Andy Giorbino “Lied An Die Freude”

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君は、Andy Giorbinoを覚えているかい? 嘗て、1980年に独の名門レーベルZick Zackよりデビューしたトイ・ポップ職人が、Andy Giorbino (アンディ・ジョルビーノ: 本名Andreas Gerth)です。そこで、先ずは、彼のバイオグラフィーを調べてみました。独Hamburg生まれで、1976年には、Radio Moon名義で、音楽とダンスを組合せたパフォーマンスを行なっていました。1979年になると、独のNeue Deutsche Welle (German New Wave)を語る上で最重要な自主レーベルZick ZackのAlfred Hilsbergs (アルフレッド・ヒルスベルクス)にコンタクトを取り、その結果、ファースト・ソロ7㌅シングル”Kredit"を出しています。1980年には、本作でもあるファースト・ソロ・アルバム”Lied An Die Freude (リード・アン・ディー・フロイデ)を同レーベルよりリリースし、レーベルカラーの一翼を担うことにもなります。それで、1980年〜1984年では、アルバムタイトル”Lied An Die Freude”と題して、再び、音楽とダンスとを組合せたパフォーマンスをHamburg, Köln, Berlin、更には隣国まで行って開催しており、その様子をカセット作品でも出していますね。その間にも、1982年にセカンド7㌅シングル”Stolpern”を、更に同年にセカンド・アルバム”Anmut Und Würde”を共にZick Zackよりリリースしており、カセット作品”Frechheit Siegt”も出しています。また、同年には、Jäki EldoradoとNicki Eldoradoと共にFSKと言うバンド名義で、IVANHOE!ツアーを敢行しています。その後1983年〜1984年には、彼自身のHeimatforscherで、Kosmonauntentraumと一緒に独蘭2国ツアーを敢行。1984年には、また”Lied An Die Freude”で、パリ・ビエンナーレに招聘されていますが、個人的理由で、このプロジェクトは解体されています。そうして、1985年には、HamburgのバンドGeisterfahrerにギタリストとして参加、翌年、このバンドのアルバム”Fi$ch Gott”がリリースされ、また、1987年には、別のバンドKastrierten Philosophenに参加して、アルバム”Between Shootings”がリリースされ、Roskildeフェスにも出演しています。1988年には、Gaistetfahrerはアルバム”Stein & Bein”をリリースし、また、LedernackenことFolke Jensenとも共同制作しており、その結果は、1989年リリースのアルバム “The Art Of Letting Go”となります。このアルバムは、独だけでなく、英国でも同時リリースされ、更に英国ではビデオでのプロモーションもあったとか。このアルバムは蘭ではスパイアクション番組でも用いられたらしいです。また、同年には、Geisterfahrerもアルバム”The G-Far-I”をWhat's So Funny Aboutから出しています。一方で、Giorbinoは、HamburgのDocksで上映されたAndy Warholの映画にライブで音楽を付けたりしています。1993年には、ギター・オーケストラRossburger Reportにも参加しており、同年にはアルバム”Whiteouts”をCDとVinyl両形態で、Vinc Lombardy Highschool Recordsから出しています。そうして、1996年には、アルバム”Bellymen”をCDでリリース。翌年1997年には、David Meyer/Sillywalksとのコラボで、CD”Les Fleurs Du Mal”をリリース。また、2000年になると、Peter Brötzmannのコンサートで、Folke Jensenと運命的再会を果たし、Ultraschall Studioで再度、コラボを開始して、2002年に、その結果であるEP "Überall Licht”をDian Recordingsから出しています。その後も、順調に、2005年には、シングル盤”Ich Sag Hallo”とCD “Schön"をOnomato-Popから出しており、2012年にもCD “The Artstore Takes”も出しています。一方、2009年以降は、映像作品に音楽を提供することを生業として、多くの作品に曲を付けています。その中でも、Film-Atonaleでは、Andy Giorbino (G), Krischa Weber (Cello)に加えて、更にKatrin Achinger, Kastrierte Philosophen, Jim Sudmann, Eisenvaterをゲストに迎えて音楽制作も行なっています。また、2014年12月には、印のHyderabadで開催されたBangalore International Film Festivalにも招聘されています。
 とまあ、Andy Giobinoの今までの活動を見るとこんな流れでしようか。それでは、彼のデビュー・アルバム”Lied An Die Freude”について紹介したいと思います。ここでは、殆どの楽器(トイ楽器も含む、割とチープな楽器等)とVoを彼が演奏しており、少数のゲストが参加しているのみです。参加者は、Andy Giorbino (Vo, Instruments, Text [A1-A4, A6-B4, B6, B7], Music, Technical Support)の他に、Hajo Bauer (Text [B5]), Ivanhoe! (作曲 [A5]), Jäki Eldorado (G [A3]), Gitta L. aus E. (Text, Vo [A5]), Rajo Crash (Vo [A9])もゲスト参加しています。内容もA面9曲/B面7曲と言うだけで満腹になりそうですが、A面はFrühsommerseite (初夏サイド)と、B面はSpätsommerseite (夏の終わりサイド)と銘打たれています。それでは、各曲について紹介していきますね。

