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- 5F 資料室 各レコード会社の月報 その5 1970年代
- 月報 アポロン音楽工業 1960〜1970年代
月報 アポロン音楽工業 1960〜1970年代
アポロン音楽工業はミュージック・テープを販売していた会社で
レコード盤は作っていませんでしたが、
広義のレコード・メーカーとして取り上げることにしました。
会社の起源としては、文化放送の系列会社として1964年に設立された「フジサウンド」
がルーツに当たるようで、この年に4トラックのカートリッジ・テープを発売した
という記録が残っています。
ここが1967年にアポロン音楽工業と改称しました。
(日本レコード協会50年史による)
資本金 8,000万円、社長は渡辺美佐。出資社は文化放送と渡辺プロです。
この1967年頃から、既存のレコード・メーカーも音楽テープの販売を開始した
という記録もあります。
但し、オープン・リールはビクターなど1950年代から発売されていました。
カセットはまだ会話の録音用などで、音楽用としては音質的に無理があると
考えられていました。
(その後カセットは急速に進化します)
カートリッジ・テープというのは、オープン・リールと同様のテープを
カートリッジに収めたもので、
サイズはカセットより大きく、リールはひとつだけで
「内側から引き出して再生し、外側に巻き付ける」
というエンドレス構造になっていました(A-Side / B-Side はなし)。
同一方向への走行のみで巻き戻しは出来ません。
テープ全体が8つのトラックに分割されており、ステレオで2トラック使いますので、
4つのプログラムが収録できますが、それぞれ収録可能時間は同じになります。
再生機でこのプログラムを切り替えて連続再生できるようになっていました。
このカートリッジは主にカー・ステレオでの需要を見込んで
売られていましたが、1980年代はカラオケ用として大いに活用されました。
ここで紹介する月報は1969年〜1970年のものです。
画像3 当時のプライス・リスト
画像4 1969年9月号
画像5 1970年2月号
画像6 1970年5月号
画像7 1970年7月号
画像8 1970年9月号
顔ぶれを見てすぐ判るのは、ナベプロ系のアーティストがレコード会社の枠を超えて
収録されていることです。レコードでのレーベル契約に馴染んだ方には、
新鮮な感じがすると思います。
画像8の「ヒット速報」など、レコードでは出来ないオムニバスとなっており、
これはアポロンのお家芸でした。
この中で気になるのが画像7の「チヨのお座敷艶歌」です。
これに相当するレコードが見つからないのです。
東芝から「チヨのお座敷唄」というLPは 1971.11.5 に発売されているのですが、
収録曲のほとんどが違っていて、
重なるのは2曲だけです。もっと後の時代に出たのか、テープ用のオリジナル企画なのか……
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