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Andreas Dorau “Das Wesentliche”
またまた、Andreas Dorauのアルバムです!2019年の新録アルバムです(最新作と思っていたら、2024年にアルバム”Im Gebüsch“が出てました)。彼のバイオグラフィーについては以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Das Wesentliche (ダス・ヴェゼントリッヒェ「核心」)と題されていますが、その真意は?と勘繰ってしまいます。まぁ、彼のことですので、Dorauとしての「核心」に立ち返った作品なのでは?と予想しています。なお、本来なら特別版の2枚組を買うところを、通常版の1枚だけのモノを買ってしまいました。ちょっと残念ですが、堪忍して下さい。内容的には、A面7曲/B面8曲が収録されています。殆どの曲は、DorauがVo/Synth/Gで、今回、プロデュースもやっているマルチ奏者Zwanie Jonson (ツヴァニー・ジョンソン)やギタリストのGunther Buskies (ギュンター・バスキーズ)、Kbd奏者Carsten Erobique Meyer (カーステン・エロビーク・メイヤー)及びEric Falconnier (エリック・ファルコニアー)がバックをしっかりと固めています。それでは、各曲について、紹介していきましょう。 ★A1 “Nein!” (1:59)は、Dorauしては珍しく、アコギとピアノを使った軽妙なポップ・ミュージックの小曲で、肩の力も抜けてます。新境地ですね。 ★A2 “Unsichtbare Tänzer” (3:34)は、唸るBとタイトなDrsに合わせて、軽めのシンセやSE的電子音に、優しいDorauのVoが聴ける曲で、聴きやすいです。 ★A3 “Identität” (2:07)は、跳ねるようなハッピーなリズムと手拍子に、Dorauが「可愛らしく」歌ってます。ピアノも良い具合ですねぇ。 ★A4 “Menschen Tragen Graue Hüte” (1:50)も、ハッピーソングで、やはり跳ねるようなリズムと何と!Gも入ってきます。小曲なんですが、元気が出ます! ★A5 “Wieso” (2:00)では、女性コーラスと軽快なバックに、Dorauが力まず、自然体で歌ってます。 ★A6 “Dinge Können Sich Ändern” (1:15)は、優しいシンセの音とポップなバックに、Dorauが柔らかく歌っていて、何だかほっこりします。 ★A7 “Gebrauchtes Herz” (2:52)も、アコギの弾き語りで始まる軽いポップソングです。最早、シティポップ? Dorauも自然体で歌っています。 ★B1 “Du Bist Eine Insel” (2:58)は、大歓声(ライブでは無くSEとして使っている)で始まる極めて王道ポップな曲で、シンセ以外にもアコギとかも使っていますね。間奏のシンセソロもグー! ★B2 “Naiv” (3:20)は、本作品では、ちょっと趣向が違って、打ち込みリズムに、ホーン風なシンセやエレピの演奏と絡んで、DorauのVoを聴くことができます。 ★B3 “Vielleicht” (1:05)も、エスプリの効いたラテンっぽい小曲です。Dorauは、タイトルをただただ反復して歌っています。 ★B4 “Hey Tonight” (2:22)も、打ち込みSynth-Bのリズム隊にGと言う簡素なバックで、可愛らしくDorauが歌っています。間奏のシンセソロも良き。 ★B5 “Fallen” (1:31)は、結構、細かい打ち込みを主体としたリズム隊とシンセをバックにDorauらしくしっかりと歌っています。 ★B6 “Instant Magic” (1:24)では、大胆なシンセと生ドラムをバックにDorauがタイトルを反復して歌っています。なお、シンセ度も高い曲です。 ★B7 “Schwierigkeiten” (2:41)も、シンセ度高い曲で、バックは打ち込みで、特にキックが効いています。コーラスワークが良いのと、後半のアコギもグーです! ★B8 “Was Immer Du Auch Vorhast” (2:22)は、日曜の朝のような穏やかな曲で、Gとピアノがバックの主体なんですが、Drsやコーラスも入ってきて、エンドロールとして良い感じです、 本作品は、今までと違って、割とアコースティックな要素が多いのと、短い曲が多いのですが、日本の「シティポップ(昔のニューミュージックですね)」のような軽妙で毒の無いポップソングが主体を占めています。まぁ、シティポップは言い過ぎかもしれませんが、とにかく、軽めで、肩の力を抜いた感じが、初めて聴いた時の第一印象です。まぁ、Andreas Dorauももういい歳のおじさんになったと言うことでしようか。また、歌詞に関しては、タイトルを呟くように繰り返すのも特徴ですね(彼って作詞は苦手なのかな?)。それでいて、一発で、Dorauと分かる「歌心」が、彼の持ち味でしょう。そんなDorauの歌も聴いてみませんか? それから、曲は短いものが多いのですが、アレンジは凝っていて、そんなことを考えさせずに、すんなりと聴かせてくれるのも、DorauのDorauたる所以でしょう! B2 “Naiv” (3:20) https://youtu.be/E6hh15I9M3Q?si=ZtzOIbUdOzsax5PP [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mpecD3C1IV6F2E8h2NTo3QTmPFsxAqQKk&si=iT5pBLTpbDSKVbna #AndreasDorau #DasWesentliche #TapeteRecords #SoloAlbum #HeavyGauge #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopMusic #CityPop #AcousticGuitar #Synthesizers #Choir #Drums
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Andreas Dorau “Ärger Mit Der Unsterblichkeit”
またまた、Andreas Dorauで申し訳ない! 今回は、 Dorauとしての全経歴中4作目のアルバムになります。しかしながら、今回のDorauは、どうもミュンヘンのクラブで知ったらしいアシッド・ハウスに着想を得ての作品らしく、全編、サンプラーを用いた曲で、今までの打ち込みシンセ中心の彼の音楽とはかなり違っています。一言で言えば、Dorau流クラブ・ミュージックですね。確かに、VoはDorauなのですが、バックの演奏は、完全にサンプラーを多用しています。なお、私の購入したのは、再発盤ですので、B6-B7の2曲はボーナストラック(オリジナルではA1-B5が収録)となっており、A面6曲/B面7曲が収録されています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Warten” (3:44)は、タイトな打ち込みリズム隊と四重奏のような弦楽器とピアノが組合せに乗って、Dorauが朗々と歌う曲です。 ★A2 “Es Dreht Sich Die Welt” (4:16)も、やはりタイトなリズム隊とSE的シンセに乗って、Dorauも歌っていますが、テンポがヒップホップ的で、Gも入っています。 ★A3 “Geträumt Von Dir” (4:18)は、リュートの流れるようなイントロと、女性コーラス等の色んな音のサンプリングから成る曲で、Dorauの語り口Voもありますが、今までとは違い、ダークな雰囲気です。勿論、リズムはあります。 ★A4 “Einsam” (4:59)では、群衆の騒ぎのような音とブレイク・ダンス曲調の打ち込みリズム隊に合わせて、Dorauが軽妙に歌っています。コーラスとの掛け合いもグー! ★A5 “Die Trottellumme” (3:19)は、スパイ映画の表題曲のようなシンセで始まり、やや跳ねるようなリズムの曲で、多分、サンプリングしたオルガン等の音で作っているのではないでしょうか。中々に怪しい感満載です。 ★A6 “Stoned Faces Don't Lie” (5:17)も、重めのリズム隊(B-Synthはやや抑え気味)に、Dorauの歌とサンプリングした声を上手く組合せています。サビの歌(表題の英詞)もサンプリングした声では? ★B1 “Die Schande Kommt” (3:36)では、軽めの打ち込みDrsと奥で流れるシンセ音及びサンプリングされた電子音に合わせて、Dorauが歌っています。 ★B2 “Tiere Im Regen” (2:59)では、民族音楽的な打楽器のリズムに合わせて、笛の音のようなメロディとオペラのテノールのサンプリングが乗り、そこにDorauのVoが入ります。 ★B3 “Menschenschicksale” (3:19)は、タイトなリズム隊とサンプリングされた音から成るダンス・チューンで、DorauのVoも含めて、ノリが良いです。 ★B4 “Das Ist Das Wirkliche Leben” (4:12)は、ゴムの口琴のようなイントロから始まるダンサブルな曲で、心待ちDorauのVoもラップ調で、シンセのリフも軽妙かつサンプリングされた音ですね。 ★B5 “Der Wasserfloh” (3:06)は、ややスローな電子バラードな曲で、単調なリズムに、語り口VoとSE的なシンセとピアノが乗ります。 ★B6 “Die Schande Kommt (Dub-Version)” (3:40)は、タイトル通り、B1のダブ曲なんですが、多少のスネアのディレイ掛けやリバーブ処理されたVoは聴取できますが、大きく崩している所は無いです。 ★B7 “Stoned Faces Don't Lie (Gitarrenversion)” (3:35)は、A6のギターヴァージョンなんですが、ドライなブレイクビーツに、Synth-Bとサンプリング音とDorauのVoと言う組合せは変わらず、Gは然程入っていないと思われますが、どうでしょう? と言う訳で、この作品をもって、Dorauは、ATA TAKを離れますが、そのくらい、Dorauの作品としては異質な感じを受けます。つまり、ヒップホップ・カルチャーの要素をかなり色濃く受容していますね。私は、そこら辺はちょっと疎いのですが、とにかく、全編、リズム隊の構成やテンポ等がダンス・ミュージック的であり、それにも増して、サンプリングがかなり使われているので、Voを抜いたら、「これ、ヒップホップでしょ?」と思う位、曲調が変わっています。しかしながら、先述のように、Dorauが耳にしたアシッド・ハウスをここまで、忠実に再現し、同時に、自分の曲として取り入れてしまうのは、やはり彼の音楽的才能なのでしよう!この作品の後の”Neu!”も同様の路線なので、ここら辺はDorauファンとしては押さえておきたい作品ですね! https://youtu.be/VhIQHZLCP-8?si=ex_75ChVL_YL-f_z [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcXKhIhN-nP3lhfEV3uikr6D&si=sY1S88KFK_G5fmQS #AndreasDorau #ÄrgerMitDerUnsterblichkeit #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #HeavyGauge #ATATAK #EFA #1992年 #SoloAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #HipHop #Electro #Sampling #AcidHouse #Sampler
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Andreas Dorau Und Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen “Demokratie“
