ウルトラセブン VOL.9

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 第37話「盗まれたウルトラアイ」は評価も高く人気作品で、一部ネット上で本作をディスっている論調に与するものではありませんが、余計なことを考えてしまったりします。マゼラン星からの恒星間弾道弾を迎撃すべくウルトラホーク2号にキリヤマ隊長と同乗するはずのモロボシ・ダンが、マゼラン星人マヤと対峙すべく別行動をとるわけですが、結果的にその行動が地球を救うことになったとしても、その真相や行動の正当性を他に明かすわけにはいきません。ラストシーンで、マヤが自ら消滅してしまったことを悟ったモロボシ・ダンは失意のままポインターで基地に戻るわけですが、命令違反したことをどのように釈明したのでしょうか。そして何か懲戒処分があったのでしょうか。
 もちろん、無粋なことを述べているのはわかっていますが、例えば「散歩する惑星」や「空間X脱出」では置き去りにされているなどのこともあったので、そのような負い目からキリヤマ隊長は大目に見て不問に付したのかな。
 以上、本当にただの妄想でした。
#DVD #ウルトラセブン

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    A-chan

    2020/11/02

    こんばんは。
    「盗まれたウルトラ・アイ」このエピソードも胸に残る話でしたね。マゼラン星の少女・マヤは狂った星・地球を破壊する為、邪魔になるウルトラセブンの変身アイテム・ウルトラアイを奪い取る為に地球へ送られてきましたが、彼女は少なくとも自分の任務に疑問を抱いていた筈です。本当に地球が狂った星なら、何故セブンは守ろうとするのか?

    そして、彼女は見ました。プラネタリウムという文化施設、そこで純粋に宇宙の星々に目を向けている人々、自分よりも年少の少年少女達、他の星々に友好的なアナウンス(自我自尊な言い方にも聴こえますが、他の星々を友人と認めているのは分かります)。
    地球人は荒廃的な人間達ばかりでは無い。だからこそセブンは地球を守る。マヤにはそれが分かった筈ですが、母星の上層部に不信感を抱きつつも彼女はそれに従わなければ生きていけない。だから彼女は己を隠して終始無表情を貫いていたのでは。

    最終的にマヤは母星(上層部)から見捨てられるのですが、彼女の迎えを求める通信に迎えは無理と返信をよこしたのは彼女に友好的な善良な者だったと思われます。彼女に危機を伝えれば彼女は自分で対処すると見ての事でしょう。
    そして、彼女はダンにウルトラアイを返しダンはセブンに変身、恒星間弾道ミサイルの進路は変えられ地球は危機を逃れます。

    危機が去ったのを確認した後、マヤは自害してしまいます。同じ宇宙人の自分が他所の星でも生きているというのに何故マヤにはそれができなかったのかとダンは嘆きますが、マヤにしてみれば生きる為とはいえ犠牲にしようとした(冒頭の運転手さんは亡くなったかもしれない)地球の人々の恩恵を受ける訳にはいかなかったのでしょう。
    地球がダンにとって「第2の故郷」であっても、マヤにとっては「他人の星」なのです。後に地球人が彼女のような運命を辿らない為には裏切りの無い世界を作らなければいけないのですが、それはなかなかできないようですね。

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      woodstein

      2020/11/09

       A-chanさん、コメント有難うございます。そして、ここでも興味深い見解を提供して戴き有難うございます。それに対し、私が本展示アイテムに付した紹介文の内容は単なるヨタ話でしたので、その延長線上として、昔考えた妄想でも披露してみようかな。
       『超兵器R1号』では、地球人がギエロン星をミサイルで破壊したのに対し、本作『盗まれたウルトラアイ』ではマゼラン星人がミサイルで地球を爆破せんと攻撃した、つまり地球人にとっては逆の図式だったわけで、要するにマゼラン星人は他の星をたかが兵器のテストのために破壊する人類の棲む地球など破壊してしまえ、そのための障害となるウルトラセブンを活動不能にしよう、という前提があったのではないか、と考えました。というのも、両作の脚本はどちらも市川森一氏で、物語の構想の段階では、マゼラン星人の地球爆破攻撃の理由はともかくとして、少なくとも上記の、地球にとって逆の図式の構図である、というのは頭の中にあったはずで、『超兵器R1号』での「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」のセリフで表現された軍備拡張戦争のテーマが、実は『盗まれたウルトラアイ』の裏テーマでもあったのではないか、と思ったりもしたわけでした。

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