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V.A. “Sammlung - Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”
1980年代は、カセット・カルチャーが爆発した年代であると思います。それは、単価が安いこと、世界中どこでも再生可能なフォーマットであること、それに送料などもそれ程高くないこと等の要因に加えて、当時、安価な録音機器やシンセ等の電子楽器が庶民の手に届くようになったことも、カセット・カルチャーを底上げしていたと思います。なので、多重録音も可能になり、宅録アーティストが多く出現したのだと思います。今回は、そんな時代(1982-1989年)に、独、特にDüsseldorfに活動の中心を置いていた宅録電子音楽アーティストのカセット作品からセレクトした曲を集めたコンピレーション・アルバム”Sammlung (ザムルング)- Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”を紹介したいと思います。いわゆる、匿名性でのコンピでもある、この偉業を成し遂げたのは、いつもお世話になっている独レーベルBureau Bです。感謝! そのような時代背景を思い浮かべて聴いてもらえると幸いです。また、NDWに詳しい方は、Düsseldorfが1980年代初頭、様々なバンドを排出した都市としても重要であることが容易に予想出来ると思います。内容的には、A面6曲/B面7曲となっていますが、良く分からないグループ名が多いです。しかしながら、そう言う未知の音を聴くと言う楽しみを存分に味わいましょう。それでは、各グループと各曲の紹介をしていきたいと思います。 ★A1 Konrad Kraft(コンラッド・クラフト) “F” (5:08)は、クリック音から、複雑な民族音楽調のドラムマシンとピコるシーケンスの打ち込みから成る曲で、明確なメロディはハッキリしませんが、リズム重視なので、そこら辺が面白いですね。 ◉Konrad KraftはDetlef Funder(デトレフ・フンダー)のソロユニットで、この曲は1985年作ですが、1987年以来、SDV TonträgerやAuf Abwegenから最近までリリースを続けています。以前にも彼のアルバムを紹介しています。 ★A2 Deux Baleines Blanches (デュー・バライネス・ブランチェス)“Draht 8” (2:30)は、バンブードラムのようなドラムマシンとギターループから成るミニマルな曲で、音の質感がそれ程、電子的では無く、そのギャップがまた面白いです。 ◉DBBはStefan Schneider (G-Loop; シュテファン・シュナイダー)とHeinz-Adolf Tack (Synth; ハインツ・アドルフ・タック)のデュオで、本曲は1986年11月に録音されています。 ★A3 Ettlinger(エッティンガー) “bzw” (2:10)は、ホントにカシオトーンのリズムと簡単なシーケンスに、カシオトーンによるメロディが乗っかった曲で、プリミティブかつプリティーな曲になっています。 ◉Ettingerは、Stefan Ettingerのソロ名義で、Casio VL-Toneを使って、Fostex録音機器Model 250で多重録音した曲で、1982年作です。 ★A4 Mentocome(メントコメ) “b6” (4:28)では、民族打楽器らしきドラムマシンが、スカスカにプログラムされていますが、後半は硬質なリズムと微かなメロディに突然変化して、浮遊感から土俗性すら感じます。 ◉Mentocomeは、Axel Grube(アクセル・グルーべ)とRainer Robowski (ライナー・ロボヴスキー)のデュオで、本曲は1986年作です。 ★A5 Frigorex (フリゴレックス) “The Beginning” (2:51)では、ポップ調のドラムマシンとシーケンスなのですが、バックにはシンセの持続音が流れており、ピコった音も聴取でき、中々ファニーな曲になっています。 ◉Frigorexは、Dino Oon(ディノ・オーン)とKonrad Kraftのデュオで、本曲は1982年作です。 ★A6 Dino Oon “Nr. 6” (3:52)は、不協和音的で唸るオルガンのドローンから成る異色な曲で、時々、シンセやドラムマシンの短いシグナル音が入ってきます。 ◉A5のDino Oonのソロで、1989年作です。 ★B1 Pfad Der Tugend (ファド・デル・ツゲント) “Einklang” (2:26)は、バンド演奏で、テンポチェンジも含めて、始終、バックの演奏が主導権を握っており、その上をシンセが飛び回ります。 ◉PDTは、Martin Kobele (B; マルティン・コベレ), Jochem Simons (G; ヨヘム・ジモンズ), Heinz-Adolf Tack (Synth), Stefan Krausen (Drs;シュテファン・クラウゼン)から成るバンドで、1987年2月録音です。 ★B2 Kurzschluss (クルツシュルス)“L'Inconnu” (1:58)は、ポリシンセとシンセBから成るミニマルな展開の曲で、単音シンセがその上で踊っているように不明確なメロディを奏でています。 ◉Kurzschlussは、Catherine Ledit(キャサリン・レディット)のソロユニットで、本曲は1986年作です。 ★B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29)は、ちょっとだけYMOを想起させるオリエンタルな雰囲気の打ち込みから成る曲で、そう言う意味では異色ですね。 ◉WBは、Andreas Bongartz (アンドレアス・ボンガルツ)とAndrea Bearch (アンドレア・ベアルチ)のデュオで、本曲は1986年にGood Boy Studioで録音されています。 ★B4 Le Petit Mort (ラ・プチ・モール) “Geheimes Wissen” (3:04)は、不気味雰囲気のドラムマシンとシーケンス成りますが、やはりバンブードラムのような音質が目立ち、民族音楽調、かつミニマルな曲です。 ◉LPMは、Catherine LeditとDirk Grutzmann (ディルク・グルッツマン)のデュオで、本曲は1988年に録音されています。 ★B5 Strafe Für Rebellion (シュトラーフェ・フュール・レベリオン)“Boston” (3:26)は、時計の音とディレイを掛けたキックに、チェロのようなシンセ音から成る不定形の曲で、時に野卑なヴォイスやテープループや色々なノイズ要素が挿入されます。 ◉SFRは、Bernd Kastner (ベルンド・カストナー)とSiegfried M. Syniuga (ジークフリード・M・ジニュガ)のデュオで、2人が全てのノイズと楽器を担当して、1988年に自身のスタジオで録音した曲です。 ★B6 Maria Zerfall (マリア・ツェルファール)“Wohin” (2:32)は、反復するシンセ音に、女性Voやテープ音も入るパワー・エレクトロニクスです。中々、様になっています。 ◉1986年作の彼女のソロ曲です。 ★B7 ADD “Dörper's Dream” (3:56)では、機械仕掛けの内部音に、オルガンとテープ音が被ってきて、更に不穏なメロディでダークな音像を醸し出しています。DörperってDie Kruppsの? ◉ADDは、Bernd Zimmermann (ベルンド・ツィマーマン)のソロユニットで、1983年作です。 He 「流石、Düsseldorf !」と言った幅の広い曲がコンパイルされていますね。それこそ、エレ・ポップ調〜ドローン〜パワ・エレ〜ノイズまで押さえてあり、Bureau Bの底力が発揮されています。数年前に、日本でもカセットブームがありましたが、最近のブームというのは、カセットはフィジカルとして、音はDLして聴くという感じが多かったのですが、ここに収められているのは、いずれもカセットのみで配給・交換が為されていた訳で、そこに大きな違いがあるようにも思います。そんな独のアングラ音楽シーンを支えていたカセット作品群の中でも、電子音楽に特化した点が興味深いです。そして、その音楽の振り幅も広く、興味深く聴けました。今でも通用する音楽もありますので、一度は聴いてみてはどうでしようか?面白い世界ですよー! B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29) https://youtu.be/ZEOuYIAP174?si=Z0QXCoOQc8NGqCTO [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_meALp9YzQZvcovRewwvwg3nF63GNxsF6E&si=bfs5ZteUbdvsR1zi #VariousArtists #Sammlung #ElektronischeKassettenmusikDüsseldorf1982-1989 #BureauB #CompilationAlbum #CassetteCulture #Düsseldorf #1980年代 #Electro #SynthWave #Experimental #Industrial #Drone #Noise #KonradKraft #DeuxBaleinesBlanches #Ettlinger #Mentocome #Frigorex #DinoOon #PfadDerTugend #Kurzschluss #WoodenBarrows #LePetitMort #StrafeFürRebellion #MariaZerfall #ADD
Experimental / Electro-Pop / Industrial Bureau B €20.00Dr K2
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Andreas Dorau “Das Wesentliche”
またまた、Andreas Dorauのアルバムです!2019年の新録アルバムです(最新作と思っていたら、2024年にアルバム”Im Gebüsch“が出てました)。彼のバイオグラフィーについては以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Das Wesentliche (ダス・ヴェゼントリッヒェ「核心」)と題されていますが、その真意は?と勘繰ってしまいます。まぁ、彼のことですので、Dorauとしての「核心」に立ち返った作品なのでは?と予想しています。なお、本来なら特別版の2枚組を買うところを、通常版の1枚だけのモノを買ってしまいました。ちょっと残念ですが、堪忍して下さい。内容的には、A面7曲/B面8曲が収録されています。殆どの曲は、DorauがVo/Synth/Gで、今回、プロデュースもやっているマルチ奏者Zwanie Jonson (ツヴァニー・ジョンソン)やギタリストのGunther Buskies (ギュンター・バスキーズ)、Kbd奏者Carsten Erobique Meyer (カーステン・エロビーク・メイヤー)及びEric Falconnier (エリック・ファルコニアー)がバックをしっかりと固めています。