福島県福島市飯坂町茂庭 田畑（裏半田鉱山か）　紫水晶

福島県の裏半田鉱山は、昭和頃から紫水晶が取れることで知られていました。近年では山道が荒れ、車で入ることがほぼできなくなってはいるものの、脈状の紫水晶の欠片が拾えるそうです。

田畑という場所は、ほぼ裏半田鉱山の裏に当たる場所。標本ラベルには鉱山名がありませんでしたが、裏半田鉱山と見て差し支えないでしょう。

こちらは1990年代の採取と思われる紫水晶たち。ネットで出回る裏半田鉱山の紫水晶が、1、2枚目のタイプ。うす緑色の粘土鉱物が付着していますが、そのお陰で立派な柱状結晶が守られて残っています。この付着した緑色を除去することは容易いのですが、味があったほうが宜しいでしょう。頭を少し覗かせた部分は、一般的に言われる「紫色」です。

3〜5枚目、西会津の宝川の紫水晶にそっくりな雰囲気をしています。こちらは石英脈の隙間に小さな粒状の紫水晶が生えているタイプです。こちらの色味は、1枚目と異なる「赤紫色」をしています。

6〜8枚目は、最近でも山道で拾える？タイプの結晶付きクラスターです。結晶は2ミリ程度と細かく、色味は「紫色」です。2005年、悪路を2時間車で移動した末に拾えたものはこのタイプの結晶が少ないものらしく、一部の愛好家は磨いてペンダントにされているようです。

採取される場所によって形、色味が異なることがよく分かる紫水晶たちでした。