DVD「ホット・ロック」

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 平たく言えば「泥棒映画」ですから、あるいは現代の「ポリコレ」の風潮からは、たとえこのような作品を製作したとしても、本展示アイテム収録作のような結末にはできない、ということになりそうですが、まあ、70年代でしたから、そこはね。
 「刑期を終えて出所したドートマンダーを迎えに来た義弟のケルプが早速新しい仕事(ヤマ)を持ちかけてきた。アフリカ某国のアムーサなる人物が、ブルックリン博物館で展示中の巨大な宝石サハラ・ストーンを盗み出せというのだ。一旦は断りかけたドートマンダーだが、当座の生活費のためにしぶしぶ引き受けると、錠前屋ケルプ、運転の天才スタン、爆薬物のプロ・アランとチームを組み、まんまと博物館の宝石を盗み出すことに成功するのだが…。」というのが導入で、この後の宝石をめぐる攻防が進行していくわけですが、その過程をウィリアム・ゴールドマンの脚本とピーター・イェーツの演出が軽妙かつ巧みに描き、そこにクインシー・ジョーンズの音楽も相まって、快作といっていい仕上がりの作品となっています。ですので、レッドフォードのフィルモグラフィーの中でも、もう少し大きな地位を占めてもいいと個人的には思っているのですが、知名度は今一つ、という感じですかね。
 なお、本展示アイテムには残念ながら吹替は収録されていません。おそらく、現存していると思われるのですけれどね。もちろん、テレビ放映時にその吹替版を観てはいるのですが、その数日前に名画座で初見したこともあり、野沢那智氏がレッドフォードの吹替をしたことを覚えているくらいで、あまり印象には残っていません。むしろ、その吹替版はフジテレビのゴールデン洋画劇場の枠で放映されたのですが、番組の案内役の高島忠夫氏の「数多観てきた映画の中でこの作品のラストが最も好きだ」という冒頭のコメントの方が記憶に残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=mUtIl_x2tvY
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