Cybele bellatula

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Labログ(キベレの思い出)にも書いたように、復帰後最初に手に入れたのがこれだ。
あれからまだ一年ほどしか経っていないが、なんだかずいぶん昔のことのような気がする。

これはエンクリヌルスの仲間に入れられていて、エンクリヌルスといえば、イチゴ頭と称される頭部のツブツブと、飛び出した目が特徴的だが、本種においては頭部の顆粒はそれほど目立たず、目は飛び出しているけれども控えめで繊細だ。

この控えめで繊細というのは、本種の全体についてもいえることで、全三葉虫のうちでもかなり優美な部類に入るのではないかと思う。
野趣が感じられないので、それが物足らないという人もいると思うが……

この標本は母岩がいびつで、どうしても安定せず、下手をするとひっくり返りそうで、心臓にわるいので、紙粘土で補強して安定させてある。

なお、この繊細すぎる三葉虫には、C. Panderi という姉妹種があって、本種に輪をかけて細長い眼軸をもっている。
その細長さは、チェコのミラスピス・ミラと双璧をなすといってもいいくらいだが、あまりにフラジャイルで私には怖くて扱えない。

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    trilobite.person (orm)

    2024/02/18 - 編集済み

    優美さ、可愛らしさとファニーさを併せ持つキベレはやはりいいですね。顔つきも良いですが、キュッと窄まる独特な尾部も、また乙なんですよね。
    折れるのが怖く管理が大変なので、側葉の棘を浮かせぼりしない本標本のようなものの方が、今は好きですね。飛び出た眼だけは、注意しないと仕方ないですが。

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      ktr

      2024/02/18

      近縁属のキベロイデスなども、魅力の半分くらいは尾部にありますね。
      トゲを浮かせたのは、たしかに見た目はすばらしいのですが、怖くて扱えません。
      この標本も母岩を安定させて箱に入れるまで気が気じゃなかったです。
      ノルウェーの漆黒の標本は、目がもっと太短くてしっかりしていそうですが、値段がとんでもないですね。

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    Trilobites

    2024/02/18 - 編集済み

    一時期、棘々物をよく折られてましたので、気を付けて下さいね。ロシア産は、母岩が粉っぽいので、粘土だけでは心許ないですからね。

    bellaturaの方は、まだ私は所有出来てなく、良い個体が出て来るのを待っている所です。昔は眼柄が長い方がbellaturaと呼ばれている時期があり、混乱してました。本種は、比較的遅くに市場に登場した感じです。

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      ktr

      2024/02/18

      ありがとうございます。
      ほんとによく折ってましたね。
      今回は紙粘土にニスを三層塗ったうえ、強力なボンドで固定したので、まず大丈夫です。
      本種もさることながら、Trilobitesさんにはキベレッラとか、もう一段階上のものを手に入れてほしいと思っています。

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