今回は、またまた、Andreas Dorau (アンドレアス・ドーラウ)関係を!Discogsで調べてて載ってないなあと思っていたら、後に続く、Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen (ディー・ブルーダァシャフト・デア・クライネン・ザールゲン; 「ちょっとした悩みのある親友」の意)も含めてのアーティスト名だったので、漸く分かりましたが、この名義では、本アルバムと表題曲のシングル1枚しか出ていません。なので、実質、Dorauのソロと考えても宜しいかと思います。それで、この作品の一つ前の作品は、所謂Die Andreas & Die Marinas名義で、かつメジャーから出ていたのですが、その時に、音楽産業のやり方にほとほと嫌気が刺して、一時期、映像作家への道も目指していました。しかしながら、再び、音楽の世界へ戻ってきて、暫く振りに制作されたのが、本作品となります。「クラウトロック大全」によると、英国で活動していた時に、Flying LizardsのDavid Cunninghamと知り合い、彼を通じて、Michael Nymanをアレンジャーに起用して制作されたとのことです。しかも、古巣のATA TAKからのリリースとなります。そして、本作品の参加者は、Andreas Dorau (Vo, Synth, Kbd, etc)とそれ以外に、Christian Kellersmann (Sax), Christoph Bunke (B), Moritz von Oswald (Drs)がいます。それで、A1-B7はオリジナルに収録されていますが、B8-B9は、再発盤でのボーナストラックとなっています(A面8曲/B面9曲収録)。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Immer Nur Warten” (2:06)は、可愛らしいKbdの響きとワルツのリズムに乗って、地声で歌うDorauが何とも瑞々しい。最後はマーチ調になってフェイドアウトします。 ★A2 “Sei Steif!” (2:50)は、タイトなリズムのノリの良い曲なんですが、ワザと不協和音を使ったりするところがニクいですね。弦楽四重奏やシンセの間奏も中々のアレンジです。 ★A3 “Demokratie” (4:02)は、表題曲で結構ロック調ですが、何とも可愛らしい声で「これが民主主義だ!」なんてサビで歌うのは変な違和感があって、聴いている方がくすぐったいです。声での管楽器のマネもおちょくってるみたいで、如何にもATA TAKっぽい。 ★A4 “Sucht Eure Tat” (2:58)で、もろバロック調の室内楽をバックに、掠れ声で歌うDorauは、何故か悲し気で、こちらまで泣ける。何故か、戸川純を思い出します。 ★A5 “Taxi Nach Shibuya” (3:18)も、弦楽器の爪弾きのイントロからクラヴィアと打ち込みBの清らかなメロディですけど、間奏の弦楽器が入っているところが、Dorauらしいインスト曲です。 ★A6 “Blume '86” (2:35) は、再び、タイトなリズム隊とDorauのKbdワークとVoが冴える1曲になっています。、 ★A7 “Tradition” (1:47)では、弦楽器のリズムにクラリネットのサブメロディをバックに、変調Voで対抗していますが、サビではDrsも入ってきて、力強く曲が進行します。 ★A8 “Frauenfüsse” (3:01)は、軽やかなリズム隊とKbd に、爽やかにDorauに歌ってますが、聴いてるこちらが気恥ずかしくなります。「ラララッ」って歌うのも、何だかDorauっぽくて良いですね。 ★B1 “Stehst Du An Der Himmelspforte” (3:41)は、カッコ良いビートに、DorauのVoとエレピが乗るポップ・ロック調の曲で、ちょっと異色です。最後のSaxとエレピの絡みもサイコー! ★B2 “Na, Du Alte Kuh” (2:38)も、タイトで強力なリズム隊にシンセでの刻みと、やや落ち着いたDorauのVoが乗り、間奏のシンセとSaxの絡みもカッコ良い! ★B3 “Ein Liebesraum” (2:14)は、一転、Logic Systemか⁈と思いましたが、スローで落ち着いた曲ですが、変調Voで「TOKIO〜」とか歌っていて、ちょっとクスって。曲自体は素晴らしいです。 ★B4 “Ein Fall Für Dr. D” (2:49)は、指パッチンとBとエレピのイントロから、Drsと共に女性のスキャットとコーラスが瑞々しいメロディを歌いあげており、これぞ!Dorauとも言うべき曲です。 ★B5 “Immer Noch Warten” (2:45)は、勇ましいマーチのリズムに、ナヨっとしたDorauのVoが「おい、大丈夫かぁ?」とツッコミを入れそうな勇壮な曲です。 ★B6 “Willi Im Busch” (2:28)は、ちょっと悲しげなワルツの打ち込みから成るインスト曲です。暫し、休息かな?でもメロディは最高で、泣けます。 ★B7 “Ein Tropfen Geht An Land” (1:02)は、ジェット機音のイントロから始まる、女性とのデュエットの小曲です。 ★B8 “Menschenschicksale (1. Version)”では、ループ音のイントロから、柔らかい女性Voが優雅なワルツのリズムに乗って流れていきますが、Dorauは歌っていません。最後は不協和音。 ★B9 “Ein Liebesraum (Remix)”は、打ち込みのリズム隊に、ゆったりしたシンセが流れ込んできて、没入してしまい、甘い気分になります。そこに「TOKIO〜」と一回だけ入ります。 全体としては、Die Marinasを引き連れていた頃よりも、格段に大人びた曲調になっており、彼の成長/本来の音楽的指向が伺えます。それにしても、彼の曲と言うのは、多分ブラインドで聴いても、Dorauでしょ?と分かるくらい、個性的だと思います。それで、思ったんですが、日本で言うと戸川純が一番近いかなぁと。当然、男女の違いはありますが、中々、「大人」になれないけど、本人は頑張っているところの立ち位置なんかは似てると思えます。まぁ、そんなこと言うのは、私だけかもしれませんが。本作品では、バックの演奏もタイトで、しっかりしていので、また、今までの童謡調ポップ・ミュージックとは異なり、その分、音楽的にも楽しめます。多分、Michael Nymanのアレンジ力も後押ししているのだと思います。それで、解説書を読んだら、「Dorauは、Frank Zappaか?Morzartか?」と言う見出しが付いていましたが、「変だって?いや、彼はMozartだから。」と締めてありました!分かるわぁぁ❗️ https://youtu.be/8d_vx7JiBlw?si=f7YKgO5qcc6jesRp #AndreasDorau #DieBruderschaftDerKleinenSorgen #Demokratie #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #ATATAK #1988年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Synthesizers #ChristianKellersmann #ChristophBunke #MoritzVonOswald #Co-Producer #FrankFenstermacher #Arranger #MichaelNyman
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Bureau B (ATA TAK) €20.00Dr K2
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Lost Gringos “Nippon Samba”
久しぶりに入手しました。そうです、独ATA TAKのLost Gringosの12㌅EP “Nippon Samba”です。発売当時、私はこのEPは認識してはいたのですが、ジャケの余りにもやり過ぎ感が強くて、どうにも触手が伸びませんでした。しかしながら、NDWを極めようとする中で、どうしても聴いておかなきゃと思い立ち、海外購入した次第です。Lost Gringosについては、前回のEP “Troca Troca”の時に書いてありますので、そちらをご参照して下さい。それで、Lost Gringosは、Eberhardt Steinkrüger (Piano, Vo, Tapes; エバーハルト・シュタインクリューガー)とPete Jekyll (G, Sax; Programming [A1, B1]; ピート・ジェキル)のデュオで、今回は、Keiko Miller (Vo), Zins Zinsius (B, Wood-B), Karl-Heinz Tango (Drs, Perc, Vibraphone, Marimba), Hideto Sasaki (Back-Vo), Laurie Lovecraft (Back-Vo), Rudi Glaser (Back-Vo)が、ゲスト参加しており、A面2曲については、Pyrolatorがマスタリングを担当しています。ただ、Pete Jekyllは、ATA TAKのスタジオ・ミュージシャンのようで、このLost Gringosが本当の意味での「デュオ/グループ」だったのか?それともレーベルが仕掛けた洒落みたいな存在(ゲストも含めて)だったのか?は、今持って不明です。と言うことを念頭に置いて、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Nippon Samba (Receitap'ra Sambar)” (5:30)は、打ち込みから始まるサンバ調の曲で、「歌え、踊れ、叫べ、行け、行け、日本サンバ!」を始めとして日本語の歌詞をKeiko Millerが歌っており、思わず脱力しますが、時に挿入される牛の鳴き声や自動車のクラッシュ音等が中々味わい深く、コラージュのセンスの良さを感じますね。 ★A2 “Ohne Dich (Sinti)” (2:25)は、一転、スパニッシュ調で、男性Vo(Steinkrüger?)が、フラメンコGとリムショットとWood-Bに合わせて朗々と歌っており、これはこれで脱力してしまいます。 ★B1 “Tambo Machay” (4:32)は、ドラムマシンとシーケンスに、シタール様の弦楽器が何となく中近東風で、囁くような男性Voがしっとり歌っています。細かいGやKbdも中々捨て難いポイントになっていますし、コーラスによる盛り上がりや民族楽器調のSaxもグー! ★B2 “Vida De Inés” (2:20)は、鶏の声で始まり、女性による語りと微かなアコーディオンらしきバックで始終さる曲で、正直、意味不明です。 この作品も、無国籍風というか、日本&ブラジル〜スペイン〜中近東〜スペインと言うように何の脈絡も無く、しかも沙汰なくこなしており、このレコードの存在意義自体が既に意味不明です。ですが、A1での歌詞もさることながら、サウンド・コラージュのカットインとかの手法は、当時としては画期的であり、そこに実験性を見出すことはできます。しかしながら、全体としては、ジャケのゴチャゴチャ感が彼等の本質なんだろうなと想像しますが、どうなんでしょう?それとも、単なる語呂合わせ的なおふざけなんでしょうか? Pete Jykeyll氏に直接問いたくなっちゃいますね。そんな珍盤です!好事家の方にもお勧めです。 https://youtu.be/kDF-9hyIOzA?si=T5Y7t9YS0kKzgpMJ #LostGringos #NipponSamba #AtaTak #1982年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #MondoMusic #NewWave #KeikoMiller #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #ZinsZinsius #Karl-HeinzTango #HidetoSasaki #LaurieLovecraft #RudiGlaser #Mastering #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK €20.00Dr K2
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Ideal “Der Ernst Des Lebens”
