果樹の幾何学的な仕立て方@明治の果樹栽培書

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明治晩期の果樹栽培法の本に載っている、樹形のいろいろな仕立て方の図。
我が国では明治にいたるまで果物の大規模な栽培はおこなわれておらず、19世紀も終いになってようやく、ヨーロッパやアメリカで当時の最新技術を学んできた園芸家がその知識や技術をひろめ始め、各地で果樹園が作られるようになった。また一般市民も経済状態がよくなって広い庭付き一戸建てを持つようになり、そこで果樹や草花を育てる園芸趣味が流行った。この本はそうした時代に数多く出された園芸書のひとつだが、当時のヨーロッパやアメリカで流行していたこのような幾何学的な整枝法は、実益と趣味とを兼ね備えた仕立て方として紹介されたにもかかわらず、一部を除いてはほとんど広まらなかったのではないかとおもわれる。
それでもこんな人目を惹く果樹の仕立て方が、20世紀の初めに日本へ図解入りで紹介されていたことには興味をそそられる。

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