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Wire “s/t”
またまた、来ました!今回は、Wireのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。普通、セルフ・タイトルって、ファースト・アルバムなんかに付けることが多いのですが、そうしないで、何十枚も出してから、セルフ・タイトルを付けるのって、如何にもWireらしいと思いませんか? ここら辺までのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらの方をご参照下さい。まあ、メンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd; A-G [A1, A2, B2], Baritone-G [A1, B1, B2, B5], Mandola [A6]), Graham Lewis (B, Back-Vo [A1, A4, B3, B4], high-B [A3], B-Fx [A6], Kbd [B2]), Robert Grey (Drs, Water Tank [A6]), Matthew Simms (G, 12弦E-G [A2, A3, B3], Kbd [A1, A2, A4, A6], Modular Synth [A4, A5, A6, B2, B3, B4], Lap Steel G [A3, A6], Loops [B2], Fx [B5])とまあ、鉄壁の4人なのですが、メンバーそれぞれ(特に新入りSimmsは、G以外にも、色んな楽器担当)が様々な楽器を担当して、アルバム作製に関わっています。それでは、各曲についてご紹介していきます。
★A1 “Blogging”は、アコギやバリトンギターの小君良いカッティングとNewmanの優しいVoがマッチした名曲で、Simmsのシンセも効果的です。
★A2 “Shifting”もLewisのBとGreyのシンプルなDrsに支えられて、NewmanのソフトなVoがよく映えています。間奏のGがWireらしい。
★A3 “Burning Bridges”も確固たるリズム隊とVoの対比が物凄く良い感じにミックスされ、Gもシンプルで邪魔になっておらず、SimmsのスチールGも良い隠し味。
★A4 “In Manchester”は非の打ち所がないシンプルな音楽で、間奏のKbdがより引き立てています。
★A5 “High”も同様にソフトなVoと完璧なアンサンブルで、聴いていると、雲の上で横になっているようです。
★A6 “Sleep-Walking”は、3rdアルバム”145”を想起させる重いキック(実は貯水タンク?)と切羽詰まったようなアレンジが秀逸です。
それではB面にいきます。
★B1 “Joust & Jostle”はアップテンポの曲で、これまたカッコ良いです。多分、曲がシンプルだからでしょう。
★B2 “Swallow”は、アコギの刻みで始まり、最初はBでリズムを取っていますが、Drsが入ってきて、より活き活きした曲になります。勿論、Voはソフトタッチです。最後にシーケンス(ループ?)だけが残ります。
★B3 “Split Your Ends”は、またアップテンポの曲で、コード進行も含めて、本当にこの手の曲はカッコ良いし、多分、シンプルなリズム隊によると思います。
★B4 “Octopus”もアップテンポで、これもカッコ良いです。サビのコード進行とアレンジが独特で、Wireらしい。
★B5 “Harpooned”は一転して、スローテンポな曲ですが、雰囲気としての「重さ」は無く、寧ろ奥行きを感じさせる曲で、Voにも悲壮感等は漂ってはいないです。この曲も名盤”154”を彷彿とさせます。本作品には珍しく歪んだGの音が新鮮です。最後、ループて終わるのも渋いですね。
総じて、思ったのは、全体的にシンプルな構造やコード進行で進む曲が多く、またNewmanのVoも極めて冷静かつソフィストケートされた声で歌っている為か、「普通」過ぎて、「普通」じゃない音楽になっていると感じました。それとGreyのシンプル極まりない禁欲的なドラミングも特筆すべきでしょう。なので、この時期のWireの音楽は形容し難いです。と言うことは、彼等は既にジャンルとかの枠を易々と飛び越えてしまったようです。私は、そんな奇跡的音楽を奏でているWireに一生付いていきます!本当に「ロックじゃなければ何でも良い」音楽となっていますので、マスト・アイテム!
https://youtu.be/aIuh5ySdyKM?si=BMYGKJIe9Ud9FDz1
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