ずっと前にご紹介しました独のバンドIdealのセカンド・アルバムをやっと入手しましたので、今回は、セカンド・アルバム” Der Ernst Des Lebens (デァ・エルンスト・デス・レーベンス)”をご紹介します。NDWの中で、最も成功したバンドであり、インディーズながらも、前作ファースト・アルバムが独のゴールドディスクに輝いているバンド、それがIdealです。Idealのバイオグラフィーは前回書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回もメンバーは、Annette Humpe (Vo, Kbd; アネット・フンペ), Ernst Deuker(B, Vo; エルンスト・ドイカー), Frank-Jürgen “Eff Jott” Krüger (G, Vo; フランク-ユルゲン ”エフ・ジョット” クリューガー), Hans Behrendt (Drs; ハンス・ベーレント)の4人ですが、共同プロデューサーとして、Conny Plankも参加しているのも、注目すべきところでしよう(因みに、VoのHumpeは、Ideal解散後、実妹のInga Humpeと共にHumpe Humpeとしてアルバムをリリースしていますので、そちらについては、別のバイオグラフィーをご参照下さい)。本作品は、A面6曲/B面5曲を収録しています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Eiszeit” (2:53)は、Gとオルガンの効いたアップテンポのカッコ良い曲で、女性Voもイカしています。 ★A2 “Schwein” (3:00)は、堅固なリズムにオルガンと男性Voから成る曲で、独逸語の語感なのか、ややハスキーに呟くVoが良く合っています。 ★A3 “Sex In Der Wüste” (3:38)は、似非民族音楽的リズムとG(?)のメロディに、男性Voが乗るスローな曲で、コーラスやコントラバスも秀逸です。Kbdがまたポップ! ★A4 “Herrscher” (3:41)は、性急なビートとニューウェーブ的なオルガンに、男性Voが乗る曲で、シンセBを使っているようです。最後のシュプレヒコールもグー! ★A5 “Feuerzeug” (4:19)では、スローなビートにオルガンと女性Voがしっとり絡み合い、間奏のGソロも雰囲気抜群です。最後の仕掛けがまた絶品。 ★A6 “Immer Frei” (2:27)も、性急なビートを繰り出すリズム隊に、複数の男性Voや女性Voが絡み合う曲で、間奏のフリーキーなGソロもカッコ良い。 ★B1 “Erschießen” (3:40)は、跳ねるようなノリの良いにオルガンとGに、女性Voが歌うポップ曲で、元気一杯で、最後のGソロもカッコ良い。 ★B2 “Monotonie” (4:44)は、女性Voから始まる落ち着いたカリプソ風の曲で、蠢くBのリフと間奏のKbdが秀逸です。勿論、男性コーラスやGソロも! ★B3 “Ich Kann Nicht Schlafen” (3:32)は、スパイ映画のサントラのような曲で、男性VoとGやオルガンとの掛け合いがカッコ良く、焦燥感溢れるサビも絶品です。 ★B4 “Spannung” (3:00)では、Gのカッティングと優しいKbdに、女性Voが良くマッチしており、雰囲気抜群です。途中のブレイクもグー! ★B5 “Spion” (5:00)は、雑踏音のSEから、5拍子のリズム隊と女性Voに、歪んだGや怪しげなオルガンが絡んでくる、ちょっと異質な曲です。 セカンド・アルバムは、バンドも乗りに乗っていた時期なので、曲もアレンジも格段に良く、正直、捨て曲無しとさえ思えます。アップテンポからしっとり系や変拍子曲まで幅広く収録されており、これは傑作ですね。また、VoもHumpeだけではなく、男性も担当しているので、多分、思っていた以上に多様性/柔軟性のある曲作りをしていると思えました。ジャケはファーストの続きのような首無しの絵で、パッとはしませんが、内容は彼等のポップネスが詰まっていますので、これは是非とも聴いて欲しい一枚です❗️ [live Rockpop In Concert 1982] https://youtu.be/lifx7x_E5hU?si=EBr2Tl4gtPsLRwy_ [full Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nl87GgRz_uuOXDa5YK99tV2PYvubluFio&si=qh0Ohch6AzFAFRJD #Ideal #DerErnstDesLebens #EitelImperial #WEA #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #AnnetteHumpe #Frank-JürgenEffJottKrüger #ErnstDeuker #HansBehrendt #Co-Producer #ConnyPlank
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Holger Hiller “Ein Bündel Fäulnis In Der Grube”
今回は、独Palais Schaumburgの初代Vo/Gとしても有名なHolger Hillerの完全なソロとしては、ファースト・アルバムに当たる“Ein Bündel Fäulnis In Der Grube”がめでたく独レーベルBeau Bから再発されましたので、紹介していきたいと思います。Palais Schaumburgについては、以前にもバイオグラフィーは書いてありますが、Holger Hillerについては、今回が初めてなので、彼のバイオグラフィーをちょっとだけ書いていきます。Hillerは1956年12月26日、独Hamburg生まれで、ハンブルク造形芸術大学に通っていた時に、Walter ThielschとThomas Fehlmannとに出会い、3人で初めて録音をしています。HillerとThielschで、”Konzentration der Kräfte”EPを、また、HillerとFehlmannで、”Das ist Schönheit”と言う曲を2枚組のコンピLPに提供し、1980年にリリースされています。その後、Fehlmannと共に、1980年にPalais Schaumburgを結成し、そこでVoを担当します。1979年に、Palais Schaumburgとしてのデビュー・シングル”Träneninvasion”をZickZack Recordsから出して、その後も、他に2枚のシングルをZickZackより出して、1981年に、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムを大手のPhonogram Recordsから出しています。と同時に、Hillerはソロ活動も開始しており、欧州で初めて、メインの楽器としてサンプラーを使ったミュージシャンの一人と言われています。ソロとしてのデビューシングル”Holger Hiller”を1980年にAta Takよりリリースしており、1983年には、本作品でもあるソロとしてのデビュー・アルバム”Ein Bündel Fäulnis in der Grube”をAtaTakから出しています。1984年に、彼は渡英し、LondonでMute Recordsのプロデューサーとして働き始めます。その間にも、1985年には、Hillerは、独のミュージシャンAndreas DorauとのコラボEP”Guten Morgen Hose”をAtatakから出しており、翌年には、Hillerは、ソロアルバム”Oben Im Eck”をMute Recordsから出しています。その後、1988年には、ビデオ・アーティストの羽田明子と共に、Ohi Ho Bang Bangと言うパンドと言うかプロジェクトを始め、”The Three”と言う作品を12㌅シングルとCD Video (CDV)と言う2つのフォーマットでMute Recordsからリリースしています。そのCDVでは、HillerとKarl Bonnieは、一つの部屋でそれぞれのモノを使って、異なる音を出し、それらを羽田が編集して、一連のビデオの流れの中で、その音の鳴らし方が自然になるようにして作ったと言う映像と音楽が収録されています。彼等は、音楽からビデオへのサンプリング・テクニックの先駆者になりましたが、ほんの10年後には、カスタマイズされたソフトウェアで出来るようになり、すっかり普通の技法となっています。1995年頃まではアルバムもコンスタントに出していましたが、その後はリリースは途絶え、2000年に、アルバム”holger hiller”をMute Recordsから出したのが最後となっています。なお、2003年以降、HillerはBerlinに居を構え、英語講師として働いているとのことです。 以上が、Holger Hillerの遍歴となります。それで、今回、ご使用するアルバムは、ジャケが変わったりして、3回程再発されていますが、今回のが4回目再発となります。それで、本作品に参加したメンツは、Holger Hiller (Sampler?, Mix, Produce)以外に、Catherine Lienert (Emulator), Jürgen Keller (B), Moritz von Oswald (Drs)もいます。Hillerが実際には何をやっているのかは良くわかりませんが、、、。また、Hiller本人の考察によると、本作品がリリースされたのが、1983年と言うこともあって、同時に、George Orwellの小説”1984”やそれを元にした映画”Blade Runner”には、人々は暗澹たる気持ちに支配されており、それらの中では、救いようない世界しかないと描かれています。そして、未来は決してクリアカットではなく、ディストピアのイメージがポップ・カルチャーに巧妙に混ざり込んでいますが、それ自身が希望の素となるように仕込んでおいたとのこと。また、彼は、サンプリング・テクニックと言うのは、彼自身や他の人にとって画期的な音楽的手法であって、カットアップとか自動書記とかに馴染んでいるWillam Burroughsの世代及び彼を興奮させたものであり、以上のようなコンセプトやテクニックを、「ポップ」の文脈で使い、欧州における「新しい音楽」に影響を与えたのが、このアルバムであるとのこと。要するに、画期的であったと言うことらしいです。まぁそれは別として、本作品(A面6曲/B面5曲)の各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Liebe Beamtinnen Und Beamte” (1:56)では、何とも異形のポップ・ミュージックを披露しています。確かにサンプラーをふんだんに使って、ビートに合わせている為か、カクカクしたリズムになっており、それにVoを乗せています。 ★A2 “Blass Schlafen Rabe...” (3:17)では、「骨折具合」は多少マシですが、ピアノの単音弾きとBとサンプラーの混合物が、骨折しかけたリズム隊の上で踊っていますが、時にノリの良い部分も。 ★A3 “Budapest - Bukarest” (2:12)は、小動物のような音と鐘の音で始まり、やがて反復するサンプリング音も加わり、一種のアンビエンスさえ感じますね。 ★A4 “Jonny (Du Lump)” (3:35)は、彼の代表曲で、割とノリの良い曲で、それ程「骨折」も無く、Drsは一定のリズムは刻んでいます。HillerのVoも良いです。 ★A5 “Akt Mit Feile (Für A. O.)” (1:54)は、一定のパタンを取るリズム隊と思ったのですが、やがてインダストリアルな硬質な音へ変換されたり、戻ったりします。 ★A6 “Hosen, Die Nicht Aneinander Passen” (1:06)では、点在する電子音をバックに、Hillerが飄々と歌っています。 ★B1 “Chemische Und Physikalische Entdeckungen” (2:57)は、犬の鳴き声らしき音から始まり、割と短いパタンを繰り返して、更に人声のサンプリングを挿入したり、弄ったりして、全然落ち着きません(褒め言葉です)。 ★B2 “Mütter Der Fröhlichkeit” (3:48)でも、やや落ち着いたリズム隊に、Voやサンプリング電子音や物音等を挿入している曲で、Hillerのポップネス全開です。空間の使い方が素晴らしい! ★B3 “Ein Bündel Fäulnis In Der Grube” (2:47)では、エフェクトを掛けたフィードバック音とガチャガチャした音、囁くVo、工場の音等等がリズミックにコラージュされています。 ★B4 “Das Feuer” (3:40)は、ディスコチックなDrsに、ドライブするBと囁き声での反復Voが絡み、時にサンプリング音や重層化されたVoが挿入される曲で、後半には多幸感溢れるシンセ音も! ★B5 “Ein Hoch Auf Das Bügeln” (2:00)は、これまたリズムを無視したようなサンプリング音の断片から成る曲で、ここに無理やり歌を入れると言う、Hillerらしい曲ですね。 私がこれを聴いて思ったのは、 Hillerは、自分だけの時間軸を持って曲を作り、独自の空間性を持って音を配置しているのではないかと言うことです。しかも、それをポップ・ミュージックの範疇に納めようとしている所が、Hillerの最大の特徴だと言うことです。なので、通常のポップ・ミュージックからは溢れてしまいそうになり、そのギリギリのコーナーポストを狙っているような音楽が、結果的に生まれてしまったような気がします。まぁ、そんなミュージシャンがサンプラーを使うと言うのは、当然と言えば当然な訳です。そして、Hillerはいつも自分なりの「ポップネス」をこちらに投げかけてきます❗️そんな特異なポップ・ミュージックを是非とも体験してみては如何でしょう。 A4 “Jonny (Du Lump)” https://youtu.be/xr0l_Yi7QtU?si=oI8MaPmNZ08UarXq [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mf5lSwtr5vRWDT-L7uOOLMO0G8GnZSpxg&si=yewGTQiIbLTTFbxw #HolgerHiller #EinBündelFäulnisInDerGrube #BureauB #ATATAK #Reissue #Remastering #FirstAlbum #SoloAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #ElectroPop #Avant-Garde #Sampler #WilliamBurroughs #CutUpTechnique #AutomaticWriting #GeorgeOrwell #1984 #BladeRunner #Guests #CatherineLienert #JürgenKeller #MoritzVonOswald
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Bureau B (ATA TAK) 4840円Dr K2
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Der Plan “Die Letzte Rache”
皆んな、大好き、Der Planを久々に紹介します。今回は、彼等のサード・アルバム”Die Letzte Rache”ですが、当時は、セカンド・アルバム”Normalette Surprise”までは人気がありましたが、このサード・アルバムは今ひとつパッとしなかったですねー。彼等のバイオグラフィーは以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。メンバーは、Frank Fenstermacher, Moritz R, Pyrolator ことKurt Dahlkeの3人で、どうもこのアルバムは、映画のサントラとして制作されたらしいです(裏ジャケに曲名やコンセプトが載っていますが、デザイン上、非常に読み辛くなっています、と言うか読めません)。この作品は、Rainer Kirberg (ライナー・キルベルク)監督による、舞台のセットが舞台の実験映画”Die letzte Rache (英題: The Last Revenge: 邦題: 最後の復讐)”の為の音楽で、映画の方も筋書きがあって無いような内容だとか(私は未見)。と言うことを念頭に置いて、本作品の内容をご紹介していきましょう。因みに、映画の内容によるのか、A面14曲/B面16曲と短い曲がパッツンパッツンに詰まっています。 ★A1 “Die Wüste” (1:26)は、重厚なシンセによるアンビエント調の曲で、ちょっと物々しいです。 ★A2 “Sechs Fingen An - Titelsong Der Früchte Der Bestimmung” (0:54)は、物音系Percとシンセとふざけたような変調コーラスから成る曲です。 ★A3 “Aufbruch - Der Weltkenner Durchschneidet Den Zaun” (0:45)は、ワルツのようなトランペットが主体となった曲です。脱力しちゃいます。 ★A4 “Am Grab Des Sohnes” (1:07)は、怪しげな雰囲気のビートレスな曲です。室内楽的弦楽器も使用しています。 ★A5 “Im Unterirdischen Wassersaal” (1:02)も、怪しげな雰囲気の曲で、押しては引くシンセ音から成ります。 ★A6 “...Denn Alles War Nur Ein Trick! - Die Früchte Der Bestimmung” (0:41)は、軽いリズムと早回しVoから成る似非ボサノバな曲です。 ★A7 “Zur Alten Dschunke - Thema Der Großen Stadt” (0:53)は、強力なリズムにシンセや豪快なシンバルやホーンやらが絡む(昭和)歌謡的曲です。 ★A8 “Denkmal Des Scheiterns - Eröffnugsfeier” (2:08)は、A7に連続して、ごちゃごちゃした音に続いて、男性ナレーションが取って代わる曲です。最後に勝利のホーンが雄叫びをあげます。 ★A9 “Es Ist Schön, Schön Zu Sein - Der Schöne Mann” (0:32)は、ジャジーな雰囲気の曲です。Voも入っています。 ★A10 “Donnerwetter! - Der Starke Mann” (1:06)は、生DrsとBとファズGに素っ頓狂なVoと言う、彼等にしては珍しい編成の曲です。 ★A11 “Oh, Oh, Oh! - Der Kluge Man” (1:11)は、モールス信号のような金属質なシンセ音のシーケンスから成る曲です。 ★A12 “Der Kommissar - Ist Schon Da” (0:25)も、セクシーでジャジーなSaxとPercから成る曲です。 ★A13 “Ich Bin Es! - Der Weltkenner” (0:53)は、トランペットとマーチングDrsと挑発的Voから成る曲です。 ★A14 “‘Du Bist Es Nicht’ Junger Mann - Die Teenager” (2:29)は、いつものDer Planらしい戯けた曲で、シンセもたっぷりです。子供のようなVoと男性Voの掛け合いが面白い。 ★B1 “Früchte-Radio-Special” (0:50)は、ちょいとジャジーな雰囲気でのピアノ独奏(+ハイハット)です。 ★B2 “Des Kerkers Loch - Die Früchte” (0:29)は、シンセをバックに、何とも調子はずれなコーラス曲です。 ★B3 “Die Unterirdische Fabrik” (0:52)は、B2に連続して低音シンセの波状攻撃に、金属Percが降りかかります。 ★B4 “Oder Nicht? - Die Tötungsmaschine” (0:36)は笑い袋と変調Voや物音系Percから成る曲で、B3と連続して始まります。 ★B5 “Der Kommissar - Ermittelt Weiter” (0:25)も、ジャジーなSaxから成る曲です。 ★B6 “Chor Der Gefangenen” (1:18)は、単音のスカスカなシーケンスに、メンバーによるコーラスが被る曲です。 ★B7 “Der Assistenten-Song” (0:40)は、戯けたスパイ映画のような似非サスペンス曲です。 ★B8 “Chor Der Ausgebrochenen” (0:53)は、ヘンテコなシンセをバックに、何とも調子外れなコーラスから成る曲で、生Drsも加わります。 ★B9 “Schauet Her - Die Früchte” (0:32)は、アコーディオン風シンセと子供のコーラスから成る曲です。 ★B10 “Schönheit Der Macht - Monolog Des Herrschers” (1:41)は、ゆっくりしたキックと単音シンセとトイ・ピアノを中心に、感情のままに歌う曲です。 ★B11 “Zerstörung Der Grossen Stadt” (1:20)は、ゴジラ登場曲のような何とも仰々しい曲です。シンセとホーンも使ってますが、色々とギミックもあります。 ★B12 “Das Zimmer Der Tochter” (1:19)は、何とも悲しげなリコーダーの独奏曲です。 ★B13 “Showdown” (1:04)は、駆け回るネズミのような忙しないシンセ曲で、背景に時計の音も。 ★B14 “So Wurden Wir Zu Ihm Gemein - Sohn Und Tochter” (1:33)は、B13に連続しており、ややファンキーな雰囲気の曲で、BとDrsのリズム隊が、子供達のコーラスとマッチしています。 ★B15 “Das Ende” (1:26)は、不明瞭なオルガンとピアノをバックに、弦楽器らしき音や効果音や人声等が散りばめられた曲で、シンセのメロディが何故か物悲しい。 ★B16 “Der Todesmonolog - Gerät Dem Ausgespaceten Weltkenner Doch Noch Versöhnlich” (3:25)は、静かなアンビエント風の曲で、段々とそれぞれの音が明確になってきますが、いきなり、物音系PercやキックやシンセやVoから成るいつもの”Der Plan”節に替わってしまいます。 以上がサード・アルバムの内容になりますが、とにかく1分にも満たない曲が多く、また統一感もないので、元の映画を想像しにくいのですが、実験映画だったらしいので、きっと上手くマッチしていたのではないでしょうか? 映画のサントラと言う性格上、前作・前々作とはかなり異なった印象ですが、こんな実験的な音楽も出来るんだ!と感心してしまいます。是非とも映画を観てみたくなりますよね❗️ A14 "’Du Bist Es Nicht’ Junger Mann - Die Teenager” https://youtu.be/idRFkIfXZJM?si=N22uhWKVMtc0vNxz [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mnr4AMevgB9CTHvMgkhBgwx8rxSSNccOY&si=ETExTWcwZ2X6tvax #DerPlan #DieLetzteRache #ATATAK #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ThirdAlbum #ExperimentalPop #Synthesizers #MusicForFilm #Soundtrack #RainerKirberg #Experimental Film #FrankFenstermacher #MoritzR #Pyrolator #KurtDahlke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Felix Kubin “Teenage Tapes”