それでは、各曲について、紹介していきましょう。 ★A1 “Nein!” (1:59)は、Dorauしては珍しく、アコギとピアノを使った軽妙なポップ・ミュージックの小曲で、肩の力も抜けてます。新境地ですね。 ★A2 “Unsichtbare Tänzer” (3:34)は、唸るBとタイトなDrsに合わせて、軽めのシンセやSE的電子音に、優しいDorauのVoが聴ける曲で、聴きやすいです。 ★A3 “Identität” (2:07)は、跳ねるようなハッピーなリズムと手拍子に、Dorauが「可愛らしく」歌ってます。ピアノも良い具合ですねぇ。 ★A4 “Menschen Tragen Graue Hüte” (1:50)も、ハッピーソングで、やはり跳ねるようなリズムと何と!Gも入ってきます。小曲なんですが、元気が出ます! ★A5 “Wieso” (2:00)では、女性コーラスと軽快なバックに、Dorauが力まず、自然体で歌ってます。 ★A6 “Dinge Können Sich Ändern” (1:15)は、優しいシンセの音とポップなバックに、Dorauが柔らかく歌っていて、何だかほっこりします。 ★A7 “Gebrauchtes Herz” (2:52)も、アコギの弾き語りで始まる軽いポップソングです。最早、シティポップ? Dorauも自然体で歌っています。 ★B1 “Du Bist Eine Insel” (2:58)は、大歓声(ライブでは無くSEとして使っている)で始まる極めて王道ポップな曲で、シンセ以外にもアコギとかも使っていますね。間奏のシンセソロもグー! ★B2 “Naiv” (3:20)は、本作品では、ちょっと趣向が違って、打ち込みリズムに、ホーン風なシンセやエレピの演奏と絡んで、DorauのVoを聴くことができます。 ★B3 “Vielleicht” (1:05)も、エスプリの効いたラテンっぽい小曲です。Dorauは、タイトルをただただ反復して歌っています。 ★B4 “Hey Tonight” (2:22)も、打ち込みSynth-Bのリズム隊にGと言う簡素なバックで、可愛らしくDorauが歌っています。間奏のシンセソロも良き。 ★B5 “Fallen” (1:31)は、結構、細かい打ち込みを主体としたリズム隊とシンセをバックにDorauらしくしっかりと歌っています。 ★B6 “Instant Magic” (1:24)では、大胆なシンセと生ドラムをバックにDorauがタイトルを反復して歌っています。なお、シンセ度も高い曲です。 ★B7 “Schwierigkeiten” (2:41)も、シンセ度高い曲で、バックは打ち込みで、特にキックが効いています。コーラスワークが良いのと、後半のアコギもグーです! ★B8 “Was Immer Du Auch Vorhast” (2:22)は、日曜の朝のような穏やかな曲で、Gとピアノがバックの主体なんですが、Drsやコーラスも入ってきて、エンドロールとして良い感じです、 本作品は、今までと違って、割とアコースティックな要素が多いのと、短い曲が多いのですが、日本の「シティポップ(昔のニューミュージックですね)」のような軽妙で毒の無いポップソングが主体を占めています。まぁ、シティポップは言い過ぎかもしれませんが、とにかく、軽めで、肩の力を抜いた感じが、初めて聴いた時の第一印象です。まぁ、Andreas Dorauももういい歳のおじさんになったと言うことでしようか。また、歌詞に関しては、タイトルを呟くように繰り返すのも特徴ですね(彼って作詞は苦手なのかな?)。それでいて、一発で、Dorauと分かる「歌心」が、彼の持ち味でしょう。そんなDorauの歌も聴いてみませんか? それから、曲は短いものが多いのですが、アレンジは凝っていて、そんなことを考えさせずに、すんなりと聴かせてくれるのも、DorauのDorauたる所以でしょう! B2 “Naiv” (3:20) https://youtu.be/E6hh15I9M3Q?si=ZtzOIbUdOzsax5PP [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mpecD3C1IV6F2E8h2NTo3QTmPFsxAqQKk&si=iT5pBLTpbDSKVbna #AndreasDorau #DasWesentliche #TapeteRecords #SoloAlbum #HeavyGauge #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopMusic #CityPop #AcousticGuitar #Synthesizers #Choir #Drums
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Tapete Records €20.00Dr K2
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Andreas Dorau “Ärger Mit Der Unsterblichkeit”
