Hubert Kah “Rosemarie“

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Hubert Kah (ヒューベルト・カー)は、日本でもそこそこ人気があったNDWバンドみたいで、ヤフ◯クでも多量に中古盤が出回っていますね。ただ、ファースト・アルバムやそこからのシングルは殆ど出回っていません。それで、ついつい、興味を持ってしまって、海外通販のついでに、彼等のファースト・シングル”Rosemarie“を購入しました。と言う訳で、Hubert Kahのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。
 Hubert Kahは、Tübingen(チュービンゲン)大学で心理学を学んでいたHubert Kemmlerによって結成されたシンセ・ポップ・トリオで、メンバーは、Hubert Kemmler (Vo, Kbd; ヒューベルト・ケムラー), Markus Löhr (G, Kbd; マルクス・レール), Klaus Hirschburger (B; クラウス・ヒルシュブルガー)でした。NDWブームの1982年に、シングル”Rosemarie"(1982年ファースト・シングル)や"Sternenhimmel"(1982年セカンド・シングル)及び"Einmal Nur Mit Erika... (Dieser Welt Entfliehn)"(1983年サード・シングル)やアルバム"Meine Höhepunkte"(1982年ファースト・アルバム)や"Ich Komme"(1982年セカンド・アルバム)で商業的成功を納めます。この時期のKemmlerは、TV番組出演の度に、寝巻きや拘束着で出てきて話題を呼んでいたらしいです。その後、プロデューサー/Kbd奏者のMichael Cretu (ミカエル・クレチュ)と組んで、1984年に、Achim Czech (Drs; アヒム・チェク)を加えて、独語歌詞のアルバム”Goldene Zeiten”を、その後、英詞のアルバム”Tensongs”を1986年に、更にPeter Weihe (G; ペーター・ヴァイへ)も加えて”Sound Of My Heart”を1989年にリリースし、国際的には一部でウケていますが、実は1980年代末に、Kemmlerは鬱病に罹患し、音楽業界から完全に引退しています。その後、1996年に音楽業界に復帰、単独でセルフ・タイトルのアルバムとシングル"C'est La Vie"と"Sailing"をリリースしますが、思った程の成功は納められず、1998年に、シングル"Love Chain"とベスト盤CDをリリース後、再び、鬱病を再発し、治療を受けることになります。そうして、2005年に、Kemmlerは、2度目の復帰をし、Achim Köllner (G, B, Drum Programming; アヒム・ケルナー)の協力の下、新録アルバム”Seelentaucher”とシングル”No Rain”をリリース、独逸語と英語を交えた歌詞の曲を盛り込んでいます。2007年春には、Kemmlerは、Ice King Kiniとして、ミュージカルPrincess Lillifeeで国内ツアーを行ったり、ASPと言うアコースティック・バンドで、LeipzigでのWave-Gotik-Treffen 2007に出演したりしています。その後、2021年3月には、Stuttgartのホテルで、還暦パーティを行っています。
 ちょっとバイオグラフィーが長くなりましたが、本作は、トリオであったHubert Kahのファースト・シングルであり、彼等の人気を決定付けたシングルでもあります。メンバーは先述の通りの3人です。それでは、本作品の各面/曲を紹介していきましょう。

★A “Rosemarie” (3:48)は、ドラムマシンのマシン・ビートにB(-Synth)とGの細かい刻みに、ドリーミーなシンセのメロディとシャレ乙で囁くようなVoが乗る曲で、途中からDrsも入ってきます。1980年代のニューウェーブな音楽だなぁと感心してしまいます。
★B “Du Bist So Schön” (3:15)は、パンドラムの連打とシンセのイントロからダンサブルな強靭なダンスビートに雪崩れ込み、そこにセクシーに歌うVoが乗る曲で、ファズGやシーケンスが時々挿入され、かなり強いポップネスとカッコ良さを感じます。

 どちらの曲もYouTubeで聴くよりも、レコードで聴いた方が、重くてノリの良いダンス・ビートを感じることが出来ますが、個人的には、B面の方が好きです。また、私自身も歌はやはり自国語で歌うべきとの考えがあるので、Kemmlerの悩みは良くは分かりませんが、それは非英語圏に生まれた者の宿命と思っています。それにしても、このシングルは、ニューウェーブかつポップで、大勢のリスナーに受け入れ易かったのは、よ〜く分かりますね。でも、これ以上は掘らないと思いますが、、、流石に「産業ニューウェーブ」なので。とにかく、音色やアレンジ、録音仕方等も上手く、聴かせてくれますので、興味のある方或いは1980年代ニューウェーブに興味のある方は是非!

A “Rosemarie” (3:48)
https://youtu.be/nNmLXUkSKnw?si=zTHWLiWpJa-rPun9

B “Du Bist So Schön” (3:15)
https://youtu.be/Kb65kYqQWgU?si=_u1Qt9fmM3uIRWYK

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