独実験ポップ界の天才Felix Kubin (フェリクス・クビン)の10代で宅録していた曲を集めたセルフ・コンピ・アルバム、その名も”Teenage Tapes”を紹介します。Felix Kubinのバイオグラフィーは、以前に書いたかもしれませんが、再度、生い立ちから紹介していきたいと思います。本名Felix Knothで、独Hamburg生まれの電子音楽家/作曲家/キュレーター/サウンド-ラジオ・アーティストで、自身のレーベルGagarin Recordsも運営しています。8歳の時からピアノと電子オルガンを習っており、1992-1996年にハンブルク応用科学大学にて、ドローイング/サウンド・インスタレーション/ヴィデオ/アニメーション映像について研究し、1995年にはDAAD研究資金を獲得し、蘭EnschedeのHogeschool voor de KunstenのArtEZメディア・アート学部に1年間留学しています。話しが前後しますが、彼は1981年、12歳の時に、シンセとオルガンとヴォイスとドラムマシンで、最初の曲を作っています。その後2年間で、4トラックMTRで色々試して、1983年には、Stefan Mohrと共に、Die Egozentrischen 2 (ディー・エゴツェントリッシェン・ツヴァイ)と言うバンドを始めている早熟な音楽少年でした。そんな天才少年を、Zick ZackのオーナーでオーガナイザーでもあるAlfred Hilsbergが見逃す訳もなく、Kubinを色んなライブイベントに招聘したりして、更に、彼のカセット作品と若干の新録も加えて、アルバム”The Tetchy Teenage Tapes of Felix Kubin 1981–1985" (この作品も素晴らしい!)をリリースします。そうして、1990年代になると、Kubinは、Klangkriekと言った自分のバンドで、ノイズを使った実験音楽を始めます。1992-1994年には、ダダ共産主義者グループLiedertafel Margot Honeckerのメンバーになり、1988年には、自身のレーベルGagarin Recordsを始めて、再びアヴァン・ポップ路線に回帰、その翌年には、パフォーマンスや新たなラジオ番組の形態及び室内楽と電子音楽の為の作曲を通して、自身の音楽の方向性を広めていきます。加えて、独や海外での多くの出版物やワークショップ及びレクチャーを行い、更に映像や演劇の為の音楽も作っています。Kubinは、Sónar, Wien Modern, Présences électronique, Ars Electronica等のフェスで100回以上のライブを行っており、更には、MoMA PS1, New Museum of Contemporary Art, Galerie nationale du Jeu de Paume等の美術館でもパフォーマンスをやっています。それで、2005年以降は、彼は現代実験音楽と関わる機会が多くなり、特に現代音楽のアンサンブルやコンサートホールでの演奏用音楽の作曲に招聘されるようになります。2010年には、Ensemble Intégralesとのコラボで、”Echohaus"と言う6つの別々の部屋で行われたヘッドフォンで聴くライブコンサートを指揮し、この作品はBerlinのMaerzMusik Festivalで初演されています。2013年と2015年には、Chromdioxidgedächtnis"とNDR das neue werkと言うラジオ番組シリーズの"Takt der Arbeit" の2曲の作曲を依頼され、2016年にも、Internationales Musikfest Hamburgで、自身の作品”Falling Still”も初演されています。また同年には、20台のKorg MS-20シンセの為のオケの曲”A Choir Of Wires”も作曲し、GentのLUCA School of Artsの学生に演奏させています。2019年には、ポーランド系ドラマーHubert ZemlerとのデュオCELを結成、またHamburgのEnsemble Resonanzとのコラボで、2曲作曲しています。2019年には、仏人映画監督Marie Losier が、Felix Kubinの日常を撮った映画"Felix in Wonderland"で、Locarno Film Festivalにおいて受賞しています。 と言う風に、Felix Kubinは早熟にして多作、しかもポップミュージックと現代音楽との行き来して、八面六臂の活動をしてきた訳ですが、実は、1990年代に来日もしていて、素晴らしいソロ・パフォーマンスを披露してくれています。そんな天才Felix Kubinの10代でつくつた曲のセルフ・コンピ・アルバムが、この”Teenage Tapes”で、Korg MS-20シンセを駆使した曲が選ばれており、12曲中6曲が未発表曲と言うレア・アイテムになっております。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Japan Japan” (2:10)は、強烈なマシンビートにシンセと変調Voで応酬する曲で、シーケンスも複雑で、彼の代表曲にして良曲です。 ★A2 “Agitabo“ (2:50)は、マシンリズムと気が狂ったようなシーケンスを組んでおり、手弾きも含めて、これが10代の作る曲とは思えませんね。因みにインスト曲。 ★A3 “The Germans” (3:32)は、ホワイトノイズとキックでの四つ打ちリズムに、重低音からのベースラインとおどけたようなシンセのメロディが不釣り合いながらもマッチしています。これもインスト曲。 ★A4 “Melancholia” (3:52)は、ストリングス・シンセによるリズムとシンセの物悲しいメロディから成るインスト曲ですが、途中の曲調の転換も含めて構成が秀逸! ★A5 “Krematorien” (3:18)も、ホワイトノイズを使ったリズムと複雑なリズムマシンのリズムに、若かりしKubinのVoが乗る曲で、やはり、曲構成やシンセのユーモラスな使い方が超人レベルです。 ★A6 “Sonntagsspaziergang” (2:41)は、戯けたようなシーケンスとシンセのメロディとリズムマシンで、展開が早いインスト曲ですが、曲構成は素晴らしいです。 ★B1 “Calling My Brain” (1:40)は、怪しげなシーケンスとVoから成る曲で、展開も絶妙で、とにかくシンセの使い方が素晴らしい! ★B2 “Sie Träumen Alle” (5:20)も、忙しないシーケンスとリズムマシンに、キッチュなシンセとVoが乗る曲で、途中のブレイク等、よくアレンジ出来るなぁと感心!また、ユーモアも忘れていません。 ★B3 “Gelegenheitsexperiment 1” (2:01)は、シンセ音による音とエレクトーンのリズムボックスみたいなリズムでスイングするようなインスト曲なんですが、ジャジーさは皆無です。 ★B4 “Hans, Der Ist Nicht Artig” (3:14)は、多分TR-606のリズムと性急なシーケンスに、ツボを押さえたシンセが絡むインスト曲。やはり天才か! ★B5 “Qualität Des Staates” (3:18)も、性急なマシンリズムとシーケンスとVoに、ユーモラスなシンセから成る曲ですが、完全にピコってて、しかも録音技術も卓越しています。 ★B6 “Kunststoff Version” (2:26)も、また忙し過ぎるマシンリズムに、SE的シンセ音やヴォイス等が乗っかるインスト曲で、細かい所まで凝っていますね。 10代の頃のFelix Kubinは、サヴァン症候群ではないかと思わせる程、曲作りや構成、シンセの音作りや録音技術が、多動の中で渦巻いており、そこから出来た音楽は、多分他のNDWバンドよりも数十倍凄い完成度です❗️シンセとリズムマシンがあれば出来ると言うレベルを遥かに超えています。正しく、エレクトロ・ポップ界の天才児であると確信しました。なので、エレ・ポップ好きなリスナーさんで、未聴の方は、是非とも一聴されることをお勧めします❗️ハマるかもよー。それから、個人的には、Felix Kubinと平沢進がコラボしたら面白いと妄想しましたね。 A6 “Sonntagsspaziergang” https://youtu.be/J5jg9wLKVfg?si=47zftl0M7IC7StyG [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lwDMvjLYcRGnyGslNQliiyKzvO7Xs42_U&si=oZdn2huN9_gbDX7K #FelixKubin #TeenageTapes #MinimalWave #SynthPop #Experimental #Electro #Synthesizers #DrumMachine #Vocal #KorgMS-20 #Organ #SelfCompilationAlbum #PreviouslyUnreleasedTracks
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Minimal Wave 3800円Dr K2
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Andy Giorbino “Lied An Die Freude”
君は、Andy Giorbinoを覚えているかい? 嘗て、1980年に独の名門レーベルZick Zackよりデビューしたトイ・ポップ職人が、Andy Giorbino (アンディ・ジョルビーノ: 本名Andreas Gerth)です。そこで、先ずは、彼のバイオグラフィーを調べてみました。独Hamburg生まれで、1976年には、Radio Moon名義で、音楽とダンスを組合せたパフォーマンスを行なっていました。1979年になると、独のNeue Deutsche Welle (German New Wave)を語る上で最重要な自主レーベルZick ZackのAlfred Hilsbergs (アルフレッド・ヒルスベルクス)にコンタクトを取り、その結果、ファースト・ソロ7㌅シングル”Kredit"を出しています。1980年には、本作でもあるファースト・ソロ・アルバム”Lied An Die Freude (リード・アン・ディー・フロイデ)を同レーベルよりリリースし、レーベルカラーの一翼を担うことにもなります。それで、1980年〜1984年では、アルバムタイトル”Lied An Die Freude”と題して、再び、音楽とダンスとを組合せたパフォーマンスをHamburg, Köln, Berlin、更には隣国まで行って開催しており、その様子をカセット作品でも出していますね。その間にも、1982年にセカンド7㌅シングル”Stolpern”を、更に同年にセカンド・アルバム”Anmut Und Würde”を共にZick Zackよりリリースしており、カセット作品”Frechheit Siegt”も出しています。また、同年には、Jäki EldoradoとNicki Eldoradoと共にFSKと言うバンド名義で、IVANHOE!ツアーを敢行しています。その後1983年〜1984年には、彼自身のHeimatforscherで、Kosmonauntentraumと一緒に独蘭2国ツアーを敢行。1984年には、また”Lied An Die Freude”で、パリ・ビエンナーレに招聘されていますが、個人的理由で、このプロジェクトは解体されています。そうして、1985年には、HamburgのバンドGeisterfahrerにギタリストとして参加、翌年、このバンドのアルバム”Fi$ch Gott”がリリースされ、また、1987年には、別のバンドKastrierten Philosophenに参加して、アルバム”Between Shootings”がリリースされ、Roskildeフェスにも出演しています。1988年には、Gaistetfahrerはアルバム”Stein & Bein”をリリースし、また、LedernackenことFolke Jensenとも共同制作しており、その結果は、1989年リリースのアルバム “The Art Of Letting Go”となります。このアルバムは、独だけでなく、英国でも同時リリースされ、更に英国ではビデオでのプロモーションもあったとか。このアルバムは蘭ではスパイアクション番組でも用いられたらしいです。また、同年には、Geisterfahrerもアルバム”The G-Far-I”をWhat's So Funny Aboutから出しています。一方で、Giorbinoは、HamburgのDocksで上映されたAndy Warholの映画にライブで音楽を付けたりしています。