またまた、Andreas Dorauで申し訳ない! 今回は、 Dorauとしての全経歴中4作目のアルバムになります。しかしながら、今回のDorauは、どうもミュンヘンのクラブで知ったらしいアシッド・ハウスに着想を得ての作品らしく、全編、サンプラーを用いた曲で、今までの打ち込みシンセ中心の彼の音楽とはかなり違っています。一言で言えば、Dorau流クラブ・ミュージックですね。確かに、VoはDorauなのですが、バックの演奏は、完全にサンプラーを多用しています。なお、私の購入したのは、再発盤ですので、B6-B7の2曲はボーナストラック(オリジナルではA1-B5が収録)となっており、A面6曲/B面7曲が収録されています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Warten” (3:44)は、タイトな打ち込みリズム隊と四重奏のような弦楽器とピアノが組合せに乗って、Dorauが朗々と歌う曲です。 ★A2 “Es Dreht Sich Die Welt” (4:16)も、やはりタイトなリズム隊とSE的シンセに乗って、Dorauも歌っていますが、テンポがヒップホップ的で、Gも入っています。 ★A3 “Geträumt Von Dir” (4:18)は、リュートの流れるようなイントロと、女性コーラス等の色んな音のサンプリングから成る曲で、Dorauの語り口Voもありますが、今までとは違い、ダークな雰囲気です。勿論、リズムはあります。 ★A4 “Einsam” (4:59)では、群衆の騒ぎのような音とブレイク・ダンス曲調の打ち込みリズム隊に合わせて、Dorauが軽妙に歌っています。コーラスとの掛け合いもグー! ★A5 “Die Trottellumme” (3:19)は、スパイ映画の表題曲のようなシンセで始まり、やや跳ねるようなリズムの曲で、多分、サンプリングしたオルガン等の音で作っているのではないでしょうか。中々に怪しい感満載です。 ★A6 “Stoned Faces Don't Lie” (5:17)も、重めのリズム隊(B-Synthはやや抑え気味)に、Dorauの歌とサンプリングした声を上手く組合せています。サビの歌(表題の英詞)もサンプリングした声では? ★B1 “Die Schande Kommt” (3:36)では、軽めの打ち込みDrsと奥で流れるシンセ音及びサンプリングされた電子音に合わせて、Dorauが歌っています。 ★B2 “Tiere Im Regen” (2:59)では、民族音楽的な打楽器のリズムに合わせて、笛の音のようなメロディとオペラのテノールのサンプリングが乗り、そこにDorauのVoが入ります。 ★B3 “Menschenschicksale” (3:19)は、タイトなリズム隊とサンプリングされた音から成るダンス・チューンで、DorauのVoも含めて、ノリが良いです。 ★B4 “Das Ist Das Wirkliche Leben” (4:12)は、ゴムの口琴のようなイントロから始まるダンサブルな曲で、心待ちDorauのVoもラップ調で、シンセのリフも軽妙かつサンプリングされた音ですね。 ★B5 “Der Wasserfloh” (3:06)は、ややスローな電子バラードな曲で、単調なリズムに、語り口VoとSE的なシンセとピアノが乗ります。 ★B6 “Die Schande Kommt (Dub-Version)” (3:40)は、タイトル通り、B1のダブ曲なんですが、多少のスネアのディレイ掛けやリバーブ処理されたVoは聴取できますが、大きく崩している所は無いです。 ★B7 “Stoned Faces Don't Lie (Gitarrenversion)” (3:35)は、A6のギターヴァージョンなんですが、ドライなブレイクビーツに、Synth-Bとサンプリング音とDorauのVoと言う組合せは変わらず、Gは然程入っていないと思われますが、どうでしょう? と言う訳で、この作品をもって、Dorauは、ATA TAKを離れますが、そのくらい、Dorauの作品としては異質な感じを受けます。つまり、ヒップホップ・カルチャーの要素をかなり色濃く受容していますね。私は、そこら辺はちょっと疎いのですが、とにかく、全編、リズム隊の構成やテンポ等がダンス・ミュージック的であり、それにも増して、サンプリングがかなり使われているので、Voを抜いたら、「これ、ヒップホップでしょ?」と思う位、曲調が変わっています。しかしながら、先述のように、Dorauが耳にしたアシッド・ハウスをここまで、忠実に再現し、同時に、自分の曲として取り入れてしまうのは、やはり彼の音楽的才能なのでしよう!この作品の後の”Neu!”も同様の路線なので、ここら辺はDorauファンとしては押さえておきたい作品ですね! https://youtu.be/VhIQHZLCP-8?si=ex_75ChVL_YL-f_z [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcXKhIhN-nP3lhfEV3uikr6D&si=sY1S88KFK_G5fmQS #AndreasDorau #ÄrgerMitDerUnsterblichkeit #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #HeavyGauge #ATATAK #EFA #1992年 #SoloAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #HipHop #Electro #Sampling #AcidHouse #Sampler
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Bureau B (ATA TAK / EFA) €20.00Dr K2
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Andreas Dorau Und Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen “Demokratie“
