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Wire “Nocturnal Koreans”
またまた、登場はWireです!今回は、前回紹介しましたセルフ・タイトルのアルバムの翌年(2016年)にリリースされましたミニ・アルバム”Nocturnal Koreans”で、両面とも4曲ずつ収録されています。一応、メンバーだけは書いておきます。Colin Newman (G, Kbd, Vo [A1-B3], Mix), Graham Lewis (B [A1-A3, B1-B4]), Robert Grey (Drs [A1-A3, B1-B4]), Matthew Simms (G)の4人です。バイオグラフィーについては以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Nocturnal Koreans”は、いきなりのアップテンポの曲で、LewisのBとGreyのDrsが効いています。NewmanのVoはソフィストケートされており、聴き易いです。 A2 “Internal Exile”はミドルテンポの曲で、跳ねるようなリズムが特徴的で、間奏のシンセやアコギっぽい音も効果的です。 A3 “Dead Weight”では、NewmanのVoは囁くような繊細な印象です。曲のコード進行は特異なのですが、アレンジはシンプルそのものなので、Voがよく映えますね。 A4 “Forward Position”は、ドラムレスな曲で、バックに曖昧糢糊とした抽象的な音と僅かにアコギの弾き語りが聴こえますが、その分、Voはしっとりと歌っています。間奏では弦楽四重奏らしき音も聴こえます。 ではB面にいきます。 B1 “Numbered”は、やや激しい曲で、NewmanのVoも荒ぶっているようですし、GreyのDrsも前面に出ていますが、後半からは重目の突進力も聴けます。 B2 “Still”でもリズム隊がヘビーですね。曲もシンプルで、途中のプレイクとその後のSimmsのGはカッコ良いです。 B3 “Pilgrim Trade”はややスローな曲ですが、重くはないです。その分、リズム隊とリズムGの演奏が冴えていますし、Voの「通り」も良いです。 B4 “Fishes Bones”は、SimmsのGから始まりますが、語りのようなVo(Lewis?)とシンプルなDrsがイカしてます。 総じて、この時期のWireはシンプルな音楽を常に追求しており、それが得も言われぬ心地良さを醸し出しているようです。個人的には、Wireの音楽って、最初から一種の「ミニマル・ミュージック」ではなかったのかと言う風に考えると、彼等が、ここに来てシンプルな構成の曲を演奏しているのが、何となく腑に落ちます。尖ったエッジは無いのですが、その分、沁みてきますね❗️そんなWireの「真夜中の韓国人」、聴いてみてはどうでしょうか?ハマるかもよー❗️ A1 “Nocturnal Koreans” (live version) https://youtu.be/ZH59SWxlUD0?si=ZusFuKKSU9JtDm2z [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ko-6kFJIep-aZNUUl9kC4F2GzD-lukkTw&si=n_5oYnmjJ37Kvfzt #Wire #NocturnalKoreans #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2016作 #Mini-Album #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms
Post Punk Pinkflag 3500円Dr K2
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Wire “s/t”
またまた、来ました!今回は、Wireのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。普通、セルフ・タイトルって、ファースト・アルバムなんかに付けることが多いのですが、そうしないで、何十枚も出してから、セルフ・タイトルを付けるのって、如何にもWireらしいと思いませんか? ここら辺までのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらの方をご参照下さい。まあ、メンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd; A-G [A1, A2, B2], Baritone-G [A1, B1, B2, B5], Mandola [A6]), Graham Lewis (B, Back-Vo [A1, A4, B3, B4], high-B [A3], B-Fx [A6], Kbd [B2]), Robert Grey (Drs, Water Tank [A6]), Matthew Simms (G, 12弦E-G [A2, A3, B3], Kbd [A1, A2, A4, A6], Modular Synth [A4, A5, A6, B2, B3, B4], Lap Steel G [A3, A6], Loops [B2], Fx [B5])とまあ、鉄壁の4人なのですが、メンバーそれぞれ(特に新入りSimmsは、G以外にも、色んな楽器担当)が様々な楽器を担当して、アルバム作製に関わっています。