1993年には、ギター・オーケストラRossburger Reportにも参加しており、同年にはアルバム”Whiteouts”をCDとVinyl両形態で、Vinc Lombardy Highschool Recordsから出しています。そうして、1996年には、アルバム”Bellymen”をCDでリリース。翌年1997年には、David Meyer/Sillywalksとのコラボで、CD”Les Fleurs Du Mal”をリリース。また、2000年になると、Peter Brötzmannのコンサートで、Folke Jensenと運命的再会を果たし、Ultraschall Studioで再度、コラボを開始して、2002年に、その結果であるEP "Überall Licht”をDian Recordingsから出しています。その後も、順調に、2005年には、シングル盤”Ich Sag Hallo”とCD “Schön"をOnomato-Popから出しており、2012年にもCD “The Artstore Takes”も出しています。一方、2009年以降は、映像作品に音楽を提供することを生業として、多くの作品に曲を付けています。その中でも、Film-Atonaleでは、Andy Giorbino (G), Krischa Weber (Cello)に加えて、更にKatrin Achinger, Kastrierte Philosophen, Jim Sudmann, Eisenvaterをゲストに迎えて音楽制作も行なっています。また、2014年12月には、印のHyderabadで開催されたBangalore International Film Festivalにも招聘されています。 とまあ、Andy Giobinoの今までの活動を見るとこんな流れでしようか。それでは、彼のデビュー・アルバム”Lied An Die Freude”について紹介したいと思います。ここでは、殆どの楽器(トイ楽器も含む、割とチープな楽器等)とVoを彼が演奏しており、少数のゲストが参加しているのみです。参加者は、Andy Giorbino (Vo, Instruments, Text [A1-A4, A6-B4, B6, B7], Music, Technical Support)の他に、Hajo Bauer (Text [B5]), Ivanhoe! (作曲 [A5]), Jäki Eldorado (G [A3]), Gitta L. aus E. (Text, Vo [A5]), Rajo Crash (Vo [A9])もゲスト参加しています。内容もA面9曲/B面7曲と言うだけで満腹になりそうですが、A面はFrühsommerseite (初夏サイド)と、B面はSpätsommerseite (夏の終わりサイド)と銘打たれています。それでは、各曲について紹介していきますね。 ★A1 “Motor Im Kopf”は、リズムマシンに合わせて、Gの切れのよいリズムとKbd、それにトイピアノとが組み合わさった曲で、途中のGは何故かヘンテコです。 ★A2 “Der Kleine Koch”は、性急なテンポで、ブクブクしたシンセと忙し無い展開に、独語Voがハマりますね。 ★A3 “Ich Lieb' Sie”は、如何にも似非スパニッシュな曲で、シンセのSEがそれを裏付けます。 ★A4 “Lied An Die Freude”は、性急なDR-55のリズムとシーケンスに乗って、反復する女性Voが聴かれるタイトル曲です。調子ハズレのシンセ・ソロも良し! ★A5 “Wer Denkt Mich”も、DR-55のリズムとGとベースラインに元気一杯の女性Voが乗ります。コーラスも良い塩梅で、シンセソロも良し! ★A6 “Luft Im Kopf”も、チープなリズムに太いシーケンスと不協和音なシンセが絡むインスト曲ですが、途中のSynth-BやGのソロもグー! ★A7 “!Viva!”は、弾き語りのような雰囲気の曲ですが、そこは流石、Giorbinoらしいヘンテコなアレンジが! ★A8 “Du, Nur Du”も、パルスで始まったかと思うと、スパニッシュなGとチープなリズムとVoが出てきます、勿論、調子外れなシンセやSE的音も! ★A9 “Kornblumenblau”は、LAFMSか?と間違うような鼻歌合唱による小曲です。 ★B1 “Urwald 1”は、Gで始まりますが、B?Synth-B?が絶え間なく上下し、更にはコンガなんかも。もう何でもありですね。囁くようなVoやメチャなGソロも入ってきます。 ★B2 “Nix Zu Spät”は、シンセ持続音からチープリズムか?と思うと一旦止まって、独語の会話とリズムマシンから成る曲です。 ★B3 “Wartet Auf Mich”は、割とまともな曲ですが、全編シンセとチープリズムと如何にもな独語Voからなります。間奏にはGソロも。 ★B4 “Urwald 2”は、ディレイをかけたリズムに、スムースな音色のシンセ、それに歌い上げるVoと言う頓珍漢な曲です。最後のワウGは? ★B5 “Der Mond”は、シンセで作ったリズムに、ハワイアンなスライドG、それにVoと言う、これまた不可思議な曲で、合ってないシンセも出現! ★B6 “Träum' Von Mir”は、リズムマシンに、呼吸音?のような呻き声と調子っぱずれのシンセから成る曲。 ★B7 “Aus Lauter Liebe”は、お得意のトイピアノの弾語りですね。もうヤケ糞なんでしようか? まあ、ここに紹介した記載は其々の曲の部分的なところだけですが、一曲一曲にたんまりと面白いアイデアやアレンジが施されていて、とても書き切れるものではないです。その位、良く考えられた(?)曲が詰まった面白アルバムなので、Zick Zackや初期のNDWがどんなカラーを持っていたかを知るには格好の音源です❗️なので、そこら辺に興味がある方は是非とも聴いてみて下さい。今は、日本のSuezan Studioから、ボートラ付きCDで再発されていますので、そちらの方が入手し易いかも! side Frühsommerseite A1 “Motor Im Kopf” (2:37) A2 “Der Kleine Koch” (2:01) A3 “Ich Lieb' Sie” (1:54) A4 “Lied An Die Freude” (3:14) A5 “Wer Denkt Mich” (3:12) A6 “Luft Im Kopf” (3:18) A7 “!Viva!” (2:35) A8 “Du, Nur Du” (2:49) A9 “Kornblumenblau” (0:32) side Spätsommerseite B1 “Urwald 1” (3:22) B2 “Nix Zu Spät” (2:32) B3 “Wartet Auf Mich” (4:01) B4 “Urwald 2” (2:47) B5 “Der Mond” (2:47) B6 “Träum' Von Mir” (1:47) B7 “Aus Lauter Liebe” (2:05) https://youtu.be/Z2j281Gaxaw?si=cErsv3S3chCmjlbr #AndyGiorbino #LiedAnDerFreude #ZickZack #FirstAlbum #Original #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Experimental #Guitar #Synthesizers #ToyInstruments #Guests #HajoBauer #Ivanhoe! #JäkiEldorado #GittaL.AusE. #RajoCrash
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Zick Zack 不明Dr K2
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Andreas Dorau “Ich Bin Der Eine Von Uns Beiden”
Die Dorau & Die Matinasでデビューしてから、通算6枚目のアルバム(個人名義としては4枚目)になります。すっかり、初期の少女趣味は消えて、ジャケ写のように、1人のアーティストとしての作品を作り上げています。その一つが、本作品”Ich Bin Der Eine Von Uns Beiden”となります(小柳カヲルさん、いつも有難うございます)。ジャケ写も獣人とハグしていると言う怪しさ満点なものになっています。ここで簡単に、ソロアーティストになってからのAndreas Dorauについて少し補足を。元々はDorauは、Palais SchamburgのHolger Hillerにギターを習っており、Die Dorau & Die Marinas名義で出した”Fred vom Jupiter”が、インディーズでヒットして、その名を知られるようになりました。1982年には、彼は、造形芸術家Albert Oehlenの作品 ”Evergreens of Psychoterror”に参加しています。その後、彼はミュンヘンの放送映像大学にて映像音楽について学んでおり、それ以外にもMousse T., Cavier Naidoo或いはDie Söhne Mannheimsと言うグループともビデオ作品を作ったりしていました。1992-1997年には、2raumwohnungと言うデュオの片割れの音楽家Tomi Eckartと共に、アルバムを作製しており、その時、Dorauはテキストを沢山書いていたらしいです。その後、1997年には、Wolfgang Voigtsの”Grungerman Remix”と言う曲のDorauのリミックスシングル”Girls in Love”もヒットしています。2014年には50周年記念として、ベストアルバム”Aus der Bibliothèque”をリリースしており、また、Liga der gewöhnlichen Gentlemenなるスーパーパンク・バンドも結成しています。とまあ、Dorauのバイオグラフィーはこんな感じです。 それで、内容についてですが、A1 “Im September”の女性Voはハンブルク出身のAlexandra Prinzで、弦楽器はErobiqueによるものです。A2 “Hinterhaus”では、Justus Köhncke (B)が参加したポップな曲。A3 “Schwarze Furchen”やA5 “Die Besondere”ではDorauとMarcus Rossknechtが演奏、A4 “Kein Liebeslied”でもクレジットにはないですが、恐らくPrinzがVoかと思われます。A6 “Heute kommt Er”ではDorauとJustus Köhnckeが演奏、ややフォーキーな曲です。B1 “Wir sind keine Freunde”では、Alexandra Prinz (Back-Vo), Markus Wegner (G), Markus Wegner (Synth)が参加、Dorau, Justus Köhncke, Markus Wegnerが曲を作っています。B2 “40 Frauen”は作詞はW. Mueller-Wolfで、演奏はDorauとKeni Mokで行っています。B3 “Zwei Hände im Sand”には、Jörn Zimmermann (B)とMatias Aguayo (Choir)とが参加し、DorauとRossknechtとが演奏しています。B4 “Du bist nicht wie die anderen”でもAlexandra Prinz (Back-Vo)で参加しており、曲自体Carsten Beermann-Meyerによるものです。B5 “Die Klette”でもAlexandra Prinz (Back-Vo)が参加、作詞はW. Mueller-Wolfですが、曲はDorauとRossknechtよるものです。B6 “Du gehst fremd”ではMarkus Wegner (Organ, Perc, Piano)が客演していますが、演奏はDorau, Justus Köhncke, Markus Wegnerで行っています。どの曲も落ち着いた緩いポップミュージックであり、以前のようなおかしなシンセを使ったりしておらず、割と正当な使い方で、曲も大人になったなぁと感心してしまいます。それでもDorauのVoは声変わりしたばかりのような「幼い」感じがまだ残ってますね。それにしても、Andreas Dorau、早熟の天才ですね。ちょっと落ち着いたDorauも良いですよー❗️皆んな、聴いてみてね。 A1 “Im September” (4:09) A2 “Hinterhaus” (3:43) A3 “Schwarze Furchen” (3:43) A4 “Kein Liebeslied” (3:57) A5 “Die Besondere” (3:53) A6 “Heute kommt Er” (4:25) B1 “Wir sind keine Freunde” (4:14) B2 “40 Frauen” (3:24) B3 “Zwei Hände im Sand” (4:45) B4 “Du bist nicht wie die anderen” (4:05) B5 “Die Klette” (3:54) B6 “Du gehst fremd” (4:02) A2 “Hinterhaus” https://youtu.be/baPDgQCWQys [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ljbFbM9Oo9YrAtrjMaExrgcpJLeFy6-gs #AndreasDorau #IchBinDerEineVonUnsBeiden #TapeteRecords #2020年 #Reissue #MuteTonträger #2005年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectronicPop #4ThSoloAlbum
