- Dissipated Life Museum
- 2F Leica Mマウントレンズ
- M-ROKKOR-QF 40mm F2
M-ROKKOR-QF 40mm F2
1973年にライツミノルタCL用の標準レンズとして登場したレンズです(前期型)。日本ではM-ROKKOR銘で,それ以外の国ではLeica Summicron-C銘でした。両者はほぼ同じものだと考えてよいと思いますが,ガラス硝材が日本製かドイツ製かといった違いがある,という話もあり,私にはそこらへんの真偽のほどはよくわかりません。M-ROKKORはロッコールレンズの慣例にしたがって,最初のうちはレンズ構成(4群6枚)を表すQFがレンズ銘板に示されていましたが途中からQFの表示がなくなります。これは他のロッコールレンズ(MC ROKKOR)と同様の扱いだったのでしょう。QFの表示が消えても光学的には全く違いはなかったようです。
その後,1981年にミノルタCLEが発売されますがそれとともに標準レンズもリニューアルされます(後期型)。ミノルタCLEは小型なだけでなくレンジファインダー機で自動露出が使える,という画期的なモデルでしたが,ライツ社はそれを潔しとせず,CLのときのようにダブルネームでの販売を認めなかったようです。後期型は前期型とレンズ銘は同じですが,銘板上の表示からシリアルナンバーが消えていたり,ピントリングレバーの形状が少し単純化されていたりするので前期型とはすぐに区別ができます。レンズ構成はおそらく変わっていなくていずれも典型的なダブルガウス型だと思いますが,後期型で少し改良されている,という話もどこかに出ていました。実際のところはわかりません。
また,距離計連動用のカム(写真では後玉側に見える真鍮色の部分)が前期型ではCLに特有の傾斜カムであったのに対して,後期型では普通の平行カムとなっています。前期型を普通のライカMマウントカメラに取り付けると無限遠で誤差がでる,ということでライカMマウントカメラは前期型は非推奨レンズというか,CL専用レンズという扱いのようです。後期型は一般的な平行カムなのでそのような問題はありません。
前期型の純正のフードはラバー製のものだったようですが,現在ではすでにちぎれていて用をなさないものが多くて,自分で適当なフードを調達する方が手っ取り早そうです。
ヤフオクでは前期型も後期型もしょっちゅう出品されている,という印象ですが,前期型のうちレンズ構成の表示(-QF)がついている個体はそれほど頻繁に出てくるわけでもないようです。ロッコールレンズにはレンズ構成がついているほうが格好いいと個人的には思っているので,前期型でQFの表示があるものを入手しました。
このレンズによる作例は
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/M-ROKKOR-QF%2040mm%20F2
に置いています。
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