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- 2F 資料室 各レコード会社の月報 その2 1960〜1963年
- 月報 新世界レコード 1960〜1963年
月報 新世界レコード 1960〜1963年
この時代の新世界レコードは、日本ビタクーが出資すると同時に販売業務を引き受けていました。
1960年3月新譜としてリヒテルの弾くチャイコフスキーのピアノ協奏曲が出ています。アンチェル/チェコ・フィルとの組合せで、その後何度も再発されています。カラヤンとの共演盤(グラモフォン)が出るのはずっと後(1965年11月)になります。
1961年1月新譜からポーランドの「ムザ」レーベルが登場し、第1回新譜としてピアニストのチェルニー・ステファンスカが紹介されています。このステファンスカの弾いたショパンのピアノ協奏曲第1番のレコードが、間違ってディヌ・リパッティの演奏として発売されていたことがありました。それもマイナー・レーベルでなく、天下のEMIが販売していたことから、結構な騒ぎになりました。
ステレオ盤の発売は1961年7月新譜のスプラフォン・レーベルが最初、ソ連原盤は1962年11月新譜からと大幅に出遅れます。
そんな中で、1962年4月新譜として、スーク・トリオによる「大公」トリオ,マタチッチ/チェコ・フィルによるチャイコフスキーの第5交響曲がステレオで発売されています。この辺りは大変良いレパートリーだったと思います。特にマタチッチはレコードの少ない方だったので、貴重です。
1963年4月新譜にはベートーヴェンの三大ピアノ・ソナタが出ています。ありがちな企画ですが、面白いのは三曲とも演奏者が異なっている点です。ユニークな企画と言うよりも、限られた持ち駒の中から何とか売れ線のレコードを作った、ということのようです。これ以外にもカップリング替えの再発売が多く、新譜編成の苦労が伝わって来ます。
新世界レコードとしての月報がいつまで続いたのかはっきりしませんが、1963年末にはビクター(ワールド・グループ)の月報に組み込まれています。
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