風のない冬月夜  音からの妄想

初版 2024/01/07 11:10

改訂 2024/01/07 11:10

フォーレ/夜想曲第1番変ホ短調OP.33-1

初冬の澄んだ星のない月夜。
葉擦れの音もない凪いだ田舎道。
この曲を聴いているとシェーンベルクの『浄夜』をよく思い出す。


劇的緊張感は全く異なる弦楽合奏曲とどこが似ているかと自分でも思うのだけれど、どうやら似ているのではないようだ。
この曲の冒頭に見える男女の寄り添って歩くような幸福でどこか翳りを湛えた歩み。
白鍵と黒鍵をひたひたと二人の静かな足音だけが静まりかえった家路を辿っているようなイメージ。


左手は女性右手は男性。


その歩みは後になり先になり点描の旋律になりきらない淡く暖かな月影を長く、白い石畳に残してゆく。
『浄夜』で聴かれるような女性の劇的な告白があるわけではないけれど、
ほつりとほどけたような男の一言に迷っていた女性の感情が重なり、数瞬重い言葉が交わされるけれど、
やがて心は月夜の中で解け、右手と交差した左手が奏でる可憐な旋律。
男を振り返ったその女性の白いほほに浮かんだ信頼に充ちた微笑みと少し上目遣いの瞳。
音楽はそこに男の苦い微笑みが優しい潤を広げてくるように重なる。


再び並んで歩き始める男女の歩みは左手が右手に寄り添って創る冒頭の淡い音色に戻ってゆく。
いつまでも家路につかないような細く曲がりくねった道が上りきった坂道から白く月の光に照らされて光っている。

スタンウェイの劇的でクリアな音色よりも、ベーゼンドルファの繊細で芯の柔らかな音色でどうぞ。ただ、

ドワイヤンのピアノは全曲集しかなく、冒頭7分20秒くらいまでがこの曲。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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