- Kei Antique Guitars Museum
- 21F Amplifire Floor
- 1985〜86 Guyatone FLIP 400F
1985〜86 Guyatone FLIP 400F
このアンプは僕が初めて手にした真空管アンプです。
でも、実はつい最近入手したものです。
。。。良く分かりませんね、すいません。
このアンプを手に入れたのは確か1989年頃だったかと思います。
当時行きつけであった京都駅近くの楽器店の在庫品。当時で40000円弱だった記憶があります。
それをプレゼントとして頂いたもので、以来ずっとメインアンプとしてステージで、レコーディングで使用して来ました。
2001年にGroove TubeとBEDROCKを入手して真空管アンプがコンボとはいえ3台になり、どうしようかなぁ、処分する気持ちにはなれないなぁ。。とか思っていた時に、友達のギタリストが音作りで色々試していたので、
「良かったらこれ、使ってみない?返すのはいつでも良いから。使用に伴うメンテナンスだけやってくれたら良いよ?」
と貸しだしたのでした。
その後紆余曲折あってその友達とは疎遠になってしまったのですが。。。
こちらから「返してくれ」とも言いづらいし、また、たぶん先方も連絡を取りづらかったのだろうと想像します。
もう、返ってこないよなぁ、、、あのアンプ。。。と、正直思っていました。
で、先日。
とある中古屋さんで、全く同じアンプを見つけたのです。
「え。。。?これって。。。?」
Guyatoneのこの40Wのアンプ、確か、そんなには売れなかったので(苦笑)市場ではあまり見かけません。
(良く流通しているのは300 / 30Wのものとかで、しかもたいていもう少し年代の旧い、真っ黒な物が多いのです。
この銀色のスクリーンで、2チャンネル目/ Overdrive Channelが3ボリューム、というのは結構レアだと思っています)
もしも僕のであれば、僕が使用していた間に一度、プリ管の12AX7を交換しているので、分解すればわかるはず。
でもちょっとはっきり見えないし。。。さすがに店頭でそこまでジャンク品を分解させてくれ、とも言い難い。
お店の所在地的には、その友達が住んでいるエリアだし。。。
見かけた日は時間もなかったので一旦家にそのまま帰ったのです。
そしたら2日後。
某SNSでこのアンプが話題になっていました。
「うわー。。。どうしようかなぁ。。。買われて行方不明になったら、もう取り返しつかないよなぁ。。。」
とか思いながらそのSNSに書き込みして、翌日お昼にお店に再訪したのでした。
「。。。。ない。。。」
2日前にあったその場所にはもう、FLIPの姿は見えませんでした。
「あぁ。。。あの記事を見た誰かがきっと、買って行ったのだろうなぁ。。。」とちょっとがっくりしながら余韻で店内をちょっとウロウロし始めたその時、
「あれ?Maedaさん?」
と声をかけてくれる人が。
SNSでその記事を投稿された方で、その方もやはり気になって見に来られていたのでした。
「いやぁ、なくなっちゃいましたねぇ。。。」
などと話しながら再度同じジャンクアンプのエリアに。
確かに、その場所にはない。
で、諦めて帰ろうとしたら
「。。。あれ?ここにある!」
とその方が見つけてくださいました。感謝しかないです。
早速試奏。。。というか、ノイズの確認。
ものすごいガリ音。。。。ちょっとつまみを動かすだけで「バリッ!ガリッ!!」という異音。
そして音量も出たり出なかったり(いきなり大きい音がして店員さんから注意されたwww)
お会いした方に、「どうされます?欲しいですか?」とお伺いするも、
「いやぁ、これだけガリが出てるとちょっと手を出せないですねぇ。。。」
とおっしゃいます。
まだ、僕が友達に預けたものである確証は何もないのですが、、、、
<一応店員さんに「どなたが売りに出されたのか」聞いてみようとはしたのですがね(苦笑)。
。。。決めました。買いましょう。
ダメ元で、できるだけ直してやりましょう。あの頃の思い出が手元に残るのであれば。。。。
****************************************
帰宅後、とりあえず分解してみることに。
まぁガリだけなら多分、各ポット(つまみのところ)に接点復活剤を染ませて動作させてやれば、何とかなるだろう。。。
真空管がいかれてたらヤバいけど、大きな音も出たので多分そこは大丈夫<でも何の根拠もない。。。w
アンプ部分をゆっくり筐体から取り出し、ひっくり返してポットを見る。。。見ようとしたのです。
「。。。あぁ、、、、面倒くさい。。。」
各ポットは基盤に直付けになっていて、そしてその基盤が邪魔をしてポットは姿を見せません。。。
仕方ないので基盤ユニットの取り外しを開始。
そしたら今度は表示用LEDのコードが抜けない。。。
これ、無理して痛めたら大変なので、他の部分を解いて何とか基盤を裏返すことに成功。
ポットが見えました。
隙間を見つけて接点復活剤を。。。ちょっと。。。
「ジュワッ!!!!」
「うわっ!!!何?この音!!!」
スプレーをちょっと吹き込んだら、ポットからものすごい音が。。。
。。。カラッカラに、乾いてたんだね。。。
慎重に一つ一つ、なじませていきます。
そして基盤やジャックなど、外して行ったものを順番に組み付け。。。
しばらく放置して、ケミカルを乾かして、電源オン!