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Tapete Records (Mute Tonträger) 3490円Dr K2
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Pyrolator “Ausland”
ええっと、続きましても、Kurt Dahlkeの偽名Pyrolatorです。今回はソロとしてはセカンドの”Ausland”です。Pyrolatorのバイオグラフィーについては、以前に紹介しましたファーストの”Inland”を参照して下さい。それで、本作ですが、前作がダーク・エレクトロだったのに対して、かなりガラッと変えて、無国籍風の変態ポップな仕上がりになっています。また、リリースもWarning RecordsからATA TAKになっています。今回はゲストも多彩で、確認してみると、Frank Fenstermacher(Der Planのメンバー), Werner Lambertz, Frank Samba, Eberhardt SteinKrueger, Marine, Carmen, Bossa Nova, Ludwig Goetz, Frederik Nilsen, Mortitz Rrr (Der Planのメンバー), Holger Hiller(❗️), Ina, Obiobiです。知ってる人は少ないんですが、この中にLAFMSのFrederik Nielsenがクロス・ストリング・ギターで参加してるのには驚きました❗️今回はDer PlanのFrankとの共同作業もあるみたいで、ラテン系のリズムやスキャット風或いはラップ調ヴォーカルさえ聴取できるポップナンバーなのです。でも、そこはそれ、Der Plan色もあって、一筋縄では行かない独特の脱臼したアレンジで引っ張ってくれます。単純化して言うと、ミニマルなのに、そうは思わせないシンセなどを入れてきたり、生楽器でリズムにメリハリを付けたりと,非常に高度な構成力のあるポップスと言えば良いのでしょうか。でも、こう言うアレンジって独逸っぽいと言うよりもDer Planっぽいと思いました。確かにシーケンサーは使っているんですが、そのアレンジによって随分と多彩な音楽になってる印象です。そんなカラフルでテクノな音楽を聴いてみてはどうでしょうか(ジャケもDer Plan的ですし)? 曲順 A1 “Max” (3:18) A2 “Die Haut Der Frau” (3:10) A3 “Mein Hund” (2:06) A4 “Elefantendisco” (3:07) A5 “Fricandel Speciaal (Gaat Swingen)” (1:51) A6 “Gold + Silber” (2:51) A7 “Bacano Brothercito!” (3:45) B1 “180°” (2:59) B2 “True Love” (6:15) B3 “Studio Fatal” (4:18) B4 “Cassiopeia” (1:48) B5 “Du Bist So... Ich Träume” (3:59) A7 “Bacano Brothercito!” https://youtu.be/oV9CxSUkcYI?si=kXtdgy7LPN21hx3P [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lAeTmsj04dyPKC53AsjV8_CT_GEg17YDI&si=w3N4v0c1T1I4MkES #Pyrolator #KurtDahlke #ATATAK #Ausland #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #DerPlan #ElectroMusic #Synthesizers #Guests #FrankFenstermacher #WernerLambertz #FrankSamba #EberhardtSteinKrueger #Marine #Carmen #BossaNova #LudwigGoetz #FrederikNilsen #MortitzRrr #HolgerHiller #Ina #Obiobi
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Pyrolator “Inland”
Neue Deutsche Welleの中心にいたDer Planのキーボード奏者にして、音学的頭脳、Kurt DahlkeことPyrolatorの最初のソロアルバムが、この ”Inland”です。彼は、Der Planに加入する前は、D.A.F.やFelharbenと言うNDWのど真ん中にいました(Deutsch Amerikanische Freundschaft [D.A.F.]のバイオを参照) 。そこで先ず、Kurt Dahlkeのバイオグラフィーをおさらいしておきましょう。1978年にD.A.F.に加入しますが、翌年、脱退し、Der PlanとFehlfarbenに加入します。前者としては1992年まで、後者は1980年まででしたが、2002年にメンバーとして戻ってきます。また、近年、Der Planも再結成され、彼もまたメンバーとして復活しています。また彼は初期の頃からレーベル活動もちゃんとしており、最初期(1978-1979年位?)にはWarning Recordsを、その後にATA TAK (Art Attackの略語)を創設し、正にNDWの中で最重要レーベルの一つになります。ATA TAKはDer Planの趣味もあるのですが、どちらかと言うと、ちょっとふざけたような諧謔性を持ったバンドやアーティストの作品をリリースしていました。その後、彼は、1983年に”Die letzte Rache”の映画音楽を、1985年にも”Grottenolm”の映画音楽を、更に2011年には”Das schlafende Mädchen”のサウンド・デザイナーを担当しています。1985年に、彼はArnd Kai Klosowskiとのコラボで、数十台のカセットテープ(所謂、カセット・ウォークマン)による「サンプラー」とも言うべき楽器を使って ”Hometaping Is Killing Music”をリリースしており、彼の先見の明が花開いた傑作になっています。その後、1996年には、彼は、Der PlanのメンバーであるFrank Fenstermacherとコラボ・アルバム”A Certain Frank”をリリースしたりしています。 それで、本作品ですが、これはPyrolatorとしての初のソロアルバムで、1979年に自身のレーベルWarning Recordsからリリースしますが、Der Planなどの様なファニーな音楽ではなく、ドローン調のシンセを中心に、時にパルスやリズミックなシンセ音も入るダークなエレクトロニック・ミュージックになっており、彼の作品の中でも異色作と言えますね。また、メロディはあっても暗めですね。多分、丁度、英国のThrobbing Gristleなどがイギリス国外でも知られるようになってきたことや、最初期のD.A.F.でのジャム・セッションからの影響もあるのではないかと推測します。彼は専ら、ハードウエアーとしてBuchlaの(モデュラー)シンセと手圧に反応するインターフェイスを使っていたとのこと。西海岸的な自由な音作りが性に合ったのでしょう。その後のソロアルバムなどからすると、ジャケもやけに素っ気なく、インダストリアルな感覚が垣間見れますね。ちょっと異色ですが、こう言う面もPyrolatorにはあると言うことで、是非聴いてみてください。因みに、今回、彼が使った機材は、Korg MS-20 synthesizer, SQ10 sequencer, B20R home organ, Davolisint synthesizer, Logan string orchestra, dual-channel tape machineとのことです。 A1 “Minimal Tape 1/2.3” A2 “It Always Rains In Wuppertal” A3 “Inland 1” A4 “Minimal Tape 1/8” A5 “Danger Cruising” A6 “Inland 2” B1 “Inland 3” B2 “Minimal Tape 3/7.2” B3 “Bärenstrasse” B4 “Have A Good Ride” B5 “Inland 4” B6 “Nord Atlantik” [full album + bonus tracks] https://youtu.be/8DBtMnRV5Cs?si=dEb5LZ6SSSY-foSV #Pyrolator #Inland #KurtDahlke #WarningRecords #ATATAK #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #DerPlan #ElectroMusic #Synthesizers #InstrumentalTracks
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Warning Records 2200円位?Dr K2
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Der Plan “Normalette Surprise”