今回は、またまた、Andreas Dorau (アンドレアス・ドーラウ)関係を!Discogsで調べてて載ってないなあと思っていたら、後に続く、Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen (ディー・ブルーダァシャフト・デア・クライネン・ザールゲン; 「ちょっとした悩みのある親友」の意)も含めてのアーティスト名だったので、漸く分かりましたが、この名義では、本アルバムと表題曲のシングル1枚しか出ていません。なので、実質、Dorauのソロと考えても宜しいかと思います。それで、この作品の一つ前の作品は、所謂Die Andreas & Die Marinas名義で、かつメジャーから出ていたのですが、その時に、音楽産業のやり方にほとほと嫌気が刺して、一時期、映像作家への道も目指していました。しかしながら、再び、音楽の世界へ戻ってきて、暫く振りに制作されたのが、本作品となります。「クラウトロック大全」によると、英国で活動していた時に、Flying LizardsのDavid Cunninghamと知り合い、彼を通じて、Michael Nymanをアレンジャーに起用して制作されたとのことです。しかも、古巣のATA TAKからのリリースとなります。そして、本作品の参加者は、Andreas Dorau (Vo, Synth, Kbd, etc)とそれ以外に、Christian Kellersmann (Sax), Christoph Bunke (B), Moritz von Oswald (Drs)がいます。それで、A1-B7はオリジナルに収録されていますが、B8-B9は、再発盤でのボーナストラックとなっています(A面8曲/B面9曲収録)。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Immer Nur Warten” (2:06)は、可愛らしいKbdの響きとワルツのリズムに乗って、地声で歌うDorauが何とも瑞々しい。最後はマーチ調になってフェイドアウトします。 ★A2 “Sei Steif!” (2:50)は、タイトなリズムのノリの良い曲なんですが、ワザと不協和音を使ったりするところがニクいですね。弦楽四重奏やシンセの間奏も中々のアレンジです。 ★A3 “Demokratie” (4:02)は、表題曲で結構ロック調ですが、何とも可愛らしい声で「これが民主主義だ!」なんてサビで歌うのは変な違和感があって、聴いている方がくすぐったいです。声での管楽器のマネもおちょくってるみたいで、如何にもATA TAKっぽい。 ★A4 “Sucht Eure Tat” (2:58)で、もろバロック調の室内楽をバックに、掠れ声で歌うDorauは、何故か悲し気で、こちらまで泣ける。何故か、戸川純を思い出します。 ★A5 “Taxi Nach Shibuya” (3:18)も、弦楽器の爪弾きのイントロからクラヴィアと打ち込みBの清らかなメロディですけど、間奏の弦楽器が入っているところが、Dorauらしいインスト曲です。 ★A6 “Blume '86” (2:35) は、再び、タイトなリズム隊とDorauのKbdワークとVoが冴える1曲になっています。、 ★A7 “Tradition” (1:47)では、弦楽器のリズムにクラリネットのサブメロディをバックに、変調Voで対抗していますが、サビではDrsも入ってきて、力強く曲が進行します。 ★A8 “Frauenfüsse” (3:01)は、軽やかなリズム隊とKbd に、爽やかにDorauに歌ってますが、聴いてるこちらが気恥ずかしくなります。「ラララッ」って歌うのも、何だかDorauっぽくて良いですね。 ★B1 “Stehst Du An Der Himmelspforte” (3:41)は、カッコ良いビートに、DorauのVoとエレピが乗るポップ・ロック調の曲で、ちょっと異色です。最後のSaxとエレピの絡みもサイコー! ★B2 “Na, Du Alte Kuh” (2:38)も、タイトで強力なリズム隊にシンセでの刻みと、やや落ち着いたDorauのVoが乗り、間奏のシンセとSaxの絡みもカッコ良い! ★B3 “Ein Liebesraum” (2:14)は、一転、Logic Systemか⁈と思いましたが、スローで落ち着いた曲ですが、変調Voで「TOKIO〜」とか歌っていて、ちょっとクスって。曲自体は素晴らしいです。 ★B4 “Ein Fall Für Dr. D” (2:49)は、指パッチンとBとエレピのイントロから、Drsと共に女性のスキャットとコーラスが瑞々しいメロディを歌いあげており、これぞ!Dorauとも言うべき曲です。 ★B5 “Immer Noch Warten” (2:45)は、勇ましいマーチのリズムに、ナヨっとしたDorauのVoが「おい、大丈夫かぁ?」とツッコミを入れそうな勇壮な曲です。 ★B6 “Willi Im Busch” (2:28)は、ちょっと悲しげなワルツの打ち込みから成るインスト曲です。暫し、休息かな?でもメロディは最高で、泣けます。 ★B7 “Ein Tropfen Geht An Land” (1:02)は、ジェット機音のイントロから始まる、女性とのデュエットの小曲です。 ★B8 “Menschenschicksale (1. Version)”では、ループ音のイントロから、柔らかい女性Voが優雅なワルツのリズムに乗って流れていきますが、Dorauは歌っていません。最後は不協和音。 ★B9 “Ein Liebesraum (Remix)”は、打ち込みのリズム隊に、ゆったりしたシンセが流れ込んできて、没入してしまい、甘い気分になります。そこに「TOKIO〜」と一回だけ入ります。 全体としては、Die Marinasを引き連れていた頃よりも、格段に大人びた曲調になっており、彼の成長/本来の音楽的指向が伺えます。