Cambrai (フランス)

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カンブレはフランス北部、エスコー川沿いの町です。

4世紀中頃はローマ帝国ネルヴィイ属州の都市でしたが、北方からのフランク人の圧力が強まるにつれ要塞化され、戦略上の重要拠点となりましたが、430年にはフランク人の支配下となり、フランク王国の一部となります。メロヴィング朝時代に司教座が置かれたことや、毛織物やリネン等の繊維産業の勃興により町は成長しますが、870年にノルマン人の侵攻により町は破壊されます。その後、中部フランク王国時代を経て神聖ローマ帝国の一部となり、948年には司教領となりますが、地理的に大国の間にあることから度々領土争奪の係争地となり、1677年以降にフランス領となります。経済的には15世紀に北方のブルージュの北ヨーロッパ中心地としての地位が衰退するにつれカンブレも衰退を始めますが、文化的にはこの時代にブルゴーニュ音楽学校を中心として多くの音楽家を輩出しました。

掲載の地図はGeorg Braun及びFranz Hogenberg作の「Civitates Orbis Terrarum」(複数年に亘り、数か国語で刊行)の内、Vol. IV(1588年初刊)のドイツ語版になります。

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