Wire “Mind Hive”

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今まで散々紹介してきたWireですが、実は、沢山のライブ・アルバムを含めて、これまたコンスタントに作品を、自分達のレーベルPinkflagからリリースしてきています。そんなWireの20枚目のスタジオ・アルバムが、今回紹介する”Mind Hive”です。Wireのバイオグラフィーについては今まで書いてきましたが、少しだけ補足しておきます。今回もメンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd), Graham Lewis (B, Vo, Ex, SK-1), Robert Grey (Drs, Cymbals), Matthew Simms (G, Synth, Modular Synth)の4人です。Newmanは、Wireのフロントマンでもあり、全てのWireのリリースしたものに関するミックスやポスト・プロダクション及び権利を引き受けて、バンドの新作及び旧作のリリースを行うレーベルとしてPinkflagを2000年に立ち上げました。それで、Wireの全作品が入手できるとのことです。また、Newmanと彼の妻Malka Spigelとは1990年代初期にSwimと言うレーベルも運営しており、2人で共同作業をしているようで、他のアーティストやグループのリリースを行って来ています。一方、LewisはWireのオリジナルのベーシストであり、歌詞も沢山書いています。また、バンド外でも、彼は、Bruce Gilbert, Russell Mills, C.M. von Hausswolff, John Duncan, Leif Elggren, Jean-Louis Huhta, Thomas Öberg, Andreas Karperydらとコラボを行い、また、Dome, Cupol, P'o, Duet Emmo, He Said, He Said Omala, H.A.L.Ö, Ocsid, Hox, 27#11, UUUU.と言ったユニットもやっています。更に、彼は、Michael Clark Company, Stephen Petronio Company, Su-en Butoh Companyのダンス・ミュージックやBrothers Quay, Bigert & Bergström, Gunilla Leanderの映画音楽も担当しています。Simmsは2010年からWireに関与し、2013年作”Change Becomes Us”で初めてWireの一員にクレジットされています。Simmsは普通のギタリストではなく、ユニークなアイデアを持っており、積極的にWireに関わっています。彼は、その前は、Lo-Fiノイズ・ポップ・バンドIt Hugs Backのフロントマンでした。またスーパー・インプロ・ノイズ・グループUUUU.Mにも参加しています。Grey (Gotbed)はWireのミニマルで正確なリズムを刻むドラマーですが、1991年から、英国中部の小さな農場も運営しています。そんなWireの”Mind Hive”は、彼等のスタジオアルバム20作目に当たります。上記の4人は勿論、ゲストにHarald Pettersson (Hurdy Gurdy)とSean Douglas (Organ)も参加しています。A1 “Be Like Them”では、いきなり和風のメロディ(三味線風)が出てきて、ビックリするのですが、曲自体はかっこいいです。A2 “Cactused”, A3 “Primed And Ready”は割とシンプルなロック調の曲ですが、A2なんかは、サビでのLewisのコーラスに痺れます。A4 “Off The Beach”はややライトなアップテンポの曲で、これまたポップネスを感じます。A5 “Unrepentant”では、Greyはドラムではなく、シンバルのみを演奏、Simmsはシンセだけでなく、モデュラーも演奏しており、ゆったりとした牧歌的な曲。こう言う時のNewmanのヴォーカルは冴えますね。それで、B面に移ってB1 “Shadows”もスローテンポな曲ですが、洗練された音が瑞々しいです。B2 “Oklahoma”のイントロのドローン音はHurdy Gurdy。そして掛け声と共に、やや男っぽいLewisのヴォーカルが映える曲が始まります。B3 “Hung”は、Simmsによると思われるモデュラー・シンセのパルス音に合わせて、ミドルテンポのやや重めの曲になっています。B4 “Humming”は、ドラムレスの曲ですが、DouglasのオルガンとLewisのベースでしっとりと聴かせてくれます。バラードにならないところが、Wireらしい。と言う訳でアルバムは締められています。
今回、Wireのアルバムを聴いてみて、Greyの削りまくったシンプルなドラミングと、Newmanの、これまたシンプルな曲作りとそれにマッチした柔らかいヴォーカルが印象的でしたね。これが、ロックの終わった後の「ロック(=音楽)」なんでしようか? きっとこのアルバムにもその答え(の一部)は隠されているかも❗️

B2 “Oklahoma”
https://youtu.be/Accgv5SxKTo

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhFzKjgpXnVlDXK0du4R1cC2O5j-DFEyE

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