それでは、各曲についてご紹介していきます。 A1 “Blogging”は、アコギやバリトンギターの小君良いカッティングとNewmanの優しいVoがマッチした名曲で、Simmsのシンセも効果的です。 A2 “Shifting”もLewisのBとGreyのシンプルなDrsに支えられて、NewmanのソフトなVoがよく映えています。間奏のGがWireらしい。 A3 “Burning Bridges”も確固たるリズム隊とVoの対比が物凄く良い感じにミックスされ、Gもシンプルで邪魔になっておらず、SimmsのスチールGも良い隠し味。 A4 “In Manchester”は非の打ち所がないシンプルな音楽で、間奏のKbdがより引き立てています。 A5 “High”も同様にソフトなVoと完璧なアンサンブルで、聴いていると、雲の上で横になっているようです。 A6 “Sleep-Walking”は、3rdアルバム”145”を想起させる重いキック(実は貯水タンク?)と切羽詰まったようなアレンジが秀逸です。 それではB面にいきます。 B1 “Joust & Jostle”はアップテンポの曲で、これまたカッコ良いです。多分、曲がシンプルだからでしょう。 B2 “Swallow”は、アコギの刻みで始まり、最初はBでリズムを取っていますが、Drsが入ってきて、より活き活きした曲になります。勿論、Voはソフトタッチです。最後にシーケンス(ループ?)だけが残ります。 B3 “Split Your Ends”は、またアップテンポの曲で、コード進行も含めて、本当にこの手の曲はカッコ良いし、多分、シンプルなリズム隊によると思います。 B4 “Octopus”もアップテンポで、これもカッコ良いです。サビのコード進行とアレンジが独特で、Wireらしい。 B5 “Harpooned”は一転して、スローテンポな曲ですが、雰囲気としての「重さ」は無く、寧ろ奥行きを感じさせる曲で、Voにも悲壮感等は漂ってはいないです。この曲も名盤”154”を彷彿とさせます。本作品には珍しく歪んだGの音が新鮮です。最後、ループて終わるのも渋いですね。 総じて、思ったのは、全体的にシンプルな構造やコード進行で進む曲が多く、またNewmanのVoも極めて冷静かつソフィストケートされた声で歌っている為か、「普通」過ぎて、「普通」じゃない音楽になっていると感じました。それとGreyのシンプル極まりない禁欲的なドラミングも特筆すべきでしょう。なので、この時期のWireの音楽は形容し難いです。と言うことは、彼等は既にジャンルとかの枠を易々と飛び越えてしまったようです。私は、そんな奇跡的音楽を奏でているWireに一生付いていきます‼️ 本当に「ロックじゃなければ何でも良い」音楽となっていますので、マスト・アイテムです❗️ https://youtu.be/aIuh5ySdyKM?si=t9Lildqp_zNnR_eS #Wire #SelfTitle #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2015作 #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #Multi-Instrumentalists
Post Punk Pinkflag 2773円Dr K2
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Wire “Mind Hive”
今まで散々紹介してきたWireですが、実は、沢山のライブ・アルバムを含めて、これまたコンスタントに作品を、自分達のレーベルPinkflagからリリースしてきています。そんなWireの20枚目のスタジオ・アルバムが、今回紹介する”Mind Hive”です。Wireのバイオグラフィーについては今まで書いてきましたが、少しだけ補足しておきます。今回もメンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd), Graham Lewis (B, Vo, Ex, SK-1), Robert Grey (Drs, Cymbals), Matthew Simms (G, Synth, Modular Synth)の4人です。Newmanは、Wireのフロントマンでもあり、全てのWireのリリースしたものに関するミックスやポスト・プロダクション及び権利を引き受けて、バンドの新作及び旧作のリリースを行うレーベルとしてPinkflagを2000年に立ち上げました。それで、Wireの全作品が入手できるとのことです。