世界の三葉虫 (進化生研ライブラリー1)

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日本語で記載されている貴重な三葉虫専門書で、国内の多くのコレクターが参考にした図鑑です。発刊された1990年代は、まだ三葉虫に関する情報が今ほどありませんでしたので、系統的に分類され、写真と説明文が入った本書は欠かせない存在でした。標本は今となっては、白黒写真で剖出技術の劣る当時の標本なので見劣りする標本が多いかもしれません。誤植もありますし、今とは異なる学名や分類がされているので、確かに古い情報です。しかし、当時でなければ得られなかった標本は、今では入手困難な種も多数ありますし、古い学名なども、その種の情報を得るのに有用な情報であったりします。個人的に古いコレクションが好きなのは、この本が一つの目標であったからだと思っています。表紙に描かれたDeiphon forbesiはレプリカにも関わらず表紙に採用されていますが、三葉虫の不思議な形態を現すに十分であり、選者の意図が伝わってきます。この本に登場する標本は、(財)進化生物学研究所の所有で、世田谷区上用賀にある東京農業大学の「食と農」の博物館で見ることができます。

【参考リンク】(財)進化生物学研究所
http://www.nodai.ac.jp/rieb/index.html

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