ミャスコフスキー ボクの勝手な音楽評1

初版 2023/07/01 14:20

ミャスコフスキー/チェロソナタ第1番ニ長調OP.12

第1楽章 アダージオ-アンダンテ
第2楽章 アレグロ パッショナート・アダージオ

1911年の作品だから、彼が30歳くらいの頃か。

久しぶりで聴いてみた。

この作曲家の長調の調性は当てにならない。ほとんど短調のように響く。
仄暗い抒情はゆったりと淀むことなく流れ、美しく彫塑されたピアノパートが微妙な均整をとって、ロシア音楽というイメージを少しも抱かせず、軽い。
ノスタルジックでもなく、その抒情は美しい。
若き才気に溢れたこの曲には様々な音楽家の影響が次々に現れる。
密かに調性の揺れを伴いながらたゆたう。
まだ自在に流れに向かい泳ぎ出すことも、暖かい穴蔵で巣ごもることも自由に出来た頃の細身の山椒魚。

低いチェロの特徴的な音域が何の躊躇いもなく歌い出され、より高い音色で美しいピアノが重なり始める。
20世紀とか19世紀とか言うスパンで時代を区切らない未来が来たとき、古の音楽が大まかな俯瞰をされ始める未来、この音楽は正統な居場所を獲得することが出来るかも知れません。
やせぎすのブラームス。
でも、この第2楽章のテーマはほとんどフォーレです。
ヴァイオリンとピアノのためのロマンス作品28。
大好きな曲が出てきたのには昔驚かされました。
もちろん処理は異なっていますが、歌はそのまま。
第2楽章はその情熱的な部分を超えると、第1楽章のアダージオが帰ってきます。
深さがどうとか、時代がどうとか小うるさいことを言わなければ、チェロソナタでちょっとこんな美しい音楽はなかなかないですね。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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