海水魚の彩色博物画@明治後期の小型百科辞典

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引き続き、明治後期の一冊モノ百科辞典の「海産動物」項附図として載っている彩色博物画から、魚類のところを拾ってみよう。
それぞれの名前は、一枚目「19」は「マグロ」(クロマグロだろうか?)、二枚目「17」は「タイ」(これはマダイだろう)、「20」は「トビウオ」(胸鰭がハマトビウオほど長くないからツクシトビウオとかなのかな?)、「21」は「ヒラメ」、「30」は「サバ」(マサバ)、三枚目「23」は「イワシ」(マイワシ)、「24」は「ニシン」「25」は「カナガシラ」、「26」は「ムツ」、「34」は「フグ」(マフグ……だと思うけれど尾鰭の形がなんだか丸過ぎないかな?)、「35」は「カツオ」、四枚目「48」は「ツノザメ」(アブラツノザメと思っていーんじゃないかな)、「49」は「シュモクザメ」と欄外に書かれている。見出し語が表音式なので、明治時代の本でも旧仮名遣いにはなっていないのだった。
この図版では多分、「一般人に身近」という考えで食用魚を選って描いたのではないかしらん(シュモクザメは肉は食べないかもしれないが、フカヒレを採る)。なお明治期の水族館には、結構早くから海の生き物を展示する水槽があらわれていた(けれども短命におわった)ことが、鈴木克美「わが国の黎明期水族館史再検討」
https://www.muse-tokai.jp/wp/wp-content/uploads/2017/09/bulletin_03.pdf
を読むとわかる。
さて、引き続きこの「海産動物」図(その全体については「爬虫類両棲類の部屋」https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp/collection_rooms/9 に展示)から、カメでもウオでもない色々な生き物たちのところも拾って「貝類ほか海産生物の部屋」https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp/collection_rooms/4 に載せてみることにしよう。
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