それにしても、彼の曲と言うのは、多分ブラインドで聴いても、Dorauでしょ?と分かるくらい、個性的だと思います。それで、思ったんですが、日本で言うと戸川純が一番近いかなぁと。当然、男女の違いはありますが、中々、「大人」になれないけど、本人は頑張っているところの立ち位置なんかは似てると思えます。まぁ、そんなこと言うのは、私だけかもしれませんが。本作品では、バックの演奏もタイトで、しっかりしていので、また、今までの童謡調ポップ・ミュージックとは異なり、その分、音楽的にも楽しめます。多分、Michael Nymanのアレンジ力も後押ししているのだと思います。それで、解説書を読んだら、「Dorauは、Frank Zappaか?Morzartか?」と言う見出しが付いていましたが、「変だって?いや、彼はMozartだから。」と締めてありました!分かるわぁぁ❗️ https://youtu.be/8d_vx7JiBlw?si=f7YKgO5qcc6jesRp #AndreasDorau #DieBruderschaftDerKleinenSorgen #Demokratie #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #ATATAK #1988年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Synthesizers #ChristianKellersmann #ChristophBunke #MoritzVonOswald #Co-Producer #FrankFenstermacher #Arranger #MichaelNyman
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Bureau B (ATA TAK) €20.00Dr K2
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A. K. Klosowski & Pyrolator “Home-Taping Is Killing Music”
実は、この作品、CDでは持っているのですが、どうしても、アナログで聴きたくなって買ってしまいました。そして、1990年代に西新宿の某専門店で初めて、この作品の存在を知った時は、凄くショックでした。ジャケ写とかインナーの写真を見てもらえると分かるのですが、10数台のカセット・ウォークマンを連結して、それぞれに長めのテープループを仕掛けた、完全手作りの「アナログ・サンプラー」のような装置(? 楽器?)を使って、他の楽器と一緒に演奏し、それを録音していたからです。当然、1985年頃にサンプラーと言えば、非常に高価なEmulator-1がやっと市場に登場した時期でしたので、このLo-Fiでアナログな発想の凄さにビックリした訳です。そのテープ・ループ・マシンを作製したのが、Arnd Kai Klosowski (アルンド・カイ・クロゾヴスキー)で、それと共演しているのが、Der Plan及び面白音楽の宝庫ATA TAKで有名なPyrolator (ピロレーター)ことKurt Dahlke (カルト・ダールケ)で、それぞれの志向を思い浮かべると、両者の会合は必然でした。これを使えば、サルサのトランペットとグレゴリオのコラールが出会い、鉄道のノイズとカンボジアの音楽が出会い、ゴスペルとバイエルンのヨーデルが出会うことが可能であるとのこと。いやはや、こう言う「自作楽器」を作り、また、それで「音楽」を作ろうとする柔軟な思考とそれをやり切る努力には本当に頭が下がります。 それで、A. K. Klosowskiのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。彼は、1968年に、ハンブルクのAlbert Schweitzer中学校に通っており、そこの音楽教師がクラシックだけではなく、The Beatlesとかテープループとかも教えていたそうで、Klosowskiは、テープループを作ることに熱を上げていました。そこで思いついたのが、第一世代のPhilipsのカセット・レコーダーを使ってみることでした。そうして、1970年代末〜1980年代初頭に、ちょっとしたメモリー機能も付いたテープループマシンを作り上げます。彼自身はジャズギターもやってはいましたが、このマシンには全く合いませんでした。その後、彼は金細工職人になる修行の為にミュンヘンに移りますが、やはり、このマシンを使って音楽をやりたいと思い、ディスコでDJがブース内でやっていることに利用できないかと思い付きます。そこで、彼は8チャンネルのミキサーを用意して、友達の手を借りて、即興的に、このマシンを操作してみます。しかしながら、その「演奏」を理解してもらえる人はいませんでした。そこで、彼は中学校時代のテープループの実習を思い出し、再び、改良を加え、このマシンを完成させて、自分自身で最初の録音を行なってみます。その録音した作品を、独自主制作レーベルZickZackのボスAlfred Hilsberg (アルフレート・ヒルスバーク)に聴かせます。Alfredは、好意的な反応を示しますが、彼から「多分、君のやりたいことは、ATA TAKのPyrolatorが適任だよ」とアドバイスを受け、早速、ATA TAKに連絡を取ります。しかしながら、Pyrolatorは当時、プロデュース、レーベル運営、出版そして音楽活動等で時間が中々取れませんでした。しかしなが、Pyrolatorは、彼に録音仕方などの音楽のイロハを教えつつ、1984年/1985年に1週間で一緒に作ろうと約束してくれて、Klosowskiは自作のテープループマシンを、Pyrolatorも自分の特注のコンピューターBrontologik (Korg MS-20やYAMAHA DX-7を動かす為のシーケンサー・システムの一種)での演奏を録音しています。