2019/5/11 丹生俣の球状岩

初版 2019/05/17 17:55

改訂 2022/09/07 12:43

公開日:2019/5/17

採取した標本も大きなものになると保管場所が難しく、産地で1個と決めています。現地で良いのを見つけると以前採取した標本は採取地に返しに行っています。

丹生俣に重複した標本を返しに来たのですが、雨で地形も変化しています。良いものが無いかと探しているとありました。今まで見た中で一番の標本です。球顆の構造がはっきり解ります。しかし、でかい。80㎏ぐらいあります。持てません。運べません。割れません、標本が台無しになりそうです。ハンマの用意もしていません。持って帰りたい。ほっておけば砂になります。

悩んだ末、三重県総合博物館(MieMu)の津村先生に連絡しました。”いい石があるから博物館で引き揚げてください。”

先生には1年前、この地で球状岩を発見した時点で情報を入れてあります。学術誌に記載して頂ければアマチュア冥利に尽きるというものです。発見したら研究機関に連絡するのもアマチュアの務めと考えます。と、自分を納得させる理由も、やっぱり、自分のモノにしたかった。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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