HEXANON AR 50mm F1.7

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1973年に発売されたAUTOREFLEX T3のセットレンズとして初期型が登場しています。当初は絞り環にEEと刻印された前期型,その後,両優先に対応したAEが刻印された中期型,小型軽量化がはかられて最短撮影距離が10cm伸びて55cmになった後期型の3つのバリエーションがあるようです。この個体は後期型です。中期型に比べて35g前後軽くなっています。最短撮影距離を犠牲にして35gの軽量化って,バーターとして妥当だったんだろうか,などと余計なことを考えてしまいます。イマドキの大きく重いレンズを見慣れていると,35gスリム化するよりも最短撮影距離が45cmのほうがよかったんじゃないか,と思ってしまいます。

それと,F1.8じゃなくてF1.7という微妙に半端な開放F値がいろいろな意味で日本的です。

同時に上位機種としてHEXANON 50mm F1.4もリリースされています。この50mm F1.4のレンズは撮っていていまいちピンとこなかったのですが後からゆっくり見直してみると優しい感じで写っていました。F1.7のレンズはその廉価版ということで写りにも共通するものがあるようにも思えます。普通にまっとうな画を望むならF1.4のレンズでも開放で撮ることはあまりなくて少し絞ることになります。それなら開放で普通に写る中口径のレンズでも十分,ということはありがちです。もちろん,F1.4でなくては撮れない画は撮れないことも事実です。

このレンズは,なんというかよく言えば「普通さ」の王道をいく,悪く言えば何の特徴もないレンズ,ということになるでしょうか。小さくて軽いし持って歩くことが苦痛ではなく,普通に写るレンズです。セットレンズとして,まさしく王道をいってます。そんだけ,って感じです。

この個体は2019年の新宿クラシックカメラ博のジャンク棚から1000円で救出したものです。埃や傷やカビはそれなりですが,特にどうしようもない,というものでもなくて1000円分の仕事(ってどんな仕事?)は十分に働けそうです。

このレンズによる作例は
https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2050mm%20F1.7
においています。

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