2021/5/3 四万十球状岩?

初版 2021/05/03 14:08

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2021/05/03

高知県でいう"子持ち石"は四万川源流近くの丸野公園付近に分布している石灰角礫岩(さざれ石)を指すようです。

落札した"四万十青子持ち石"は石灰角礫岩ではありません。先ず、観賞用にクリアラッカーが塗布されているので除去します。

球顆の核にあたる白くて硬い部分は細かくひび割れています。サンポールをかけてみます。→発泡しません。ナイフで傷つけます。→傷つきません。珪質な感じです。ルーペで観察します。→球顆の外殻には不鮮明ながら同心球状の構造が見られます。核と外殻とマトリックスには明瞭な境界があります。これらはゼノリスを取り込んだマグマがゼノリスを核として外向きに固結し球顆ができたように見えます。球顆と球顆が結合しないことから、外殻の成長は何かしらの環境変化により停止、ある程度固結した状態で移動集積され、球顆と球顆を充填するマトリックスにより結合されたと想像できます。外殻とマトリックスの緑色は緑泥石か緑簾石でしょうか、細粒で構成鉱物の特定はできません。まぁ、詳しくは薄片を作成して顕鏡観察せねばなりません。

ん…もったいなくて切ったり磨いたりできません。生まれた場所を確認せねばならない場所が増えてしまいました。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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