。。。やはり、バリバリとノイズはしますが。。。ちょっとマシになってる?
こうなったら実力行使。各つまみをこれでもか!って位に捻り倒します。
最初のうちバリバリ言っていたアンプが、だんだんと大人しくなってきます。
そしてついに、ほぼ異音が出なくなりました!
出てくるのは、ちょっとイナタイ昔ながらのGuyatone Sound。
モダンなHigh Gain Ampではないけれど、クリーンに温かみがあってLes PaulのフロントPUで弾いてやるととても気持ち良いです。
軽くリバーブをかけてやって、復活したその後からずっと鳴らしてやってます。
ヘッドフォンジャックもあるので、自室での深夜の練習にも使えますよね(当時はそんなこと思いもつかなかった)
見事、1980年代のFILPが蘇ったのでした。
*******************************************
そして。
この個体、結局元々、僕のだったのだろうか、という疑問が。
調べてみるとどうやら、
1. プリ管の12AX7、そしてパワー管の6l6GC、ともに同じメーカーの物が使用されていること
真空管には「International ServiceMaster、と入っています。知らんぞこんなメーカー?<後で色々調べました
2. それらの真空管が1989年以前の製品であること(W.GERMANYのプリントが入っている)
<つまり、1989年以降にプリ管が交換されたのであれば年代が合わなくなる
これらのことから、全く同じ、でも違うアンプだという事が分かったのでした。
。。。ごめんねYくん、ちょっとでも疑った僕が悪かったよ。。。
で、このアンプはこのまま使うことにしたのですが、この話を友達にしたら、
「で、元のアンプはいつ帰ってくるの?どうする?」
と聞かれました。
そりゃ当然、
。。。2台並べて、ステレオで使うに決まっているじゃないですかwwww。
==2022.9.29 追記==
音が出なくなってしまいました。。。おそらくならパワー管だと思うのですが、単純に差し替えただけだと、自分ではバイアス調整ができないので再発する恐れもあるので現在休眠中であります。。。
パプリカ
2021/07/18 - 編集済みギターのことですら素人中の素人なのですが、keiさんのお話の上手さにひかれて、今までまったくご縁のないアンプのアイテムもクリックしてみましたら…こちらもやはりひとつひとつストリーがあって、個性があって、わからないなりにどんどん読み進めてしまいました(^^♪ 一話完結のシリーズ読んでみるみたいでほんとにおもしろいですね!
2人がいいね!と言っています。
Kei Maeda
2021/07/19パプリカ様>
いつもお読み頂き、コメントも頂きありがとうございます。
興味を持って読んで頂いているのは感じてはおりましたが、そうなんですね、ギター、およびその周辺の物に決してお詳しいわけではないのですね。ちょっと驚きであるとともに、そんな方にもお読み頂けているというのが実にありがたいことだと思います。これはMUUSEOならでは、なのかも知れないですね。
時に専門用語も出てくるのでお伝え出来ていないことも多いかと思います、読みづらいかもですがまたお読み頂けたら嬉しいです(=^-^=)。
2人がいいね!と言っています。
パプリカ
2021/07/29Kei様
そうなんです、なんかすみません、はりきってコメントしてしまってて(^^; まず写真にひかれてしまったのと、ストーリーが面白いのでどんどん読んじゃいました。確かに、普段は知り合うことのない世界に触れられるのがMUUSEOの良さかもしれませんね!これからもお邪魔すると思いますがよろしくお願いします♪
1人がいいね!と言っています。