また、Newmanと彼の妻Malka Spigelとは1990年代初期にSwimと言うレーベルも運営しており、2人で共同作業をしているようで、他のアーティストやグループのリリースを行って来ています。一方、LewisはWireのオリジナルのベーシストであり、歌詞も沢山書いています。また、バンド外でも、彼は、Bruce Gilbert, Russell Mills, C.M. von Hausswolff, John Duncan, Leif Elggren, Jean-Louis Huhta, Thomas Öberg, Andreas Karperydらとコラボを行い、また、Dome, Cupol, P'o, Duet Emmo, He Said, He Said Omala, H.A.L.Ö, Ocsid, Hox, 27#11, UUUU.と言ったユニットもやっています。更に、彼は、Michael Clark Company, Stephen Petronio Company, Su-en Butoh Companyのダンス・ミュージックやBrothers Quay, Bigert & Bergström, Gunilla Leanderの映画音楽も担当しています。Simmsは2010年からWireに関与し、2013年作”Change Becomes Us”で初めてWireの一員にクレジットされています。Simmsは普通のギタリストではなく、ユニークなアイデアを持っており、積極的にWireに関わっています。彼は、その前は、Lo-Fiノイズ・ポップ・バンドIt Hugs Backのフロントマンでした。またスーパー・インプロ・ノイズ・グループUUUU.Mにも参加しています。Grey (Gotbed)はWireのミニマルで正確なリズムを刻むドラマーですが、1991年から、英国中部の小さな農場も運営しています。そんなWireの”Mind Hive”は、彼等のスタジオアルバム20作目に当たります。上記の4人は勿論、ゲストにHarald Pettersson (Hurdy Gurdy)とSean Douglas (Organ)も参加しています。A1 “Be Like Them”では、いきなり和風のメロディ(三味線風)が出てきて、ビックリするのですが、曲自体はかっこいいです。A2 “Cactused”, A3 “Primed And Ready”は割とシンプルなロック調の曲ですが、A2なんかは、サビでのLewisのコーラスに痺れます。A4 “Off The Beach”はややライトなアップテンポの曲で、これまたポップネスを感じます。A5 “Unrepentant”では、Greyはドラムではなく、シンバルのみを演奏、Simmsはシンセだけでなく、モデュラーも演奏しており、ゆったりとした牧歌的な曲。こう言う時のNewmanのヴォーカルは冴えますね。それで、B面に移ってB1 “Shadows”もスローテンポな曲ですが、洗練された音が瑞々しいです。B2 “Oklahoma”のイントロのドローン音はHurdy Gurdy。そして掛け声と共に、やや男っぽいLewisのヴォーカルが映える曲が始まります。B3 “Hung”は、Simmsによると思われるモデュラー・シンセのパルス音に合わせて、ミドルテンポのやや重めの曲になっています。B4 “Humming”は、ドラムレスの曲ですが、DouglasのオルガンとLewisのベースでしっとりと聴かせてくれます。バラードにならないところが、Wireらしい。と言う訳でアルバムは締められています。 今回、Wireのアルバムを聴いてみて、Greyの削りまくったシンプルなドラミングと、Newmanの、これまたシンプルな曲作りとそれにマッチした柔らかいヴォーカルが印象的でしたね。これが、ロックの終わった後の「ロック(=音楽)」なんでしようか? きっとこのアルバムにもその答え(の一部)は隠されているかも❗️ B2 “Oklahoma” https://youtu.be/Accgv5SxKTo [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhFzKjgpXnVlDXK0du4R1cC2O5j-DFEyE #Wire #MindHive #Pinkflag #PostPunk #Rock #CollinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #HurdyGurdy #Organ
Post Punk Pinkflag €17.00Dr K2
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Wire “Silver/Lead”
