ふつーのくつろぎ

初版 2023/07/22 17:47

改訂 2023/07/22 21:06

            ヨーゼフ・カール・シュティラーの有名なベートーヴェン(眉間にちょっと縦ジワ

ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調op.11『街の灯』

第1楽章 アレグロ コン ブリオ
第2楽章 アダージオ
第3楽章 主題と変奏(ヨーゼフ・ヴァイグルの歌劇『船乗りの恋』からのアリアのテーマによる)

パガニーニの作品にも同じようなのがあった。ボクはヴァイオリンはあまり得意ではなくて、とりわけパガニーニはバリバリのリストよりもずっと苦手です。人の作品を聴いて『こんなに凄いテクニックで弾くことができるよ』と押しつけられているようでどうも苦手ですね。(パガニーニファンの方ごめんなさい。)

で、普段あんまりそういうことからは遠いところにいるボンの巨匠でも、多楽章の作品に他人の曲を主題を拝借するなどと言うことがあるのを知って妙に心が和んだ記憶があります。

大体ボクのベートーヴェンは室内楽に限っては後期からといっていいので、眉間に深く縦皺が刻まれているイメージを払拭する必要もなく、ありのままに受け容れておったのでした。

このトリオなんぞは、眉間を大きく開いていて妙にテンションが高い。
この作品は伝説のヴィルトゥオーゾクラリネッターであったヨーゼフ・ベイヤーに献呈されており、そこから察するにクラリネット・トリオであるのが本筋なんだろうね。

アナログレコードだったけれど、最初にボクが持っていたのはモーツァルトのクラリネット・トリオとのカップリングだった。もう忘れたけれど、街の灯が灯った何処かの港町の通りの写真がジャケットに貼り付けられていたように記憶している。
ピアノトリオとなるとクラリネットパートにヴァイオリンが入るのでここは、本筋で行こうと思う。

だからクラリネット、ピアノとチェロ(もしくはヴィオラ)のための三重奏曲変ロ長調op.11になるんだね。多分。
この作品をピアノ・トリオの第4番にすると第4番の『幽霊が』第5番に繰り上がり、大公トリオが6番から7番に上がる。この辺が適当な感じがするね。

YouTubeで演奏を探していると、どっちも作品11、調性が同じなのでちと混乱した。クラリネットは圧倒的に少ない。

3楽章形式で最後にこういう主題と変奏をもってくるのは、クラリネットに魅力を与える旋律をB♭管のクラリネットで美しく聴かせることを意識してるんだろうね。きっと。なんか、難しい顔してる割に心配りが見えてきてちょっと和んだ。

ピアノトリオなら聴きものはもちろん第3楽章。
跳ねるようなピアノのリズムがアリア『仕事の前に』の明朗な歌を奏で、当時の人気を思わせる。でも、さすがベートーヴェンと思わせるのは短調の部分。協奏曲的なピアノの閃きがあって変化に富んでいる。

騒々しい一幕のお芝居のような一曲です。

でも、ぼくが聴いてほしいと思うのは第2楽章。癒されるよー。歌う時のクラリナットの音色って。

でね、一番ベートーヴェンらしくないのは第2楽章のアダージオ。
この揺ったりとして翳りのない歌は大好きです。
本当にふつーのくつろぎかた。
木管楽器を使った作品20に転用したような部分がある。耳に残りやすく、メロディアスです。
もちろん中間部には思いの外深い思いを沈めています。第3楽章よりここでは

ここをちょいとお聴き下され。

ご覧の通り、この演奏はマルタ・アルゲリッチがピアノパートを受け持っている。いい雰囲気のアンサンブルです。お年を召されてからの彼女の抑制と親和が素晴らしい。(この写真は一体おいくつの時なのだろうか)ここはあまりピアノが活躍する場面はありませんが、クラリネットの音を聞きながらの受け渡しのソフトなこと!若い時の切って捨てるような鋭さはないけれど、いいお年のとられ方をしているのですね。こういう楽章のアルゲリッチもいいなァ。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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