Rheingold “Distanz”

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Rheingold (ラインゴールド)って聞いたことありますか?Rheingoldは、元々、Bodo Staiger (Vo, G; ボド・シュタイガー), Lothar Manteuffel (lyrics; ローター・マントイフェル), Brigitte Kunze (Kbd; ブリジッテ・クンツェ)から成るNDWバンドで、結成は1980年で、1984年解散までにエレ・ポップなアルバムを3枚出しています。因みに、Bado Staigerは、Rheingoldの前に、Marius Müller-Westernhagen (マリウス・ミューラー・ヴェステルンハーゲン)とバンドをやっていましたが、Düsseldorfの音楽シーン、特にKraftwerkにインスパイアされて、Rheingold (Richard Wagnerのオペラからバンド名を取っています)を結成しています。彼等の曲”Dreiklangsdimensions”, “Fluss”, “Fan Fan Fanatisch (このシングルはアルバム”R”に収録されています)は、Désirée Nosbusch (デジレ・ノスブッシュ)とBodo Staiger主演の映画”Der Fan”サントラで、これらをシングルとして出した所、シングルチャートで”Dreiklangsdimensions”が17位、“Fan Fan Fanatisch”で24位、”That Suit You Will”が44位まで上ります。そして、Dreiklangsdimensions”は、NDWの曲として、1981年10月に独国内チャートトップ20に入っています。しかしながら、英語ヴァージョンも録音していますが、英語圏では然程成功はしなかったようです。一方、Lothar Manteuffel は、元KraftwerkのKarl Bartosと共にデュオElektric Musicを結成し、Kbd奏者のPeter Heppner (ペーター・ヘップナー)と共に、2009年にツアーを回っています。話しを戻すと、1984年にVonoは、バイエルンTV放送で、Kbd奏者Rolf Meurer (ロルフ・モイラー)と一緒に最後の演奏をしていますが、Meureは、現在、Kraftwerkのサウンド&ステージデザイナーとして働いています。また、Bodo Staigerは、1988年にDüsseldorfで、Rheinklangスタジオを設立し、そこで、プロデューサー兼サウンド・エンジニアとして働いており、VonoのメンバーであったBrigitte Kunzeは、Staigerと結婚しており、一緒に働いている一方、レーベル3Klangrecordsも運営しています。1997年には、Staigerは、元KraftwerkのWolfgang Flürのソロアルバムのプロデュースを手伝い、Yamoとしてリリースしています。2007年には、Rheingoldはオリジナル・ラインナップで、Fehlfarben, Kraftwerk, La Düsseldorf, Propaganda等、1970年代, 1980年代, 1990年代のDüsseldorfのエレクトロ・ポップ・バンドのカバー集”Electric City (Düsseldorfer Schule)”をリリースしています。しかしながら、Bado Staigerは、2019年12月に他界しており、以降はRheingoldの名前は誰も使っていません。
 以上がRheingoldの略歴となりますが、本作品はそんなRheingoldのサード・アルバムにしてラスト・アルバムで、参加者は、Bodo Staiger (Vo, Programming, Instruments), Brigitte Kunz (Vo), Lothar Manteuffel (Vo, Kbd)で、ゲストにRaoul Walton (B [A3,B3])も参加しています。Bodo StaigerとConny Plankが、プロデュース・録音・ミックスを行っており、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。

★A1 “Via Satellit” (4:54)は、打ち込みとシンセだらけの良質のポップミュージックで、メジャーでも通用しそうです(既に通用しているのか!)。甘い男性Voも感じが良いです。
★A2 “Fantasie” (5:32)は、やや憂いのある、しっとりしたシンセ・ポップで、男性Voの耳元で囁きも色っぽいですね。メロディも秀逸です。
★A3 “Nur Ein Wort” (3:48)は、軽快なビートと出だしのシーケンサーがカッコ良いポップミュージックで、この曲では女性Voがメインで歌っています。間奏にGらしきソロが入っています。
★A4 “Computerbeat” (4:47)は、機械的なシーケンスとドラムマシンに、シンセのリフと掠れたような男性Voから成る曲で、タイトル通りの如何にもなアレンジが施されています。間奏のドラムマシン&SEシンセのソロは一聴に値します。
★B1 “Der Ton Macht Die Musik” (1:28)は、シーケンサーと語り口なVoとの絡みから、四つ打ちリズムへと移行する小曲です。
★B2 “Distanz” (4:27)も、四つ打ちリズムに、裏打ちのシンセのリズムと明るいシンセのメロディが乗り、更に男性Voも歌うシンセ・ポップで、中々聴かせてくれます。
★B3 “Strahlende Zukunft” (8:58)は、直線的シーケンスと欧州的な壮大なシンセのメロディから、タメにタメて、ミドルテンポの曲が始まります。優男風の男性VoとB&ドラムマシンとシンセの軽やかなリフから成るのが本質で、間奏も含めて中々聴かせてくれます。
★B4 “Digital” (2:52)では、太いSynth-Bのシーケンスに、シンセのリフやドラムマシンが重なっていき、段々と盛り上がっていきます。因みに、この曲はインストです。

 A1でも書きましたが、全然アングラ感のない、健康的なメジャー寄りのシンセ・ポップのオンパレードです。シンセ好きなら、抵抗は無いかもしれませんが、まぁNDWを期待すると、ハズレに感じるかもしれませんね。また、シンセウェーブと言うよりもエレ・ポップに近く、例えばEurythmicsのような立ち位置ではないかとも思います。それ程までにメジャー予備軍的で、ポジティブな印象です。まぁ、元Kraftwerkのメンバーとも関係がおるようですから、それなりのステイタスなのでしょう。まぁ偶には良いかな?

A4 “Computerbeat” (4:47)
https://youtu.be/hcBHFqEXPaw?si=SVfp7j8jObdJHB1e

[full album}
https://youtube.com/playlist?list=PLImxxB-TuhbcKtAfS1F5jyAc3ZObVgqYy&si=9NK52H1k3NwpQNjI

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