- Lab-4-RetroImage.JP Museum
- 15F 地理学展示室_日本地図の部屋
- 帝都から東(というか北)への旅マップ@二十世紀初頭の観光ガイドブック
帝都から東(というか北)への旅マップ@二十世紀初頭の観光ガイドブック
前回
https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp/items/150
のつづき、まずは追記に書いたように琉球と臺灣の地図を洩らしていたので、「東部」篇に移る前にご覧いただこう。タイトルが「大島及琉球諸島」となっているが、左側の臺灣の左上に「臺灣圖」とあるところからして、この「大島」というのは臺灣島のことではなくて奄美大島を指しているものとおもわれる。こちらはさすがにつながっていない地域の境目に赤線がひっぱってある。前回の小笠原諸島のところも、本来はこのような線がおかれる筈がうっかり忘れられたのではないかしらん。
さて、2枚目の「北陸道」からが「西部」に対する「東部」の各地地図として載せられているもの。7枚目に掲げた本文冒頭部をご覧いただければおわかりのとおり、臺灣から再び帝都に舞い戻って今度は上野より出発している。3+4枚目の「東山道」は長いため、「中山道」と「奥羽」とに分けてある。5枚目の「北海道」には千島列島も載っているが、こちらの仕切り線はなぜか赤い線ではなくて薄い青の親子罫だ。地図10枚のデザインが統一されているようで、細かいところはそのへんあんまり気にしていない気ままさ加減だ。そういえば、こちらの巻にはなぜか目次もない(おそらく単なる落丁ではないとおもわれる)。
なお千島は当時遊覧できるような地域ではなかったのか、本文にはひと言も出てこない。終いの方の航路案内は東京灣内からはじまって東北・北陸・北海道方面のものがひと通り紹介されたあと、8枚目にあるように「伊豆七島及小笠原島」でしめくくられている。こうした掲載順も、当時の「国内旅行観」をあらわしているようで面白い。