2021/2/9 富山の球状岩アーカイブ

初版 2021/02/09 08:04

改訂 2022/09/07 12:43

公開日:2021/2/9

富山県の飛騨帯は球状岩産出の報告が日本一多い地域です。そのほとんどが転石として河川で発見されています。

熊野川は常願寺川が創り出す扇状地の南外縁を流れる河川です。標本は山口大学理学部地球科学標本室・ゴンドワナ資料室に展示があります。中流域で採取された以外に産地についての詳しい情報を得ていません。

常願寺川は古くからナポレオン石の産地として鑑賞石の世界では知られています。芦峅寺〜岩峅寺〜大場の河原で今でも採取されています。岩相は数種に分類できそうで、複数箇所の供給源が存在したと想定できます。文献によれば支流の小口川・和田川に露頭があるようですが、現地は急峻な地形で確認はできていません。

早月川の鍋増谷、支流の立山川・片貝川の東又谷の球状岩も転石からの報告です。現地への短い夏のアクセスも道路の工事通行止めやクマ出没につき立入禁止で現地に到達できていません。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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