ウミガメの彩色博物画@明治後期の小型百科辞典

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明治の末近くに次々と出された一冊モノ百科辞典のひとつに載っている、「海産動物」項附図として添えられた彩色博物画の中から、ウミガメ二頭のところを拡大して眺めてみよう。
左の小さい方「51」が「タイマイ」、右の大きい方「52」が「ショーガクボー」(=アオウミガメ)。甲羅の模様、鱗の生え具合など丹念に描き込まれている。当時はいずれも甲羅は鼈甲細工(アオウミガメの方は「和鼈甲」と呼んだらしい)として、またアオウミガメの方は食肉・食卵としても人気があった。北原白秋が小笠原に滞在した際の短い旅行記に、ウミガメの肉を料理して旅人に食べさせたり缶詰にしたりする話が出てくる。
http://nihongo.hum.tmu.ac.jp/~long/bonins/natsu.htm
ところでこの図版全体をご覧いただければおわかりのように、当「展示館」のうちのどれかひとつだけには収められない、色々な海の生物が一緒に描かれている。このように複数のカテゴリにまたがったものを実物展示する場合には、さてどこに置くのが一番いいかしらん、と悩むことになることもあるだろうが、そこはヴァーチャル博物館のいいところ、その一部分をあちらこちらに気軽に分けて置いてお見せすることができる。ということで、引き続き「魚類の部屋」 https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp/collection_rooms/3 、「貝類ほか海産生物の部屋」 https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp/collection_rooms/4 に続きを載せることにしよう。
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