2019/9/24 猿投球状花崗岩の不思議

初版 2019/10/17 14:20

改訂 2022/09/07 12:43

公開日:2019/10/17

Natural monument 猿投山の球状花崗岩

◼️国指定天然記念物(昭和6年2月20日指定)愛知県豊田市加納町

台風19号が過ぎ去り、自然の脅威を思い知らされ、被害の早期復興を願うばかりです。猿投も、さぞ山は荒れていると思いきや、登山道は清掃され新しい掃け目があります。維持管理されている方々には頭が下がる思いです。

猿投の菊石を観察して不思議に思うことは、広沢川で採取される標本のほとんどが球顆が分離した状態で発見されることです。天然記念物露頭の観察はフェンス越しに遠巻きからですが、河床にも露岩の肌にも、峰寺山の球状花崗岩に見られる球顆が抜け落ちた跡は認められません。笹間ヶ岳の球状花崗岩の様にマサ土の中にコロコロと埋まっている場所があるのではないかと、天然記念物露頭上流も含めて探ってみたのですが見つかりません。

フェンスの中の何処ぞにあるのか?崩落した岩が風化し、硬い球顆だけが下流に流れ着いたのか?まだ見ぬ露頭が隠れているのか?巡らすだけでも楽しみです。

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球状岩は世界的にみても非常に珍しい石です。
その産地は大変な山奥や無人島であったり、産出範囲が極狭く採り尽くされたり、ただ1個体の報告であったり、転石で露頭が不明であったりと、実際に採取することの困難な石だったりします。
確認された露頭の多くは国や自治体の天然記念物に指定されている場合も多く、その成因は解明されていません。

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