Ramleh “Hole In The Heart”

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来た来た来た❗️英国の悪趣味パワ・エレの重鎮Ramlehの登場ですよ❗️前回、Gary Mundyがやっている、Ramlehとは別のユニットであるKleistwahrについては少し紹介しましたが、本家のRamlehは未だ紹介していませんでしたね。今回は、オリジナルが1987年に30分カセット作品としてリリースされていたものの再発盤なのですが、2009年に1回目の再発が2枚組CD(恐らく、アウトテイクがてんこ盛りになっていると思えますが)として、そして今回も2枚組LPと7㌅EPと言うヴォリュームでの再々発で、かつ限定300部と言うブツです。先ず、Ramlehのバイオグラフィーを紹介します。Gary Mundyは、1982年に、Ramlehを始めた創設者にして、英国パワ・エレの総本山レーベルBroken Flagも運営している重要人物です。彼は極初期にはSkullflowerでギターも弾いていました。Mundyが活動を始めた1982年の段階では、Ramlehは、WhitehouseやSutcliffe Jügendなどと共にパワー・エレクトロニクスの王道を進んでいました。例えば、1982年にリリースされたBF-01 ”21/5/62/82”と題されたカセット作品は、ナチスの戦争犯罪者Adolf Eichmannの処刑との関係を強く仄めかしており、その後に出されたカセット作品の他にも、このナチスや屍体と言ったモチーフが多用されます。1983年にはLP”A Return to Slavery”やEP”The Hand of Glory”もリリースしています。しかしながら、1984年にRamlehは一旦、活動休止になります。ただ、レーベルであるBroken Flagの活動はそのまま続行し、Ramlehの作品(恐らく未発表曲?)をリリースしています。そうして、1987年に、本作品のオリジナルでもあるカセット作品”Hole In The Heart”と数枚のレコードをリリースした後、1989年に、MundyはPhilip Bestと組んでRamlehをリユニオンします。この時の音は、Skullflowerのような実験ロックバンド的(ギターノイズが中心になった音)になっており、1989年のアルバム”Grudge for Life”に始まり、1991年にリリースされたアルバム”Blowhole”から、その路線に完全に変わっています。更に、SkullflowerのメンバーであったAnthony di Franco (B)とStuart Dennison (Drs)を加えたラインナップで、1994年にアルバム ”Homeless”をリリース、1990年代後半はこのノイズ・ロック路線で突き進みます。1997年にアルバム”Boeing”を出して、Ramlehは2度目の解散をします。そうして、2009年に、Mundyとdi Francoは、Martyn Watts (Drs)と共に再度Ramlehを復活させ、その年には、元来のパワ・エレ路線に回帰し、アルバム”Valediction”を同年にリリースしています。その時点では、Mundy自身はパワ・エレ路線とノイズ・ロック路線の両方ともやるとは言っていたみたいです。2015年にStuart Dennisonがドラムが加入してきて、2016年1月には米国西海岸ツアーで、その勇姿を見ることができたそうです。現在のメンバーは、Mundy, Anthony di Franco, Stuart Dennison.の3人となっていますが、残念ながら、直近の音は不明です。
それで、本作品についてなのですが、元々は、1987年5月末に、di Francoのところに、Mundy (Broken Flag)から”Ramleh 1987”とだけ書かれたカセットが送られてきて、それが、この作品の元になったようです。LP1 A1 “Bite The Bolster”は、LP2 D面 ”True Religion”からの抜粋で、この曲自体はBroken Flagから出たアルバム”Never Say When”に収められています。ここでは、A2 “Do Not Come Near”はフルヴァージョンで収録されていますが、2007年にSonic Arts Networkから出たコンピ”Otherness”には、この曲のショート・ヴァージョンが入っています。C面の”Redcap (part 1~6)”は伊のノイズ・ミュージシャンGiancarlo & Massimo Toniutti兄弟からの元音源が下敷きになって録音されており、Broken Flagから、蘭のAin-Towとのスプリット作品”Nerve”としてリリースされています。なので、A3 “Spear Flowers”及びB面の3曲が、元々、Broken Flagからカセット作品”Hole In The Heart”としてリリースされたオリジナルです。またD面 “True Religion”も元々は、Broken Flagから出されたカセット作品”Pumping”のA面に”Bite The Bolster”として収録されています(ややこしいですね!)。7㌅EPの方は、アウトテイクとして”Grazing On Fear”と”Grazing On Fear (part 3)”が収録されています。とまあ、如何にもBroken Flag/Ramlehらしい使い回しなのですが、初期のパワ・エレとは異なり、バックの音は、確かに歪みまくった電子音ではあるのですが、どうもシンセよりもオルガンなど(またギター等も使用しているようです)を多用しているようで、特にD面に関しては、Mundyが受けた、厳格なローマ・カトリック教教育の隔世遺伝のことと関係があるようです(個人的には、日本のバンドNoiseのアルバム”天皇”を連想しました)。なので、どちらかというと、Mundyの考える、一種の「宗教音楽」なのかもしれないですね。またシンセと思われる音がメロディーらしきフレーズを弾いたりしており、最早、「歌物」とさえ言えるでしょう。また、時々入るヴォーカルも不明瞭になるまで、歪んでいますが、特に、D面などは悲しみや慈しみさえ感受することができます。この時期のRamlehは、単に力技だけで押していく訳ではなく、「引き」も使ったノイズ・ミュージックへと踏み込んだのではないでしょうか? 大傑作です❗️LP2枚とシングル1枚と言うヴォリュームですが、古くからのファンは元より、ちょっと変わったパワ・エレを探しているリスナーさんも是非とも体験してみてはどうでしょうか‼️

“Hole In The Heart” (Drums入りヴァージョン)
https://youtu.be/cQNBMXA_QqE

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k_M97-T3mKx-VmAmZ1Yg_ZR5LICza5zjo

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