレネルス・トラペゾイダリス (Lochmanolenellus trapezoidalis) と呼ばれています。胸部の一部と尾部を欠いた部分化石ですが、70%程が残っていて、全体像がよく分かります。8枚目写真に見るように、この種の幼体、及び別種のオレネルス類 (Teresellus goldfieldensis?) のventralも共産しております。

最も最初期に誕生した三葉虫のオレネルスの仲間ですが、実際、累層の時代はカンブリア紀前期 (Lower Cambrian, Series2, Stage3) と非常に古い時代の種です。

なんと言っても、この種の特徴は、頭部から巨大な頬棘が2対出ている事 (Double genal spinesなどと呼ばれます) であります。このような特徴を持つ三葉虫は、私の知る限り、ロクマノレネルスの一派だけです。

類似種に、ロクマノレネルス・ペンタゴナリス (Lochmanolenellus pentagonalis) やロクマノレネルス・サブクアドラタ (Lochmanolenellus subquadrata) という種がいて、これらもDouble genal spinesを持ちます。

写真7枚目では、私の手持ちの中でもトップ5のサイズを誇る154mmのオレネルス・フレモンティ (Olenellus fremonti) と並べてみました。もし完全体なら、更に一回り上回りそうで、170mmぐらいの巨大な標本であったと思われます。

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    Trilobites

    2020/06/08

    この種は、頭部だけであってもレア度5は揺ぎ無いですね。eBayで頭部だけの標本が出た時、私は早々に脱落しましたからね。どうしたら、こんなデザインを思いつくんだろうかという一目見たら忘れられない姿、こんな種類が三葉虫創成期から登場する位なので、改めて三葉虫の多様性は凄いんだなと思いますね。

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    • 多分それなりに、人によって好き嫌いが分かれる種だと思うのですが、私はどハマりしてしまいました。
      一度、ミネラルショーのTOAで、この種の完全体を見かけたのですが、あの時勇気を出して買っておけばよかったなあと後悔しております。カンブリア紀の三葉虫は、平坦で二次元的な制約があるにも関わらず、どうしてこんなにハッとさせる奇抜なデザインを達成できるのだろうと、自然の悪戯に感服します。

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