心の美しさ
初版 2023/10/16 14:52
改訂 2023/10/16 14:52
コダーイ/チェロとピアノのためのソナタ嬰ヘ短調op.4
第1楽章 ファンタジア:アダージオ・ディ モルト
第2楽章 アレグロ・コンスピリート-モルト アダージオ
コダーイのチェロソナタといえば思い浮かべるのは無伴奏の作品8だろう。
ボクは以前書いたけれど、未だに愛聴しているのはモノーラルで録音されたシュタルケルの演奏。録音がモノーラルだけど、それを担当したのがベラ・バルトークの弟でまさに鏤骨の録音としか言いようのない圧倒的な迫力を持っている。
https://muuseo.com/Mineosaurus/items/44?theme_id=43332
こっちはピアノとチェロのために書かれた調性音楽である。
マジャールの民族音楽の香気を漂わせながら、独自の音感覚で構成されている。
ボクはこの2楽章のソナタの舞踏的な第2楽章も好きだけど、この第一楽章のピアノの方に魅せられる。
それはまさに晩年のバルトークがピアノ協奏曲第3番の第2楽章で見せたあの打楽器としてのピアノの1音の美しさをもう一度聴かせてくれるものだ。
旋律を歌うためにめまぐるしいパッセージを繋いで行くのではない。
ただ、チェロの底の厚い歌に合わせ、その隙間を埋めるようにピアノは叩いた音と残響の美しさの中にその全存在を懸けている。
歌が2つある。
一つは点で歌われ、
一つは線で奏でられる。
中間部で両者のテーマが交錯し、旋律が入れ替わる瞬間、数瞬燃え上がる青白いロマンティシズムに20世紀の音楽であることを忘れる。
どこにも混濁がなく、コダーイの純粋が音化している。
彼の宗教音楽や子供のための音楽に共通するピュアな心の美しさが本当に伝わる音楽です。
だから、YouTubeの中のいくつかのライブ演奏のようにチェロのリードが強い音で出ると、ピアノもその音と肩を並べる。存在が強すぎて協調が難しいね。
よくこの曲はチェロソナタと書かれているけれど、これはチェロとピアノのために書き上げられたソナタですね。
どんな初演のされ方をしたのかなあ、ピアノパートはひょっとしてバルトークだったかも知れない。
Mineosaurus
古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。
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