2人は、面白いサウンド・コラージュが出来たと満足し、更に、曲になり得る部分をトリミングして出来たのが、本作品とのことです。この作品は、2人の志向が似ていたのとも幸いしていたようです。つまり、2人は、サウンド・コラージュやオブスキュア・ミュージック、新しいテクノロジーに興味があったようです。それで、出来上がった作品は、当初、ZickZackから出そうと思っていたそうですが、Alfredに、ATA TAKの方がカラーが合っていると言われたことで、ATA TAKからリリースされた訳です。現在、Klosowskiは、ハンブルクで金細工職人として働いており、勿論、マシンの方もまだ持っているそうです。 上記の流れの中で出来た作品ですが、最初は、Klosowskiの単名で、Pyrolatorはプロデュースと言うことも考えられていましたが、最終的には、2人の共作と言うことになりました。私の購入した作品は、再発盤なので、A1-B2が1985年作のオリジナルに収録されており、B3-B7は、今回の再発盤でのボーナス・トラックとなっています(A面8曲/B面6曲)。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Overtüre” (0:36)は、仰々しいシンセとベースシンセから成る短い前奏曲です。 ★A2 “Österreich” (3:30)は、複雑な打ち込みドラムマシンとオーケストラのテープループに、カットインで入ってくるテープ音やシンセから成る曲ですが、不思議なメロディ感もあって、差し詰めちょっとした「室内楽」ですね。 ★A3 “Tschak” (2:44)では、アラビックなイントロから、ジャジーな曲調になり、時に他の雑多な音要素も混在しており、音的には複雑ですが、難解ではありません。 ★A4 “Hammond” (3:41)は、硬質なリムショットから、アップテンポの曲になりますが、変調した子供声らしき音やシンセ音などの色々な音が次々に出てくる楽しい曲です。ひっそりとシンセのメロディも流れています。 ★A5 “Agana Wudiov” (3:37)は、如何にもな人声のテープループから始まり、複雑な打ち込みリズム隊に合わせて、ループ音(ゴージャスなブラス音も)やシンセ音がちょこまかと絡み合う曲です。 ★A6 “What Made You So No Good” (3:45)は、Bのソロから始まり、囁き合う男/女の声のテープループ音やシンセのリフと可愛らしいリズムとが淡々と綴られる曲で、一番落ち着いた雰囲気です。 ★A7 “Heimat” (2:41)では、変調した人声のループ音とマシンリズムが変な調子で絡み合う曲で、硬質なシーケンスやシンセ・ソロも聴取できます。教会の鐘音で終わります。 ★A8 “Dahomey” (5:07)では、爆発音らしき音の後に、タブラらしき打楽器のループと時折のドラムマシン音で曲が進み、段々と中近東風の歌(多分テープループ)の断片やいびきの音が入ってきます。中々ユーモラスなセンスです。 ★B1 “You Know I Need” (3:18)は、ショット風のシーケンスと打ち込みドラムに、エコーが掛かった人声のテープ音やシンセのリフ等が巻き垂らされつつ入ってくるゆったりとした曲です。 ★B2 “ZV9” (3:52)は、いきなりロックGで始まりますが、それのループに同期した打ち込みリズム隊が入ってきて、擬似ロックな曲に仕上がっています。「Gソロ」もあり、中々カッコ良い! ★B3 “Hi Fidelity” (3:28)では、ハウス風のシンセ音ループから始まり、四つ打ちキックと同期して進みますが、当時、ハウス・ミュージックは、それ程世間に浸透していなかったと思われますので、その先見性は素晴らしいです。 ★B4 “China First On Mars” (5:52)は、ロケット発射のカウントから始まる曲で、不明瞭なマシンリズムにシンセのメロディが延々と続く中、ディレイを掛けた人声や不明な音等が次々に投下されていきます。僅かに中華風の女性の歌唱も含みます。 ★B5 “Österreich (Roughmix)” (3:43)では、バンブーリズムと人声のテープ音で始まり、中々複雑な打ち込みリズム隊(時に逆回転も)に、アコーディオンの音の残骸も時に聴取されます。 ★B6 “Dahomey (Roughmix)” (6:19)は、不鮮明なリズム音のテープループにタブラの音等が加わり、中近東風歌声のテープ音の断片も撒き散らされる曲で、シンセ音はA8ほど入っていません。マントラのような曲です。 久しぶりに聴いてみましたが、当時、聴き流しながら聴いていた時と異なり、じっくり聴いてみると、そこここにテープループ音が上手くハマっており、仕上がりを聴くと、流石Pyrolatorと言うべきミックスになっていますね。まだ、ボーナストラックでの聴き比べも面白かったです。多分、Klosowskiだけではここまでの音楽性は確立出来なかったのでは?と思います。逆に言うと、全体的にはPyrolator色も強いのですが、Klosowskiのテープループマシンによって、異化されており、そのバランスは絶妙ですね。今や、サンプラーなんて素人でも手に出来る機材ですが、この時代にこう言うアナログ・サンプリングによる音楽が世に出た意味は大きいですね! https://youtu.be/IihmgkcUboE?si=Xwig_-XSgn5RTeNn [full album] https://youtube.com/playlistlist=PL22Aa1wSmDcUFSSA7H5YIt3KXl-i2cABf&si=_Btq-jQltzPlSgIc #A.K.Klosowski #Pyrolator #Home-TapingIsKillingMusic #BureauB #2013年 #Reissue #Remastering #ATATAK #1985年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #HandMadeCassetteSampler #TapeLoopMachine #Brontologik #Experimental #Electro #SoundCollage #ObscureMusic #TechnicalInnovation #ZickZack #AlfredHilsberg
