2020/9/29 巨大な球状花崗岩 ?

初版 2020/09/29 19:59

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2020/09/29

大阪府茨木市北部〜豊能町の花崗岩体は"茨木複合花崗岩体"と呼ばれています。周縁部が石英閃緑岩、中間部が花崗閃緑岩、中央部がアダメロ岩と中心に向かってSiO₂の含有量が多くなる同心円状構造です。もともと同じマグマが結晶分化作用により形成されたと記述、長径12km短径6kmの楕円状のでかい球状花崗岩のようです。古くから地質学・岩石学・地球物理学的な研究がなされている地域で、この地の研究の意義は各研究者が別々に試料を採取したのではなく、共通の試料から専門分野の研究をアプローチしたことでしょう。

周縁部に分布する石英閃緑岩は"能勢黒みかげ石"と呼ばれ、室町時代末期には、能勢石を使い余野十三仏をはじめとした多尊石仏が多く造立されました。清岳山法性寺近隣には「石仏街道」が遺されています。地元石材業者は、コアストーンを掘り出し、記念碑やモニュメント・灯篭・沓脱石・門柱に加工しています。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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