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コピーライカ シムラー5cmF3.5
デジカメ全盛の時を通り過ぎてスマートフォン全盛の時、バルナック型ライカ型のレンズを手に入れて、喜んでいるのはマニア以外の何者でも無い気がします。
Simlar 5cmF3.5は、昭和光学(後のLeotax)の Leotax S(1952年)のカメラに装着されていました。ライカII型、III型のコピーからシンクロ接点を装備したモデルのカメラです。カメラよりレンズの方が一人歩きしている感じで、レンズだけの入手です。
前身は、State 5cmF3.5、スペシャルDⅢからSimlar 5cmF3.5、その後Topcor 5cmF3.5と改名された、この時代の代表レンズです。Similar(シムラー)は、戦前から東京光学で使われていた由緒正しき名称ですが、50年代半ばからシムラーの名前は消えていき、55年トプコンの名称に変わります。シムラーとは、東京光学が板橋区蓮沼町に工場を構えている周辺を「志村」と言ったので、その名前に由来します。六甲山のロッコールと同じ感じです。
Simlar 5cmF3.5は、そっくりそのままElmar 5cmF3.5 そのものです。
コピーと言うと、粗悪品のイメージがありますが、沈胴レンズの出し入れなどは、バルナックライカ同様にスムーズに行うことができる。若干のガタつきがあり、やはりライカに比べると精密さは欠けるが、緻密なライカよりも機械感の強い操作感覚は、使っていて非常に心地よいものです。ライカファンの方には申し訳ないですが、写真の判別はほぼ不可能、コストパフォーマンスを考えたら、シムラーに軍配は上がるでしょう ……… 戦後日本を支えて来た世代の方々の苦労が忍ばれます。
Simlar5cmF3.5の優しい描写を見つつ、何故か特別の感のあるレンズです。
ずっと傍に置いて置きたい気持ちになるレンズです。