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Bureau B (ATA TAK) €20.00Dr K2
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Lost Gringos “Nippon Samba”
久しぶりに入手しました。そうです、独ATA TAKのLost Gringosの12㌅EP “Nippon Samba”です。発売当時、私はこのEPは認識してはいたのですが、ジャケの余りにもやり過ぎ感が強くて、どうにも触手が伸びませんでした。しかしながら、NDWを極めようとする中で、どうしても聴いておかなきゃと思い立ち、海外購入した次第です。Lost Gringosについては、前回のEP “Troca Troca”の時に書いてありますので、そちらをご参照して下さい。それで、Lost Gringosは、Eberhardt Steinkrüger (Piano, Vo, Tapes; エバーハルト・シュタインクリューガー)とPete Jekyll (G, Sax; Programming [A1, B1]; ピート・ジェキル)のデュオで、今回は、Keiko Miller (Vo), Zins Zinsius (B, Wood-B), Karl-Heinz Tango (Drs, Perc, Vibraphone, Marimba), Hideto Sasaki (Back-Vo), Laurie Lovecraft (Back-Vo), Rudi Glaser (Back-Vo)が、ゲスト参加しており、A面2曲については、Pyrolatorがマスタリングを担当しています。ただ、Pete Jekyllは、ATA TAKのスタジオ・ミュージシャンのようで、このLost Gringosが本当の意味での「デュオ/グループ」だったのか?それともレーベルが仕掛けた洒落みたいな存在(ゲストも含めて)だったのか?は、今持って不明です。と言うことを念頭に置いて、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Nippon Samba (Receitap'ra Sambar)” (5:30)は、打ち込みから始まるサンバ調の曲で、「歌え、踊れ、叫べ、行け、行け、日本サンバ!」を始めとして日本語の歌詞をKeiko Millerが歌っており、思わず脱力しますが、時に挿入される牛の鳴き声や自動車のクラッシュ音等が中々味わい深く、コラージュのセンスの良さを感じますね。 ★A2 “Ohne Dich (Sinti)” (2:25)は、一転、スパニッシュ調で、男性Vo(Steinkrüger?)が、フラメンコGとリムショットとWood-Bに合わせて朗々と歌っており、これはこれで脱力してしまいます。 ★B1 “Tambo Machay” (4:32)は、ドラムマシンとシーケンスに、シタール様の弦楽器が何となく中近東風で、囁くような男性Voがしっとり歌っています。細かいGやKbdも中々捨て難いポイントになっていますし、コーラスによる盛り上がりや民族楽器調のSaxもグー! ★B2 “Vida De Inés” (2:20)は、鶏の声で始まり、女性による語りと微かなアコーディオンらしきバックで始終さる曲で、正直、意味不明です。 この作品も、無国籍風というか、日本&ブラジル〜スペイン〜中近東〜スペインと言うように何の脈絡も無く、しかも沙汰なくこなしており、このレコードの存在意義自体が既に意味不明です。ですが、A1での歌詞もさることながら、サウンド・コラージュのカットインとかの手法は、当時としては画期的であり、そこに実験性を見出すことはできます。しかしながら、全体としては、ジャケのゴチャゴチャ感が彼等の本質なんだろうなと想像しますが、どうなんでしょう?それとも、単なる語呂合わせ的なおふざけなんでしょうか? Pete Jykeyll氏に直接問いたくなっちゃいますね。そんな珍盤です!好事家の方にもお勧めです。 https://youtu.be/kDF-9hyIOzA?si=T5Y7t9YS0kKzgpMJ #LostGringos #NipponSamba #AtaTak #1982年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #MondoMusic #NewWave #KeikoMiller #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #ZinsZinsius #Karl-HeinzTango #HidetoSasaki #LaurieLovecraft #RudiGlaser #Mastering #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK €20.00Dr K2