デマントイド・ガーネット/灰鉄 "翠" ざくろ石

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ダイヤモンドの如き分散光を放つガーネット『デマントイド』の菱形十二面体です。
上記のような化学組成を有することから、ガーネットとしては「灰鉄ざくろ石」と呼ばれる品種に属しています。

そのため微弱ながら磁性を有しており、ネオジムほどの強力磁石であれば容易く吸着させることができます。

数あるガーネット族の中では硬度が最低級であり、場合によっては宝石の基準とされている水晶よりも下回ってしまうため宝飾用としてはやや不適格とも取れるかもしれません。

が、そうである反面「分散度」というパラメータはすべてのガーネット、延いてはあらゆる鉱物と比較してもトップクラス。
果てはダイヤモンドのそれを凌駕する数値を誇っていることから、前述の欠点を補って余るほどの品格がこの柘榴石には備わっているのであります。

彼の結晶面には揺らめく流紋のようなテクスチャが見られるのですが、これがまた古風なステンドグラスのようでなんとも小洒落れた風合いを醸し出しています。

この小窓から内部を覗いてみますとやはり『ホーステイル』の姿が確認できました。
これはデマントイド特有かつロシア産に多く見られる特徴で、アスベスト鉱物の一種であるクリソタイルが繊維状に内包されたものであります。
https://muuseo.com/tezzarite/items/73

研磨すればもっと鮮明に観察できるかもしれませんが、せっかくの自形結晶ですので加工せずこのままの形を残しておきたいです。

デマントイド・ラウンドブリリアント/灰鉄 "翠" ざくろ石
微量のクロムが紛れ込むことで帯黄緑色に染まったアンドラダイトガーネットが『デマントイド』です。 ガーネット族の中では耐久性(硬度)でやや劣る本種でありますが、ある一点で傑出した特徴を備えていることからの彼らの頂点の座に就いた鉱物であります。 著名な産地としては発見地でもあるロシアのウラル地方が挙げられます。 かつては同地で産出するエメラルドに準えられ "ウラリアンエメラルド" という異名を与えられていました。 石の内部に見られる極細毛はクリソタイルという鉱物の繊維状結晶、すなわちアスベストです。 まるで尻尾の毛先のように見えることから『ホーステイル・インクルージョン』と呼ばれているもので、特にロシア産に多く見られる特徴であります。 画像2枚目以降でも植物の綿毛のような物体を確認できますが、実はこれもすべて鉱物の結晶です。 繊維状の部分はアスベストで間違いありませんが、その根本に見られる黒色の粒はクロム鉄鉱の粒状結晶と思われます。 通常、肉眼で確認できるほどの内包物は美観を損なうとして忌避されるものでありますが、このデマントイドにおいては価値を高める要素として歓迎されているのです。 デマントイドはしばしば "ダイアモンドの如き輝きを持つガーネット" と評されることがありますが、これは「分散度」という光学的性質が格段に強いため、ギラギラとした虹色の光輝が顕著に現れることに由来します。 その度合を具体的な数値にして比較すると、ダイアモンドが0.044であるのに対しこちらはその上を行く0.057。 これこそが「ガーネットの王」たる所以。 "~の如き" どころか実際は本家すら上回っており、ガーネット族はおろか数ある宝石の中でも高位の輝きを放っているのであります。 https://muuseo.com/tezzarite/items/75
https://muuseo.com/tezzarite/items/73

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    チュル

    2019/7/30

    この色がめちゃめちゃキレイですね✨
    写真見てるだけでも目と心が癒される感じがします。
    2枚目の写真も凄いな〜って思いました👍
    自然の造形は本当不思議ですよね。

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      テッツァライト

      2019/7/30 - 編集済み

      ありがとうございます!
      自分もこの緑色には癒しを感じていました。
      エメラルドと同じクロム発色ながら、色調はペリドットに似ているのでどことなく温みが感じられるんですよね😉
      そして2枚目の画像、注目していただけて良かったです。
      とりあえずホーステイルの姿を捉えることを第一に撮影しましたが、思いのほか結晶表面の紋様までしっかり映っていたので良いとこ取りに収めることができました😄

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    さるら。

    2019/7/31

    磨き抜かれた宝石も美しいと思いますが、それ以上に、自然の造形美は素晴らしいと思います。
    内包されたクリソタイルも不純物と言ってしまえばそれまでですが、封じられた美の形のひとつであると思います。
    写真もこれらの魅力を余すことなく捉えていますね! 素敵です。

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    • ありがとうございます!
      やはり結晶の “完成された美” を前にすると言葉では言い表せないような感動を覚えてしまいますよね😮✨
      研磨された宝石も大好きですが、自分は原石派なので尚更そう感じます。

      そしてよくぞ仰ってくださいました!
      このクリソタイルで言えば入り込む位置や形状によって「風になびく尻尾」や「ほうき星」あるいは「放射状に広がる花火」に見えたりと、不純物だって時に美点として映るんですよね😄
      これからもこういった魅力をお伝えできるよう頑張って参りますね💪

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    realminiature

    2019/7/31

    1枚目の写真見とれてしまいます!まさしく自然の造形美ですね!

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    • ありがとうございます!
      翠色の鮮やかさも然ることながら、この結晶の形にも惹きつけられるものがありますよね。
      もはや何らかの意思が介在していているのではないかと本気で疑ってしまうほど整然とした形状ですね😮✨

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    shm

    2019/8/1

    拝見しました。

    この石は研磨されたものは山ほど見てきましたが、このような原石は滅多に見かけませんね。ホーステールの入り方、goodです^^

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    • ありがとうございます!
      私の記憶でも、見かけるとすれば大抵はルースが多かったですね~。
      なんといっても分散光がこの石の醍醐味でもありますから、原石も専ら研磨用に用いられているのかもしれませんね🤔
      美しい結晶であれば、宝飾用として尚さら需要が高いでしょうし。

      この石のホーステイル、2枚目中央部の他にも内包されていまして、よく見ると結晶の稜部分にも短針状がびっしりと密集しているんです。
      自分の場合デマントイドにはルースから触れましたが、クリソタイルの結晶がこんな風にも内包されるなんてこの原石に出会うまでは全く知りませんでしたし、何より自分の中では大発見だったもので物凄く感動してしまいました😆

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  • 確かに柘榴だ

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    • コメントありがとうございます!
      色がグリーン系なので熟れた果実っぽさは薄いかと思っていましたが、やはりそう仰って頂けるのがザクロ石にとっての誉れですね😌

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  • 磁石にくっついてますね!
    石なのにスゴイ!

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    • 主成分として元素の鉄を含有しているので磁性を帯びているんです!
      見るからに透明で非金属的なルックスなので意外性がありますよね。

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