★A1 “Motor Im Kopf”は、リズムマシンに合わせて、Gの切れのよいリズムとKbd、それにトイピアノとが組み合わさった曲で、途中のGは何故かヘンテコです。
★A2 “Der Kleine Koch”は、性急なテンポで、ブクブクしたシンセと忙し無い展開に、独語Voがハマりますね。
★A3 “Ich Lieb' Sie”は、如何にも似非スパニッシュな曲で、シンセのSEがそれを裏付けます。
★A4 “Lied An Die Freude”は、性急なDR-55のリズムとシーケンスに乗って、反復する女性Voが聴かれるタイトル曲です。調子ハズレのシンセ・ソロも良し!
★A5 “Wer Denkt Mich”も、DR-55のリズムとGとベースラインに元気一杯の女性Voが乗ります。コーラスも良い塩梅で、シンセソロも良し!
★A6 “Luft Im Kopf”も、チープなリズムに太いシーケンスと不協和音なシンセが絡むインスト曲ですが、途中のSynth-BやGのソロもグー!
★A7 “!Viva!”は、弾き語りのような雰囲気の曲ですが、そこは流石、Giorbinoらしいヘンテコなアレンジが!
★A8 “Du, Nur Du”も、パルスで始まったかと思うと、スパニッシュなGとチープなリズムとVoが出てきます、勿論、調子外れなシンセやSE的音も!
★A9 “Kornblumenblau”は、LAFMSか?と間違うような鼻歌合唱による小曲です。
★B1 “Urwald 1”は、Gで始まりますが、B?Synth-B?が絶え間なく上下し、更にはコンガなんかも。もう何でもありですね。囁くようなVoやメチャなGソロも入ってきます。
★B2 “Nix Zu Spät”は、シンセ持続音からチープリズムか?と思うと一旦止まって、独語の会話とリズムマシンから成る曲です。
★B3 “Wartet Auf Mich”は、割とまともな曲ですが、全編シンセとチープリズムと如何にもな独語Voからなります。間奏にはGソロも。
★B4 “Urwald 2”は、ディレイをかけたリズムに、スムースな音色のシンセ、それに歌い上げるVoと言う頓珍漢な曲です。最後のワウGは?
★B5 “Der Mond”は、シンセで作ったリズムに、ハワイアンなスライドG、それにVoと言う、これまた不可思議な曲で、合ってないシンセも出現!
★B6 “Träum' Von Mir”は、リズムマシンに、呼吸音?のような呻き声と調子っぱずれのシンセから成る曲。
★B7 “Aus Lauter Liebe”は、お得意のトイピアノの弾語りですね。もうヤケ糞なんでしようか?

 まあ、ここに紹介した記載は其々の曲の部分的なところだけですが、一曲一曲にたんまりと面白いアイデアやアレンジが施されていて、とても書き切れるものではないです。その位、良く考えられた(?)曲が詰まった面白アルバムなので、Zick Zackや初期のNDWがどんなカラーを持っていたかを知るには格好の音源です❗️なので、そこら辺に興味がある方は是非とも聴いてみて下さい。今は、日本のSuezan Studioから、ボートラ付きCDで再発されていますので、そちらの方が入手し易いかも!

side Frühsommerseite
A1 “Motor Im Kopf” (2:37)
A2 “Der Kleine Koch” (2:01)
A3 “Ich Lieb' Sie” (1:54)
A4 “Lied An Die Freude” (3:14)
A5 “Wer Denkt Mich” (3:12)
A6 “Luft Im Kopf” (3:18)
A7 “!Viva!” (2:35)
A8 “Du, Nur Du” (2:49)
A9 “Kornblumenblau” (0:32)
side Spätsommerseite
B1 “Urwald 1” (3:22)
B2 “Nix Zu Spät” (2:32)
B3 “Wartet Auf Mich” (4:01)
B4 “Urwald 2” (2:47)
B5 “Der Mond” (2:47)
B6 “Träum' Von Mir” (1:47)
B7 “Aus Lauter Liebe” (2:05)

https://youtu.be/Z2j281Gaxaw?si=cErsv3S3chCmjlbr

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