今回、入手したのは、あのポスト・パンクと言うか何と言うか、新生Wireのトータル16枚目のスタジオ・アルバム”Sliver/Lead”です。Wireについてはこれまでも書いてきましたが、ここで「新生Wire」と言ったのは、1999年にそれまで抜けていたオリジナルメンバーだったRobert Grey (Drs: Gotobedの本名)が戻ってきて、2004年にオリジナルメンバーのBruce Gilbert(G)が脱退し、代わって、2010年にIt Hugs BackのMatthew Simms (G)が加入してきてからのアルバムだからです。なので、現在のWireは、Colin Newman (Vo, G), Graham Lewis (Vo, B), Robert Grey (Drs), Matthew Simms (G)のラインナップで活動しています。それで内容ですが、上記のメンバーの内、Greyを除く3人は、基本的なパートは勿論、それ以外にもSynthやSampler, Mandela, Kbd, Modular Synthなど多彩な楽器を曲によって使い分けており、出来上がった曲はストレートでシンプルながらも、豊かな表現となっています。またGreyのドラマはタムを使わないシンプルで禁欲的なビートを刻んでいるので、それに乗っかる3人の音もストレートで、聴き応えのあるアンサンブルになっています。初期の3作の内、”Chairs Missing”辺りに近いかも知れませんが、ギターやベース、更にシンセなどの上物を、自分達でコントロールしている点で、よりナチュラルなアレンジになっているのかも? 因みに、このアルバムはWire結成40周年としてリリースされています。個人的には、先行シングルカットされた”Diamonds In Cups”とかが好みです。Newmanの落ち着いたVoが心地良いですね。そんな「新生Wire」の長い活動の一つの区切りアルバムを是非体験して下さい❗️ B3 “Brio” https://youtu.be/Aozaizo7dKA [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l39lCY4-Q3oqoYL-2aKKNife4rdrOhPAQ #Wire #Silver/Lead #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #The40thAnniversary #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #Simple #Arrangement
Post Punk / Alternative Rock Pinkflag 2010円Dr K2
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Wire “Not About To Die”
待望!Wireの新譜!と思ったら、この作品は、以前から出回っていたデモ音源をコンパイルしたブートレッグ(副題が“Studio Demos 1977-1978”)を正式にマスタリングして出したものです。元々、スタジオ録音されていたものなので、音自体は良いです。しかも、この録音の時期って、丁度、”Chairs Missing” 〜”154”の辺りなので、曲自体もアブラの乗っていた初期の音源です。スタジオで、彼等が作った曲を荒削りのまま、録音したと言えば良いのかな?まだ、プロデューサーのMike Thorneが手をつけていない状態での音源なので、貴重です。これを聴くと、後のMike Thorneのアレンジの巧みなところがより分かると思います。ここでは、殆ど、Kbdは使われておらず、またギターのエフェクターもあまり露骨には使われていません。なので、モロ初期の出来立てホヤホヤの音源として良いでしょう。むしろ、この頃の原曲はギターを中心にしたノリの良い曲だったみたいです。特に、”154”に収められている曲はアレンジも音自体もかなり変わっています。初めは皆、こうなんだなあと感慨深い思いすらしますね。個人的にはB面の”Ignorance No Plea (I Should Have Known Better)”や”On Returning”辺りがドンピシャですね。強いて言うならば、”Pink Flag”のノリで、”Chairs Missing”や”154”の曲を演奏した感じですね。と言う訳で、これが2022年にWireの新譜として正式にリリースされたことは大きいですね。余談ですが、DrのRobert Gotobedは、再結成に際して、本名のRobert Greyに改名(?)しています。Wireが好きな方は是非とも聴いた方が良いですね。お勧めです。 “Ignorance No Plea (I Should Have Known Better)” https://youtu.be/p2Uz6VbIFm0 “Culture Vulture” https://youtu.be/ZEmIyRfciDw #Wire #NotAboutToDie #StudioDemos1977-1978 #Pinkflag #OfficialBootleg #ChairsMissing #154 #ColinNewman #GrahamLewis #BruceGilbert #RobertGrey #PostPunk
Post punk Pinkflag 5633円Dr K2