2020/4/28 球状岩の成因

初版 2020/04/28 06:45

改訂 2022/09/07 12:42

公開日:2020/04/28

多くの文献では球状岩の成因をマグマに落ち込んだ捕獲岩や固結の初期に晶出した鉱物を核として外側に成長したと説明されています。私も核になる物質を芯としてマグマの中で対流し、ヒョウが成長するようなイメージを持っていました。

多くの標本や露頭の観察、先輩の考えをお聞きする機会を得て180°転換です。

急速な圧力低下による溶融と表面張力で球ができ、外側から再結晶したのではないかと…すごい圧のかかった岩盤かマグマの一部が破れ、減圧溶融によりブツブツと泡ができ、周囲が固結、薄い皮のような"リム"が形成されます。内部の温度低下の速度や分布から同心球状や求心放射状の"外殻"組織ができ、残った成分から"核"ができたのではないかと…核の確認できない球顆がある、リムだけの球顆がある、くっついた球顆が存在しない事など説明する上できわめて合理的です。プロセスをグラフと数式で説明できるはずですが知識が足りません。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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