また、続きです。そう、Der Planのセカンド ・アルバム”Normalette Surprise (ノルマレッテ・ズルプリーゼ)です。本作品は、変則アルバムで、”Wat’s Dat? & 14 weitere Schlager”収められてるB面は45回転、A面は33 1/3回転となっています。ファーストよりは、悪ふざけなところは抑えられてますが、それでも、チープなシンセを存分に使った(割とちゃんとした)曲は一聴して、Der Planだなと分かるオリジナリティを持っています。 それから彼らのバイオグラフィーが前々回、あまり書いていなかったので、少し補強しておきます。 Der Planは、1979年初頭にDüsseldorfで、Moritz Reichelt (Moritz R®のこと)とKai Horn及びFrank Fenstermacherとによって結成されたWeltaufstandsplan (World Rebellion Plan「世界叛乱計画」の意味)と言うバンドが、その前進となっています。Kai Hornはファーストアルバム前に脱退し、後にDAFのメンバーとなるChrislo HaasとRobert Görlがヘルプで加わり、ジャムセッションを繰り返して、このメンツでファーストシングル(このシングルだけはダークで音楽性も異なり、激レア物件です)が作製されました。1980年になるとPyrolatorことKurt Dahlkeが加入し、音もかなり音楽的になり、シングル”Da Vorne Steht 'Ne Ampel”が欧州で大ヒットして、NDWの中心バンドとなって活躍して行くことになります。彼は自分たちの音楽をElectronic Schlage或いはSynth Popと呼んでおり、同時に自身のレーベルATA TAKを設立します。1982年には 短編映画”Die letzte Rache”のサントラを担当。1984年にはメジャーレコード会社WEAからシングルを出しますが、ヒットしなかったみたいです。一方、彼等は、日本公演の成功からか、”JaPlan”なる作品を1984年にリリースします。このアルバムは日本ではヒットしましたが、世界的には全然ヒットしませんでした。その後、1988年に彼等のベストアルバム”Perlen”をリリースしました。その後、1992年に一旦、Der Planは解散しますが、2003年にDer Plan vet.4.0として復活します。ザックリとしたDer Planの略歴ですが、元々、NDWのシーンはメンバーが入り混じっており、お互いにヘルプし合って、活動していたようです。また、Der Planは、初期には、米国のThe Residentsや英国のThrobbing Gristleに影響を受けていたそうですが、意外と言えば意外な一面があるのだなと思いました。そんな初期のアルバムにも触れてみて下さい。 クレジット曲順 ◼️side A: Normalette Surprise A1 “Lebdoch” (2:10) A2 “Renate” (2:14) A3 “Meine Freunde” (2:02) A4 “Sie Hat Mich Verlassen” (1:53) A5 “Pausen-Sassa” (1:59) A6 “Wenn Der Sonne Ist Verblüht” (2:10) A7 “Kleine Schlager-Revue” (2:33) A8 “Frl. Nicol” (2:05) A9 “Ich Bin Ein Komputer” (1:10) A10 “Robot-Bolero” (1:43) A11 “Generäle Essen Erdbeereis” (2:59) A12 “Das Insekt” (1:35) ◼️side B: Wat's Dat? B1 “Wat's Dat?” (2:09) B2 “4 Stapfen Im Schnee” (1:11) B3 “Zurück In Die Atmosphäre” (2:25) [full album: bonus version] https://youtu.be/tXaT-qLSPIk?si=QPz2iAlSnKfXxiMp #DerPlan #ATATAK #NormaletteSurprise #変則LP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #ExperimentalPop #Synthesizers #MoritzR #FrankFenstermacher #Pyrolator #KurtDahlke #Weltaufstandsplan
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Der Plan “Geri Reig”
これは、昔、CDで購入したものを通学電車の中でよく聴いていたんですが、やっぱりアナログが欲しくて、後から購入しました。そうです!Der Planのファースト・アルバム”Geri Reig (ゲリ・ライク: Geriの輪舞の意)”です!前回、彼らの6枚目のアルバム ”Es Ist Eine Fremde Und Seltsame Welt”を紹介しましたので、バイオグラフィーはそちらを参考にしてください。これは当時、Neue Deutsche Welle (German New Wave)が日本で大々的に大旋風を起こした時(ホントは局地的な盛り上がりでしたが)に、友達に聴かせてもらったのが、NDWへの始まりでした。そのちょい前のロック・マガジンの特集で、独逸のそのような動きについて興味を持っていましたが、現物は中々手が届かなかったのと、余りにマイナーな独逸のカセット文化(Tape Klar!やCassetten Combinatなど)に興味を持ってしまったので、逆に如何にもNDW的なDer Planなどは素通りしていました。NDWが何故面白かったか?と言うと、まずは(安物)シンセなどの電子楽器を使ったグループが多かったのとパンクのDIY精神で「面白ければ下手でも良い」がブレンドされたところでしようか?Der Planもその名の通り、「道化」を演じていたし、何よりも初来日では演奏のテープ流して、ストリップ・ショーをやっただけと言う勝手さが何よりも面白かった。このファーストアルバムも、何よりもプリミティブなシンセ使い(音楽的にはPyrolatorことKurt Dahlkeが頭脳を担っていた)と演芸会のような下手くそな歌が素晴らし過ぎる。また、曲の間にチョロっと咳き込む声や笑い声、物を食べる時の音なんかを挟んだり、当時のDAFをおちょくるような曲 ”Hans Und Gabi”とかをやったりと、実に面白いです(因みにDAFのRobert GörlはDer Planの元メンバー)。そこら辺の洒落が分かると益々楽しい、そんなアルバムです。因みにこのアルバムはATA TAKからではないです。まあ、聴いてみてちょ! クレジット曲順 A1 “Adrenalin Lässt Das Blut Kochen” (3:10) A2 “Geri Regi” (2:35) A3 “Persisches Cowboy-Golf” (1:18) A4 “Gefährliche Clowns” (3:18) A5 “Kleine Grabesstille” (1:04) A6 “Der Weltaufstandsplan” (2:43) A7 “Hans Und Gabi” (3:10) B1 “Commerce Extérieur Mondial Sentimental” (2:39) B2 “Was Ich Von Mir Denke” (3:38) B3 “San José Car Muzak” (2:56) B4 “Erste Begegnung Mit Dem Tod” (0:51) B5 “Ich Bin Schizophren” (2:39) B6 “Nessie” (1:29) B7 “Gefährliche Clowns (Manisch Idiotisch)” (4:57) B8 “Die Welt Ist Schlecht” (1:52) https://youtu.be/oMwBGTxNdig?si=q0ZzmvM8XzxntAMC #DerPlan #GeriReig #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #WarningRecords #ExperimentalPop #Electro #FirstAlbum #Synthesizers #FrankFenstermacher #MoritzR #Pyrolator #KrutDahlke #ArtAttack #ATATAK
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Warning Records 不明Dr K2
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SAAL2 “Weil Das System Nicht Funktioniert!”
最近、日本のレーベルSuezan StudioでCDとして再発されたNDW直系のデュオSAAL2 (ザール・ツヴァイと読む)の2005年に独Vinyl-on-Demandから出た編集・リイシュー盤(500枚限定)が本作品です。1980年初頭にハンブルクで結成されたデュオで、当初は、Jens Kraft (G, B, Synth, Vo, Rhythm)とGodeke Ilse (Organ, B, B-Synth, Synth, Vo, Rhythm)であったんですが、ヘルプでThomas Meins (Perc, Chorus)も参加していたらしいです。本作は 1980年に独逸Zick Zackよりリリースされていた彼らのEP”Angst Vorm Tanzen” (A1, A4, A8, B2)と1981年に同レーベルのコンピレーション”Lieber Zuviel Als Zuwenig”に収録されている曲 (A5)や1980年にWeins-Wirstchen-Probekeller (B3)で、1981年にSzlovak-Garageで録音された未発表曲(上記以外)も加えられた編集盤です。SAAL2は2007年に再結成した時には前述のメンバーに加えFolke Jensen (G, B, Engineering)とRalf Schlüter (Piano)も参加しております。 それで本作の内容なんですが、それはNDW特有のミニマル・シンセ・ウェーブで、基本的には、リズムマシンにチープなアナログシンセの電子音が乗っかるスタイルで、SAAL2に関してはあくまでもポップミュージックの範疇に拘っています。面白いのは、彼等はスタイルが変わったり、メンバーが加わったりすると、SAAL3とかSAAL4とか名乗ったりするところですね。あくまでも、安価なシンセに拘り、ミニマルで、ユーモアに富んだ曲をやってたSAAL2をこの機会に聴いてみてください。 A1 “Angst Vorm Tanzen” (2:51) A2 “Wir Versuchen Es Mit Napalm. Abstand Halten!” (1:17) A3 “Petra Und Gabi” (3:05) A4 “Beschäftigung Maskulin” (1:22) A5 “Strandgefühle “ (4:21) A6 “Ich Und Meine Gitarre” (0:44) A7 “Black Points Over All” (2:28) A8 “Die Internationale” (1:38) B1 “Heiße Hunde” (2:29) B2 “Ich Liebe Donald Duck” (1:33) B3 “Kleine Blonde Mädchen 2” (2:29) B4 “Buzzcocks” (2:56) B5 “Glück, Abenteuer Und Zufriedenheit” (2:16) B6 “Gunther (Langsame Urversion)” (2:31) B7 “St. Pauli” (2:32) B8 “Für Karin” (1:58) EP “Angst Vorm Tanzen” [A1, A4, B2, A8] https://youtu.be/AJwLlsiua20?si=LzAmNnhMlKRF64ws A5 “Strandgefühle “ (4:21) https://youtu.be/qMYVQaof5W4?si=u1f-eaMT3N8uFonE #SAAL2 #WeilDasSystemNichtFunktioniert! #NeueDuetscheWelle #GermanNewWave #MinimalWave #SynthWave #Synthesizers #RhythmMachine #ZickZack #VinylOnDemand #LimitedEditions #500部 #SelfCompilation #AngstVormTanzen #LieberZuvielAlsZuwenig # #1980-1981年 #PreviouslyUnreleased #JensKraft #GodekeIlse #ThomasMeins
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Vinyl on Demand 不明Dr K2