Thorax-Wach “Huckepack Und Zu Hunderten In Den Tod”

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今回は、Thorax-Wach (トラックス・ヴァッハ)の7インチEP”Huckepack Und Zu Hunderten In Den Tod (フーケパック・ウント・ツー・フンデルテン・イン・デン・トット; 「おんぶしたら、数百人が死んだ」の意)”をご紹介しします。以前にThorax-Wachのバイオグラフィーは書きましたので、詳細はそちらをご参照下さい。まぁ、簡単に紹介だけしておきます。Thorax-Wachは、独逸の田舎町で、Frank Dieckmann (フランク・ディークマン)とOlaf Krämer (オラフ・クレマー)が結成したデュオで、2台のシンセKorgMS-20と貧相なマイクだけで録音しています。それで、1980年に、デビューEPでもある本作品を自身のレーベルSchnellschnittからリリースしており、同年にはアルバム”Kaum Erdacht - Schon Mode (カラム・エルダハト-ショーン・モーデ)”もリリースしています。その後、カセット作品も1本出していますが、1981年にはデュオは消滅し、それぞれの道に進むことになります。しかし、40数年振りの2023年に2人は再結成し、2024年に、日本のSuezan Studioから新録アルバム”Kafka In Berlin”をリリースしています。
 今回、彼等のデビューEP”Huckepack Und Zu Hunderten In Den Tod”を紹介します。7インチですが、4曲入りとなっています。誰が何を担当したかは不明ですが、1980年で、シーケンサーも持っていなかった彼等の創意工夫が堪能出来るEPとなっています。それでは、各曲をご紹介ししていきましょう。

◼️Linke Seite
★A1 “Huckepack Und Zu Hunderten In Den Tod”は、猫の鳴き声?で始まり、シンセのパルス音(=Synth-B)及び持続音とホワイトノイズのスネアで進んでいきます。更にテープ・コラージュも加わりますが、やがて元に戻ります。しかし、手弾きなんだろうな。
★A2 “V.S.O.P.”は、シンセで作ったリズムと手弾きのベースラインに、それに合わせた2人の合唱から成る小曲です。

◼️Rechte Seite
★B1 “Vetter Tom's Knüppel”は、骨折したようなリズムから始まり、やがてシンセのリズムに2人の歌が乗ってきます。パルス音やSE音も聴こえます。
★B2 “Dick Sind Sie Und Keuchen”は、シンセのベースラインとホワイトノイズのリズムに合わせて、2人が順に歌っています。途中、P16.D4の音源らしき音が聴取できます。

 この作品は、やはりこの時代のこの時期でしか出来ない音楽なのだろうと確信しました。とにかく、シンセによるガタガタのアンサンブルで、何と言うか、ロック的なノリを拒絶したかのような独特のリズム感を感じます、しかも4曲全部に。ビギナーズ・ラックではないですが、それに近い抜群の出来を感じますね。今や入手困難かもしれませんが、NDWファンの方には、是非とも聴いて欲しい作品です!

https://youtu.be/Flzm0rKhRag?si=Lejb4ZZvBj6d9KBJ

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